猫が痩せてきた・体重が減ったときの原因の切り分け方|食べているのに痩せる/食べずに痩せるの2軸と受診の目安
対象の目安: 成猫〜シニア猫


抱き上げたときに、なんとなく軽くなった気がする。なでると背骨がごつごつ手に当たるようになった。ごはんはしっかり食べているのに、以前よりほっそりして見える。猫の体重の変化は毎日一緒にいるとかえって気づきにくく、気づいたときには数か月かけてじわじわ減っていた、ということも少なくありません。
猫が痩せる理由は、運動量やフードの内容といった暮らしの変化から、体の中の病気までさまざまです。この記事では、原因を考えるときの入り口として「食べているのに痩せる」「食べずに痩せる」の2つの軸で候補を整理し、家庭での体重の測り方と記録、体型と筋肉量の見方、受診のときに伝えたいこと、早めに受診したいサインをまとめます。個別の病気の詳しい話は既存の記事に譲り、ここでは「痩せてきた」という変化にどう向き合うかという総論に絞ります。診断は獣医師にしかできません。受診を判断し、獣医師に状況を正確に伝えるための手がかりとして使ってください。
まず押さえたいこと。体重減少は「どれくらい」「どの速さで」が大事
猫の体重は、健康であれば多少の増減をしながらも一定の範囲に保たれます。そこから外れて減り続けているなら、何かが起きているサインかもしれません。
米国のVCA Animal Hospitalsは、脱水などによる水分の減少ではなく、ふだんの体重の10%を超えて減った場合を臨床的に意味のある体重減少としています。たとえば10ポンド(約4.5kg)の猫なら、1ポンド(約450g)を超える減少です。また、食事や環境の変化、新しいペットを迎えたことなどのストレスで体重が減ることはあるものの、それが恒久的または大きな減少になることはまれで、減るスピードが速いほど心配な変化だとしています。
一方で、日本の獣医師監修記事では、もっと早い段階での受診をすすめるものもあります。ペット保険のPS保険の獣医師監修記事は、体重が1週間で2%以上、あるいは1か月で4〜5%以上減るなど短期間で急に痩せた場合は、早急に受診することを強くすすめています。つるまき動物病院のブログは、普段と変わりなく生活しているのに1週間で5%以上減っている場合を要注意とし、ほかの症状がある場合や、元気や食欲があっても1週間で5%以上減っている場合はすぐに受診するよう書いています。
| 出典 | 示されている目安 |
|---|---|
| VCA Animal Hospitals | ふだんの体重の10%を超える減少を臨床的に意味のある体重減少とする |
| PS保険(獣医師監修) | 1週間で2%以上、または1か月で4〜5%以上の減少などは早急に受診 |
| つるまき動物病院 | 1週間で5%以上の減少は要注意。元気や食欲があってもすぐ受診 |
4kgの猫に当てはめると、2%は80g、5%は200g、10%は400gです。つるまき動物病院のブログも、4kgの猫ではたった200gの変化でも見逃しがちだと書いています。見た目や抱っこの感覚だけでは、こうした小さな変化に気づきにくいことがあります。
どこから異常とみなすかについて、資料の間で一つの線が引かれているわけではありません。VCAの10%は「意味のある体重減少」の定義で、それ以下なら安心という意味ではありません。PS保険の記事は、最近痩せてきたかなと思ったときは様子を見たりせず受診しましょう、とも書いています。本記事では、次のように考えることをおすすめします。
- 数字の目安に当てはまるかどうかより、「減り続けているか」「速く減っているか」を重く見る
- 痩せてきたと感じたら、元気でも一度受診して体重を記録してもらう
- 体重減少にほかの症状が重なるときは、目安の数字にかかわらず早めに受診する
メモ
あわせて読みたい
猫の肥満・ダイエット対策|適正体重の見方と無理のない減らし方
軸1: 食べているのに痩せる
「ごはんはよく食べる。むしろ前より食べるのに、体重が減っていく」。このパターンは、一見元気そうに見えるぶん見過ごされやすいのが特徴です。森田動物医療センターのブログは、体重減少は食欲があるかないかで大きく2つに分けて考え、この違いによって疑われる病気が大きく変わるとしています。資料で挙げられている主な候補は次のとおりです。
