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猫が痩せてきた・体重が減ったときの原因の切り分け方|食べているのに痩せる/食べずに痩せるの2軸と受診の目安

対象の目安: 成猫〜シニア猫

ミオ・食事・健康担当
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猫が痩せてきた・体重が減ったときの原因の切り分け方|食べているのに痩せる/食べずに痩せるの2軸と受診の目安

抱き上げたときに、なんとなく軽くなった気がする。なでると背骨がごつごつ手に当たるようになった。ごはんはしっかり食べているのに、以前よりほっそりして見える。猫の体重の変化は毎日一緒にいるとかえって気づきにくく、気づいたときには数か月かけてじわじわ減っていた、ということも少なくありません。

猫が痩せる理由は、運動量やフードの内容といった暮らしの変化から、体の中の病気までさまざまです。この記事では、原因を考えるときの入り口として「食べているのに痩せる」「食べずに痩せる」の2つの軸で候補を整理し、家庭での体重の測り方と記録、体型と筋肉量の見方、受診のときに伝えたいこと、早めに受診したいサインをまとめます。個別の病気の詳しい話は既存の記事に譲り、ここでは「痩せてきた」という変化にどう向き合うかという総論に絞ります。診断は獣医師にしかできません。受診を判断し、獣医師に状況を正確に伝えるための手がかりとして使ってください。

まず押さえたいこと。体重減少は「どれくらい」「どの速さで」が大事

猫の体重は、健康であれば多少の増減をしながらも一定の範囲に保たれます。そこから外れて減り続けているなら、何かが起きているサインかもしれません。

米国のVCA Animal Hospitalsは、脱水などによる水分の減少ではなく、ふだんの体重の10%を超えて減った場合を臨床的に意味のある体重減少としています。たとえば10ポンド(約4.5kg)の猫なら、1ポンド(約450g)を超える減少です。また、食事や環境の変化、新しいペットを迎えたことなどのストレスで体重が減ることはあるものの、それが恒久的または大きな減少になることはまれで、減るスピードが速いほど心配な変化だとしています。

VCA Animal Hospitalsは、体液の喪失や脱水によらずふだんの体重の10%を超えて減った場合を臨床的に意味のある体重減少とし、減るスピードが速いほど懸念が大きいとしています。猫は必要なカロリーより摂取が少ないと痩せるとし、その要因として、過度な活動や寒い環境への長時間の曝露によるエネルギー需要の増加、病気による代謝の亢進、不十分または質の低い食事、食欲不振・飲み込みの障害・吐出による摂取不足、消化や吸収の障害、嘔吐・下痢・多尿による栄養や水分の喪失を挙げています。

一方で、日本の獣医師監修記事では、もっと早い段階での受診をすすめるものもあります。ペット保険のPS保険の獣医師監修記事は、体重が1週間で2%以上、あるいは1か月で4〜5%以上減るなど短期間で急に痩せた場合は、早急に受診することを強くすすめています。つるまき動物病院のブログは、普段と変わりなく生活しているのに1週間で5%以上減っている場合を要注意とし、ほかの症状がある場合や、元気や食欲があっても1週間で5%以上減っている場合はすぐに受診するよう書いています。

出典示されている目安
VCA Animal Hospitalsふだんの体重の10%を超える減少を臨床的に意味のある体重減少とする
PS保険(獣医師監修)1週間で2%以上、または1か月で4〜5%以上の減少などは早急に受診
つるまき動物病院1週間で5%以上の減少は要注意。元気や食欲があってもすぐ受診

4kgの猫に当てはめると、2%は80g、5%は200g、10%は400gです。つるまき動物病院のブログも、4kgの猫ではたった200gの変化でも見逃しがちだと書いています。見た目や抱っこの感覚だけでは、こうした小さな変化に気づきにくいことがあります。

どこから異常とみなすかについて、資料の間で一つの線が引かれているわけではありません。VCAの10%は「意味のある体重減少」の定義で、それ以下なら安心という意味ではありません。PS保険の記事は、最近痩せてきたかなと思ったときは様子を見たりせず受診しましょう、とも書いています。本記事では、次のように考えることをおすすめします。

  • 数字の目安に当てはまるかどうかより、「減り続けているか」「速く減っているか」を重く見る
  • 痩せてきたと感じたら、元気でも一度受診して体重を記録してもらう
  • 体重減少にほかの症状が重なるときは、目安の数字にかかわらず早めに受診する