| 候補 | 資料で説明されている主な特徴 |
|---|---|
| 甲状腺機能亢進症 | 中高齢の猫に多い。もっとも多いサインは体重減少、食欲の増加、飲水量と尿量の増加。嘔吐、下痢、活動の亢進がみられることもある(Cornell) |
| 糖尿病 | 初期は多食、多飲多尿が目立つ(PS保険)。食欲が増える一方で体重が減ることがある(森田動物医療センター) |
| 消化管の寄生虫 | 栄養を横取りされ、食べても痩せることがある。便の量が多い、便のにおいが強い、毛づやが悪いだけのことも(PS保険) |
| 消化・吸収の障害 | 炎症性腸疾患、消化管のがん、重度の寄生虫感染、膵外分泌不全など(VCA) |
| 腫瘍 | 食欲が保たれていても体重が減ることがあり、高齢猫では体重減少が最初のサインになることもある(森田動物医療センター) |
米国猫臨床医協会(AAFP)の2021年の高齢猫ケアガイドラインも、猫では体重減少が消化器疾患の唯一のサインのことがあるとし、ほかに症状がないまま体重が減る場合の主な検討対象として、炎症性腸疾患、腫瘍、膵炎、膵外分泌不全、寄生虫を挙げています。
「よく食べているから大丈夫」ではなく、「よく食べているのに減っている」こと自体が受診の理由になります。とくに中高齢の猫で、食欲が増えた、水をよく飲む、尿が増えた、夜に活発になった、といった変化が重なるときは早めに相談してください。
あわせて読みたい
猫の甲状腺機能亢進症のサインと治療|シニア猫に多い・食べても痩せるに気づく
あわせて読みたい
猫の糖尿病のサインと新しい飲み薬「センベルゴ」|多飲多尿に気づく・注射に代わる経口薬
軸2: 食べずに痩せる(食べたいのに食べられない場合も)
食べる量が減った結果として痩せている場合は、「食欲そのものが落ちている」のか「食べたいのに食べられない」のかを見ておくと手がかりになります。
| 候補 | 資料で説明されている主な特徴 |
|---|---|
| 歯や口の痛み | 歯周病、歯の破折、口内炎など。フードを口に入れても落とす、食べるのが遅くなることがある(森田動物医療センター)。顎の骨折など口の異常で食べたいのに食べられない(PS保険) |
| においが分からない | 猫は嗅覚が落ちると食欲が激減することがある。鼻炎を起こす感染症、異物、腫瘍、歯周病からの口鼻瘻など(PS保険) |
| 慢性腎臓病 | 高齢猫に多く、徐々に食欲が落ちて体重が減る(森田動物医療センター)。多飲多尿、食欲の低下、吐き気、便秘、毛づやの悪化、体重減少、筋肉の消耗などが見過ごされやすい(AAFP) |
| 消化器の病気 | 食道や胃腸、膵臓、肝臓の炎症や病気で、消化・吸収・代謝がうまくいかなくなる(PS保険)。胃腸炎、膵炎、寄生虫など(つるまき動物病院) |
| 心筋症や腫瘍の進行 | 初期は無症状のこともあるが、進行して悪液質を招くと食欲が落ちて急激に痩せる(PS保険) |
| ストレス | 環境や体の変化によるストレスが胃腸の動きに影響すると、吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振を招き痩せる(PS保険) |
歯や口の痛みは外から見えにくく、森田動物医療センターのブログも口の中のチェックが大切だとしています。器の前まで来るのに食べない、片側だけで噛む、フードをこぼす、よだれが増えた、といった様子があれば、口の問題も疑って受診時に伝えてください。
食べる量が大きく落ちている、あるいは丸ごと食べなくなっている場合は、痩せる以前に「食べない」こと自体への対応が必要です。食べないときの考え方と受診の目安は、別の記事で整理しています。
あわせて読みたい
猫がごはんを食べない原因と対策|受診すべきサインと時間の目安
あわせて読みたい
猫の慢性腎臓病(CKD)と新薬FeliAIMの最新状況|今できる早期発見と日々のケア
あわせて読みたい
猫の口内炎(慢性歯肉口内炎)のサインと治療|よだれ・口臭・食べたいのに食べられない
2軸は重なることもある
この2つの軸は、きれいに分かれるとは限りません。糖尿病は進行すると食欲が落ちて痩せ始めるとつるまき動物病院のブログは書いています。腫瘍も、食欲が保たれたまま体重が減ることがある一方で(森田動物医療センター)、代謝の異常や食欲の低下で次第に痩せていくこともあります(つるまき動物病院)。「以前はよく食べていたのに、最近は食べる量も減ってきた」という経過そのものが、獣医師にとって大事な情報です。いつから、どう変わったかを思い出しておきましょう。
あわせて読みたい
猫のがん(腫瘍)に家庭で早く気づくために|しこりの触り方と見逃しやすいサイン
「年のせい」で片づけないために。加齢と筋肉量の低下
シニアになると体重が落ちてくる猫は少なくありません。PS保険の記事は、加齢に伴う生理的な変化として活動性が下がって筋肉量が減り、体内の水分量も減るため、高齢になるほど若いころより体重が減り痩せる傾向があるとしています。AAFPのガイドラインも、年齢が進むと体重減少はより多くみられるようになると書いています。
VCA Animal Hospitalsの高齢猫の解説は、高齢の猫は栄養の消化・吸収の効率が落ちることがあり、これが運動量の低下と重なると筋肉量と筋力が失われる(サルコペニア)と説明しています。AAFPのガイドラインは、サルコペニアを病気とは独立した加齢に伴う筋肉量減少の症候群とし、筋肉量と筋力の両方が落ちるもので、ジャンプ力や体力の低下、活動量や交流の減少として表れることがあるとしています。これに対して、基礎疾患があって体重が減る状態は悪液質(カヘキシア)と呼ばれます。
ここで大事なのは、「加齢でも痩せる」ことと「痩せているのは加齢のせい」は別だという点です。Cornell Feline Health Centerは、高齢の猫は体重が増えたり減ったりすることがあるとしながら、そうした変化を老化のせいにせず、よくある病気や歯の問題のサインである可能性があるので獣医師に診てもらうよう書いています。PS保険の記事も、高齢猫では複数の要因が重なって痩せることがあり、「もう年だから」と様子を見ていると手遅れになることもあると注意しています。
あわせて読みたい
シニア猫(7歳〜)の老化サインと健康管理、家庭でできる見守りと環境調整
家庭での体重の測り方と記録
体重は、飼い主が家で確かめられるいちばん分かりやすい健康の指標です。数字で残しておけば、見た目では分からない小さな変化にも気づけます。
測り方
猫は体重計の上でじっとしていないことが多いので、家庭では次のような方法がよく紹介されています。
- 抱っこして一緒に体重計に乗り、自分だけの体重を引く(森田動物医療センター、つるまき動物病院)
- キャリーに入れた状態で測り、キャリーの重さを引く(つるまき動物病院)
- ペット用のスケールやベビースケールに乗せる
森田動物医療センターのブログは、自宅の体重計で飼い主が抱っこして測り、自分の体重を差し引く方法でも十分だとしています。ただし人用の体重計は機種によって表示の単位が粗く、小さな変化は拾いにくいことがあります。小さな変化まで追いたい場合は、表示単位の細かいスケールが向いています。測り方ごとの違いや選び方は、次の記事で比較しています。
あわせて読みたい
猫の体重計・ペットスケールの選び方比較|専用スケール・ベビースケール・抱っこ測定を中立比較
頻度と条件をそろえる
PS保険の記事は、1〜2週間に1回、食後や排泄後など決まったタイミングで測ることをすすめ、食事や排泄の前後で数十gほど体重が変わると注意しています。森田動物医療センターのブログは、月に1回程度の測定を理想としています。どちらの頻度でも、次のことをそろえると比較しやすくなります。
- 同じ体重計を使う
- 同じ時間帯、同じタイミング(朝ごはんの前、など)で測る
- 抱っこで測る場合は、同じ人が同じような服装で測る
- 1回の数字に一喜一憂せず、数回分の推移で見る
ヒント
体重と一緒に見たい、体型(BCS)と筋肉量(MCS)
体重の数字だけでは、減ったのが脂肪なのか筋肉なのかは分かりません。世界小動物獣医師会(WSAVA)は、体脂肪を評価するボディコンディションスコア(BCS)と、筋肉量を評価する筋肉コンディションスコア(MCS)を、体重と一緒に評価することをすすめています。
BCS(体脂肪の目安)
WSAVAの猫用BCSチャートは9段階で、5が理想です。痩せ側の説明は次のようになっています。
| BCS(9段階) | WSAVAチャートの説明(要約) |
|---|---|