メモ

計画的なダイエット中や、発情期のオス猫など原因がはっきりしている場合は、しばらく様子を見てもよいとPS保険の記事は書いています。ただし、ダイエット中でも減るペースが速すぎたり、食欲が落ちたりしたときは相談してください。減量の進め方は次の記事で扱っています。

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軸1: 食べているのに痩せる

「ごはんはよく食べる。むしろ前より食べるのに、体重が減っていく」。このパターンは、一見元気そうに見えるぶん見過ごされやすいのが特徴です。森田動物医療センターのブログは、体重減少は食欲があるかないかで大きく2つに分けて考え、この違いによって疑われる病気が大きく変わるとしています。資料で挙げられている主な候補は次のとおりです。

候補資料で説明されている主な特徴
甲状腺機能亢進症中高齢の猫に多い。もっとも多いサインは体重減少、食欲の増加、飲水量と尿量の増加。嘔吐、下痢、活動の亢進がみられることもある(Cornell)
糖尿病初期は多食、多飲多尿が目立つ(PS保険)。食欲が増える一方で体重が減ることがある(森田動物医療センター)
消化管の寄生虫栄養を横取りされ、食べても痩せることがある。便の量が多い、便のにおいが強い、毛づやが悪いだけのことも(PS保険)
消化・吸収の障害炎症性腸疾患、消化管のがん、重度の寄生虫感染、膵外分泌不全など(VCA)
腫瘍食欲が保たれていても体重が減ることがあり、高齢猫では体重減少が最初のサインになることもある(森田動物医療センター)

Cornell Feline Health Centerは、甲状腺機能亢進症は猫によくみられる病気で主に中年以降の猫に起こり、もっとも一般的なサインは体重減少、食欲の増加、飲水量と尿量の増加だとしています。嘔吐、下痢、活動の亢進がみられることもあり、被毛がぼさぼさ・もつれ・脂っぽく見えることもあると説明しています。サインは初めは目立たず、進行とともにはっきりしてくるとしています。

米国猫臨床医協会(AAFP)の2021年の高齢猫ケアガイドラインも、猫では体重減少が消化器疾患の唯一のサインのことがあるとし、ほかに症状がないまま体重が減る場合の主な検討対象として、炎症性腸疾患、腫瘍、膵炎、膵外分泌不全、寄生虫を挙げています。

「よく食べているから大丈夫」ではなく、「よく食べているのに減っている」こと自体が受診の理由になります。とくに中高齢の猫で、食欲が増えた、水をよく飲む、尿が増えた、夜に活発になった、といった変化が重なるときは早めに相談してください。

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軸2: 食べずに痩せる(食べたいのに食べられない場合も)

食べる量が減った結果として痩せている場合は、「食欲そのものが落ちている」のか「食べたいのに食べられない」のかを見ておくと手がかりになります。

候補資料で説明されている主な特徴
歯や口の痛み歯周病、歯の破折、口内炎など。フードを口に入れても落とす、食べるのが遅くなることがある(森田動物医療センター)。顎の骨折など口の異常で食べたいのに食べられない(PS保険)
においが分からない猫は嗅覚が落ちると食欲が激減することがある。鼻炎を起こす感染症、異物、腫瘍、歯周病からの口鼻瘻など(PS保険)
慢性腎臓病高齢猫に多く、徐々に食欲が落ちて体重が減る(森田動物医療センター)。多飲多尿、食欲の低下、吐き気、便秘、毛づやの悪化、体重減少、筋肉の消耗などが見過ごされやすい(AAFP)
消化器の病気食道や胃腸、膵臓、肝臓の炎症や病気で、消化・吸収・代謝がうまくいかなくなる(PS保険)。胃腸炎、膵炎、寄生虫など(つるまき動物病院)
心筋症や腫瘍の進行初期は無症状のこともあるが、進行して悪液質を招くと食欲が落ちて急激に痩せる(PS保険)
ストレス環境や体の変化によるストレスが胃腸の動きに影響すると、吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振を招き痩せる(PS保険)

PS保険の獣医師監修記事は、猫が痩せる病気を「食欲があり食べているのに痩せる病気」と「食欲も元気もなくて痩せる病気」の2つに分け、前者に甲状腺機能亢進症、糖尿病、消化管内の寄生虫感染、後者に口腔疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、腎臓疾患を挙げています。心筋症や腫瘍疾患は病気が進行して悪液質を招くと食欲不振となり急激に痩せるとし、病気以外の理由として年齢や体調に合わないフード、運動量の増加、ストレス、加齢、オス猫の発情期も挙げています。

歯や口の痛みは外から見えにくく、森田動物医療センターのブログも口の中のチェックが大切だとしています。器の前まで来るのに食べない、片側だけで噛む、フードをこぼす、よだれが増えた、といった様子があれば、口の問題も疑って受診時に伝えてください。

食べる量が大きく落ちている、あるいは丸ごと食べなくなっている場合は、痩せる以前に「食べない」こと自体への対応が必要です。食べないときの考え方と受診の目安は、別の記事で整理しています。

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2軸は重なることもある

この2つの軸は、きれいに分かれるとは限りません。糖尿病は進行すると食欲が落ちて痩せ始めるとつるまき動物病院のブログは書いています。腫瘍も、食欲が保たれたまま体重が減ることがある一方で(森田動物医療センター)、代謝の異常や食欲の低下で次第に痩せていくこともあります(つるまき動物病院)。「以前はよく食べていたのに、最近は食べる量も減ってきた」という経過そのものが、獣医師にとって大事な情報です。いつから、どう変わったかを思い出しておきましょう。

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「年のせい」で片づけないために。加齢と筋肉量の低下

シニアになると体重が落ちてくる猫は少なくありません。PS保険の記事は、加齢に伴う生理的な変化として活動性が下がって筋肉量が減り、体内の水分量も減るため、高齢になるほど若いころより体重が減り痩せる傾向があるとしています。AAFPのガイドラインも、年齢が進むと体重減少はより多くみられるようになると書いています。

VCA Animal Hospitalsの高齢猫の解説は、高齢の猫は栄養の消化・吸収の効率が落ちることがあり、これが運動量の低下と重なると筋肉量と筋力が失われる(サルコペニア)と説明しています。AAFPのガイドラインは、サルコペニアを病気とは独立した加齢に伴う筋肉量減少の症候群とし、筋肉量と筋力の両方が落ちるもので、ジャンプ力や体力の低下、活動量や交流の減少として表れることがあるとしています。これに対して、基礎疾患があって体重が減る状態は悪液質(カヘキシア)と呼ばれます。

2021 AAFP Feline Senior Care Guidelinesは、サルコペニアを病気とは独立した加齢に伴う筋肉量減少の症候群、悪液質を基礎疾患に伴う体重減少と説明しています。そのうえで、説明のつかない体重・BCS・MCSの推移は病気として調べ管理すべき問題だとし、小柄な猫では絶対量の変化が小さくても割合としては意味のある変化になりうること、体重が一定でも体組成は変わるためBCSとMCSを同時に評価することが重要なこと、飼い主が家庭で体重・BCS・MCSを見守ることが悪い傾向の早期発見につながることを書いています。

ここで大事なのは、「加齢でも痩せる」ことと「痩せているのは加齢のせい」は別だという点です。Cornell Feline Health Centerは、高齢の猫は体重が増えたり減ったりすることがあるとしながら、そうした変化を老化のせいにせず、よくある病気や歯の問題のサインである可能性があるので獣医師に診てもらうよう書いています。PS保険の記事も、高齢猫では複数の要因が重なって痩せることがあり、「もう年だから」と様子を見ていると手遅れになることもあると注意しています。

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家庭での体重の測り方と記録

体重は、飼い主が家で確かめられるいちばん分かりやすい健康の指標です。数字で残しておけば、見た目では分からない小さな変化にも気づけます。

測り方

猫は体重計の上でじっとしていないことが多いので、家庭では次のような方法がよく紹介されています。

  • 抱っこして一緒に体重計に乗り、自分だけの体重を引く(森田動物医療センター、つるまき動物病院)
  • キャリーに入れた状態で測り、キャリーの重さを引く(つるまき動物病院)
  • ペット用のスケールやベビースケールに乗せる