| 5(理想) | 均整がとれている。肋骨はわずかな脂肪越しに触れる。肋骨の後ろにくびれが見えるが目立ちすぎない。腹部の脂肪は最小限 |
| 4 | 肋骨はごく薄い脂肪越しに触れる。肋骨の後ろのくびれがはっきり分かる。お腹が少し引き上がっている。腹部の脂肪はごくわずか |
| 3 | 肋骨はごく薄い脂肪越しに容易に触れる。腰の骨(腰椎)がはっきり分かる。くびれが明らか。腹部の脂肪はごくわずか |
| 2 | 短毛の猫では肋骨が容易に見える。腰椎がはっきりし、お腹の引き上がりが顕著。脂肪のたまり(脂肪パッド)がない |
| 1 | 短毛の猫では肋骨がとても容易に見える。脂肪がなく、お腹が強く引き上がる。腰椎と骨盤の骨が容易に見え、触れる |
長毛の猫は見た目では体型が分かりにくいので、肋骨や背骨、腰の骨を実際に手で触って確かめます。以前は触れなかった骨がはっきり触れるようになった、というのも変化のサインです。
MCS(筋肉量の目安)
WSAVAの猫用MCSチャートは、背骨、肩甲骨、頭の骨、腰の骨(腸骨翼)を見て触って筋肉量を評価し、「正常」「軽度の減少」「中等度の減少」「重度の減少」の4段階で示します。筋肉の減少は、たいてい背骨の両側の筋肉で最初に気づかれるとしています。
大切なのは、BCSとMCSは別物だという点です。WSAVAのチャートは、太っていても(BCSが5/9を超えていても)筋肉がかなり落ちていることがあり、逆にBCSが低くても筋肉の減少はわずかなこともあるとして、両方を毎回評価することが重要だとしています。WSAVAのガイドライン日本語版は、筋肉の減少は健康な動物が単に食事量不足で脂肪が減る場合より、急性・慢性の病気を持つ多くの動物でより顕著にみられるため、筋肉の状態の評価が重要だとしています。
家庭で厳密に点数をつける必要はありません。背中をなでたときに背骨の山がごつごつ目立つようになった、頭のてっぺんや肩甲骨が浮き出てきた、腰まわりが薄くなった、という変化に気づけることが大切です。スコアの判定は獣医師に任せ、「前より背骨が触れるようになった」と具体的に伝えてください。
受診のときに伝えたいこと
VCA Animal Hospitalsは、体重減少の原因を調べるために、詳しい問診と全身の身体検査を行い、必要に応じて血液検査、尿検査、X線検査、血圧測定、腹部の超音波検査などを行うことがあるとしています。問診で聞かれやすい内容を事前に整理しておくと、限られた診察時間を有効に使えます。
- 1
体重の推移を見せる
いつ何kgだったかの記録があれば、そのまま見せます。記録がなければ、過去の健康診断やワクチン接種時の体重を動物病院で確認してもらえることもあります。「いつごろから痩せてきたと感じたか」も伝えます。 - 2
食欲と食べる量を伝える
食欲はふだんどおりか、増えたか、減ったか。何を、どれくらい与えているか。フードの保管方法や、最近フードを変えたかどうかも添えます。VCAはこうした点を原因を探る質問として挙げています。 - 3
食べ方の変化を伝える
噛みにくそう、飲み込みにくそう、フードをこぼす、片側で噛む、食べたあとに戻す、といった様子があれば伝えます。 - 4
飲水量・尿・便の変化を伝える
水を飲む量や尿の量が増えた・減ったか。便の色や硬さ、量や回数の変化はないか。PS保険の記事は、体重1kgあたり50ml以上飲む状態を多飲としています。 - 5
ほかの様子を伝える
活動量の変化、嘔吐や下痢、発熱っぽさやだるそうな様子、夜鳴きや落ち着きのなさ。飲んでいる薬やサプリメント、寄生虫の検査や駆虫の状況、避妊・去勢の有無もまとめておきます。
早めに受診したいサイン
ここまでの内容を、判断の目安としてまとめます。あくまで目安で、迷ったときは受診する、あるいは動物病院に電話で相談する、を基本にしてください。
注意
次のような場合は、様子見を続けず、早めに動物病院に相談してください。
- 痩せてきたと感じる、抱っこしたときに軽く感じる
- 体重が少しずつ減り続けている
- よく食べる、または食欲が増えたのに痩せてきた
- 背骨や腰の骨がごつごつ触れるようになった、ジャンプしなくなった
- フードをこぼす、食べるのが遅くなった、よだれが増えた
- 中高齢の猫で、体重の変化に加えて毛づやが悪くなった、落ち着きがなくなった
注意