森田動物医療センターのブログは、自宅の体重計で飼い主が抱っこして測り、自分の体重を差し引く方法でも十分だとしています。ただし人用の体重計は機種によって表示の単位が粗く、小さな変化は拾いにくいことがあります。小さな変化まで追いたい場合は、表示単位の細かいスケールが向いています。測り方ごとの違いや選び方は、次の記事で比較しています。

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頻度と条件をそろえる

PS保険の記事は、1〜2週間に1回、食後や排泄後など決まったタイミングで測ることをすすめ、食事や排泄の前後で数十gほど体重が変わると注意しています。森田動物医療センターのブログは、月に1回程度の測定を理想としています。どちらの頻度でも、次のことをそろえると比較しやすくなります。

  • 同じ体重計を使う
  • 同じ時間帯、同じタイミング(朝ごはんの前、など)で測る
  • 抱っこで測る場合は、同じ人が同じような服装で測る
  • 1回の数字に一喜一憂せず、数回分の推移で見る

ヒント

体重と一緒に、1日の食事量(目盛りのある食器や計量カップで量る)、飲水量、尿の塊の大きさや数、便の状態も簡単にメモしておくと、受診のときにそのまま役立ちます。PS保険の記事も、体調管理の記録を持参すると受診時に役立つとしています。多頭飼いでは誰が何を食べたか分かりにくいので、痩せてきた子だけでも食事を分けて量を確かめてみてください。

体重と一緒に見たい、体型(BCS)と筋肉量(MCS)

体重の数字だけでは、減ったのが脂肪なのか筋肉なのかは分かりません。世界小動物獣医師会(WSAVA)は、体脂肪を評価するボディコンディションスコア(BCS)と、筋肉量を評価する筋肉コンディションスコア(MCS)を、体重と一緒に評価することをすすめています。

BCS(体脂肪の目安)

WSAVAの猫用BCSチャートは9段階で、5が理想です。痩せ側の説明は次のようになっています。

BCS(9段階)WSAVAチャートの説明(要約)
5(理想)均整がとれている。肋骨はわずかな脂肪越しに触れる。肋骨の後ろにくびれが見えるが目立ちすぎない。腹部の脂肪は最小限
4肋骨はごく薄い脂肪越しに触れる。肋骨の後ろのくびれがはっきり分かる。お腹が少し引き上がっている。腹部の脂肪はごくわずか
3肋骨はごく薄い脂肪越しに容易に触れる。腰の骨(腰椎)がはっきり分かる。くびれが明らか。腹部の脂肪はごくわずか
2短毛の猫では肋骨が容易に見える。腰椎がはっきりし、お腹の引き上がりが顕著。脂肪のたまり(脂肪パッド)がない
1短毛の猫では肋骨がとても容易に見える。脂肪がなく、お腹が強く引き上がる。腰椎と骨盤の骨が容易に見え、触れる

WSAVAの猫用BCSチャートは、1〜9の9段階で体型を示し、5を理想としています。脚注で、猫によってはとくに高齢の猫では6/9も許容される場合があるとしています。WSAVAの栄養評価ガイドライン日本語版は、ほとんどのペットで9段階の4〜5が目標になるとし、飼い主によってはこれを「痩せすぎ」と感じることもあると書いています。

長毛の猫は見た目では体型が分かりにくいので、肋骨や背骨、腰の骨を実際に手で触って確かめます。以前は触れなかった骨がはっきり触れるようになった、というのも変化のサインです。

MCS(筋肉量の目安)

WSAVAの猫用MCSチャートは、背骨、肩甲骨、頭の骨、腰の骨(腸骨翼)を見て触って筋肉量を評価し、「正常」「軽度の減少」「中等度の減少」「重度の減少」の4段階で示します。筋肉の減少は、たいてい背骨の両側の筋肉で最初に気づかれるとしています。

大切なのは、BCSとMCSは別物だという点です。WSAVAのチャートは、太っていても(BCSが5/9を超えていても)筋肉がかなり落ちていることがあり、逆にBCSが低くても筋肉の減少はわずかなこともあるとして、両方を毎回評価することが重要だとしています。WSAVAのガイドライン日本語版は、筋肉の減少は健康な動物が単に食事量不足で脂肪が減る場合より、急性・慢性の病気を持つ多くの動物でより顕著にみられるため、筋肉の状態の評価が重要だとしています。

WSAVAの猫用MCSチャートは、筋肉量を背骨・肩甲骨・頭蓋骨・腸骨翼の視診と触診で評価し、正常・軽度・中等度・重度の筋肉の減少に分類するとしています。筋肉の減少はたいてい背骨の両側の筋肉で最初に気づかれること、過体重(BCS5/9超)でも著しい筋肉の減少がありうること、BCSとMCSの両方を毎回評価することが重要で、触診はとくに軽度の筋肉の減少や過体重の動物で重要なことを説明しています。

家庭で厳密に点数をつける必要はありません。背中をなでたときに背骨の山がごつごつ目立つようになった、頭のてっぺんや肩甲骨が浮き出てきた、腰まわりが薄くなった、という変化に気づけることが大切です。スコアの判定は獣医師に任せ、「前より背骨が触れるようになった」と具体的に伝えてください。

たとえば「体重はほとんど変わっていなかったので安心していたのに、背中をなでると骨がごつごつ触れるようになっていた」というケースも考えられます。体重の数字と手ざわりの両方で見ておくと、こうした変化にも気づきやすくなります。

受診のときに伝えたいこと

VCA Animal Hospitalsは、体重減少の原因を調べるために、詳しい問診と全身の身体検査を行い、必要に応じて血液検査、尿検査、X線検査、血圧測定、腹部の超音波検査などを行うことがあるとしています。問診で聞かれやすい内容を事前に整理しておくと、限られた診察時間を有効に使えます。

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    体重の推移を見せる

    いつ何kgだったかの記録があれば、そのまま見せます。記録がなければ、過去の健康診断やワクチン接種時の体重を動物病院で確認してもらえることもあります。「いつごろから痩せてきたと感じたか」も伝えます。
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    食欲と食べる量を伝える

    食欲はふだんどおりか、増えたか、減ったか。何を、どれくらい与えているか。フードの保管方法や、最近フードを変えたかどうかも添えます。VCAはこうした点を原因を探る質問として挙げています。
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    食べ方の変化を伝える

    噛みにくそう、飲み込みにくそう、フードをこぼす、片側で噛む、食べたあとに戻す、といった様子があれば伝えます。
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    飲水量・尿・便の変化を伝える

    水を飲む量や尿の量が増えた・減ったか。便の色や硬さ、量や回数の変化はないか。PS保険の記事は、体重1kgあたり50ml以上飲む状態を多飲としています。
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    ほかの様子を伝える

    活動量の変化、嘔吐や下痢、発熱っぽさやだるそうな様子、夜鳴きや落ち着きのなさ。飲んでいる薬やサプリメント、寄生虫の検査や駆虫の状況、避妊・去勢の有無もまとめておきます。

早めに受診したいサイン

ここまでの内容を、判断の目安としてまとめます。あくまで目安で、迷ったときは受診する、あるいは動物病院に電話で相談する、を基本にしてください。

注意

次のような場合は、様子見を続けず、早めに動物病院に相談してください。

  • 痩せてきたと感じる、抱っこしたときに軽く感じる
  • 体重が少しずつ減り続けている
  • よく食べる、または食欲が増えたのに痩せてきた
  • 背骨や腰の骨がごつごつ触れるようになった、ジャンプしなくなった
  • フードをこぼす、食べるのが遅くなった、よだれが増えた
  • 中高齢の猫で、体重の変化に加えて毛づやが悪くなった、落ち着きがなくなった

注意

次のいずれかに当てはまる場合は、できるだけ早く受診してください。夜間であれば夜間救急を受け付けている動物病院に連絡してください。

  • 短期間で体重が減った(PS保険の記事は1週間で2%以上、1か月で4〜5%以上の減少などを早急な受診の目安とし、つるまき動物病院は元気や食欲があっても1週間で5%以上減っている場合はすぐ受診するよう書いています)
  • 水をたくさん飲む、尿の量が増えた(PS保険の記事は、多飲や尿量の増加も早急な受診をすすめる症状に挙げています)
  • 体重減少に加えて、嘔吐や下痢があり食欲も落ちている
  • 食欲も元気もない(PS保険の記事は、肥満傾向の猫では肝リピドーシスを併発する可能性があると注意しています)
  • 尿の量が極端に少ない、トイレに行くのに尿が出ていない
  • ぐったりしている、呼吸が苦しそう

つるまき動物病院のブログは、体重減少と一緒に食欲の低下、元気がない、たくさん水を飲んで薄い尿がたくさん出る、嘔吐、下痢などがみられる場合は病気のサインの可能性があるとし、とくにシニア期に体重減少と多飲多尿が重なる場合は甲状腺機能亢進症、糖尿病、慢性腎臓病などの可能性があるとしています。ほかの症状を伴う場合や、元気や食欲があっても1週間で5%以上体重が減っている場合はすぐに受診するよう書いています。

PS保険の記事は、嘔吐や下痢があって食欲も落ちている場合は脱水や低血糖の可能性が、尿が極端に少ない場合は尿路閉塞や急性の腎臓の病気の可能性があるとしています。水を多く飲む変化については、別の記事でも詳しく扱っています。

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家庭でできること、しないほうがよいこと

原因が分からないうちに、家庭で「とにかく太らせよう」とフードやおやつを大きく変えるのは避けてください。痩せる原因によって、合う食事の内容や量は変わります。まずは受診して原因を確かめ、食事の内容や量は獣医師と相談して決めてください。

そのうえで、原因が分かって方針が決まったあとなら、PS保険の記事が紹介しているように、人肌程度に温めて香りを立たせる、少量ずつ回数を分ける、食器を食べやすい高さにする、といった食べやすさの工夫が役立つことがあります。思い当たるストレスがあれば、その対策も並行して考えます。

ヒント

体重の変化にいちばん早く気づけるのは、毎日一緒にいる飼い主です。元気なうちから定期的に体重を測り、ふだんの数字を知っておくことが、痩せ始めを見逃さないいちばんの近道です。健康診断のたびに体重を記録してもらうのも一つの方法です。

よくある質問

何%体重が減ったら病院に行くべきですか
資料によって示し方が異なります。VCA Animal Hospitalsはふだんの体重の10%を超える減少を臨床的に意味のある体重減少としています。一方、PS保険の獣医師監修記事は1週間で2%以上や1か月で4〜5%以上の減少などで早急な受診を、つるまき動物病院は1週間で5%以上の減少ですぐの受診をすすめています。数字に当てはまらなくても、痩せてきたと感じたら一度相談してください。
よく食べて元気なのに痩せています。様子を見てよいですか
よく食べるのに痩せるのは、それ自体が受診の理由になります。甲状腺機能亢進症や糖尿病、消化・吸収の障害、寄生虫、腫瘍などで、食欲が保たれたまま体重が減ることがあると資料で説明されています。とくに中高齢の猫で、水をよく飲む、尿が増えたといった変化が重なるときは早めに受診してください。
シニア猫が痩せてきたのは年のせいですか
加齢で筋肉量が減り痩せる傾向があるのは確かですが、Cornell Feline Health Centerは高齢の猫の変化を老化のせいにせず、病気や歯の問題のサインである可能性があるとして獣医師に診てもらうよう書いています。年齢のせいかどうかは、診察と検査で確かめてから判断するのが安心です。
体重は変わらないのに背骨がごつごつしてきました
体重が同じでも、筋肉が落ちて脂肪が増えるなど体の組成が変わっていることがあります。WSAVAは太っていても筋肉がかなり落ちていることがあるとして、体脂肪のBCSと筋肉量のMCSを両方評価することをすすめています。気づいた変化をそのまま獣医師に伝えてください。
家で体重を測るならどのくらいの頻度がよいですか
PS保険の記事は1〜2週間に1回、森田動物医療センターは月に1回程度を目安にしています。同じ体重計で、同じ時間帯やタイミングで測り、数回分の推移で見るのがおすすめです。食事や排泄の前後で数十gほど変わることがあります。

まとめ

猫が痩せてきたときは、まず「食べているのに痩せる」のか「食べずに痩せる」のかを見ると、考えられる原因の見当がつきやすくなります。どれくらい減ったら受診かの線は資料によって違いますが、減り続けている、速く減っている、ほかの症状がある、という場合は待たずに相談するのが基本です。体重は同じ条件で定期的に測り、BCSやMCSの考え方も参考に、骨の触れ方や筋肉のつき方の変化にも目を向けてください。高齢の猫の「年のせい」には、治療できる病気が隠れていることもあります。迷ったときは、記録を持って動物病院に相談してください。

出典・参考

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