次のいずれかに当てはまる場合は、できるだけ早く受診してください。夜間であれば夜間救急を受け付けている動物病院に連絡してください。
- 短期間で体重が減った(PS保険の記事は1週間で2%以上、1か月で4〜5%以上の減少などを早急な受診の目安とし、つるまき動物病院は元気や食欲があっても1週間で5%以上減っている場合はすぐ受診するよう書いています)
- 水をたくさん飲む、尿の量が増えた(PS保険の記事は、多飲や尿量の増加も早急な受診をすすめる症状に挙げています)
- 体重減少に加えて、嘔吐や下痢があり食欲も落ちている
- 食欲も元気もない(PS保険の記事は、肥満傾向の猫では肝リピドーシスを併発する可能性があると注意しています)
- 尿の量が極端に少ない、トイレに行くのに尿が出ていない
- ぐったりしている、呼吸が苦しそう
PS保険の記事は、嘔吐や下痢があって食欲も落ちている場合は脱水や低血糖の可能性が、尿が極端に少ない場合は尿路閉塞や急性の腎臓の病気の可能性があるとしています。水を多く飲む変化については、別の記事でも詳しく扱っています。
あわせて読みたい
猫の多飲多尿のサインの読み方|水を飲む量・おしっこが増えたときの受診の目安
家庭でできること、しないほうがよいこと
原因が分からないうちに、家庭で「とにかく太らせよう」とフードやおやつを大きく変えるのは避けてください。痩せる原因によって、合う食事の内容や量は変わります。まずは受診して原因を確かめ、食事の内容や量は獣医師と相談して決めてください。
そのうえで、原因が分かって方針が決まったあとなら、PS保険の記事が紹介しているように、人肌程度に温めて香りを立たせる、少量ずつ回数を分ける、食器を食べやすい高さにする、といった食べやすさの工夫が役立つことがあります。思い当たるストレスがあれば、その対策も並行して考えます。
ヒント
よくある質問
何%体重が減ったら病院に行くべきですか
よく食べて元気なのに痩せています。様子を見てよいですか
シニア猫が痩せてきたのは年のせいですか
体重は変わらないのに背骨がごつごつしてきました
家で体重を測るならどのくらいの頻度がよいですか
まとめ
猫が痩せてきたときは、まず「食べているのに痩せる」のか「食べずに痩せる」のかを見ると、考えられる原因の見当がつきやすくなります。どれくらい減ったら受診かの線は資料によって違いますが、減り続けている、速く減っている、ほかの症状がある、という場合は待たずに相談するのが基本です。体重は同じ条件で定期的に測り、BCSやMCSの考え方も参考に、骨の触れ方や筋肉のつき方の変化にも目を向けてください。高齢の猫の「年のせい」には、治療できる病気が隠れていることもあります。迷ったときは、記録を持って動物病院に相談してください。
出典・参考
- Abnormal Weight Loss in Cats(VCA Animal Hospitals)
- Body Condition Score(Cats)(WSAVA Global Nutrition Committee)
- Muscle Condition Score(Cats)(WSAVA Global Nutrition Committee)
- 世界小動物獣医師会(WSAVA)栄養評価ガイドライン日本語版(WSAVA)
- 2021 AAFP Feline Senior Care Guidelines(Journal of Feline Medicine and Surgery / PMC)
- Hyperthyroidism in Cats(Cornell Feline Health Center)
- Loving Care for Older Cats(Cornell Feline Health Center)
- Helping our Senior Cats Age Gracefully(VCA Animal Hospitals)
- 猫が痩せる原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医師が解説(ペット保険のPS保険)
- 猫が急に痩せた?食欲はあるのに体重が減るときに疑いたい病気(森田動物医療センター)
- 猫が急に痩せた…要注意な7つの病気と症状|動物病院への相談目安も解説(つるまき動物病院)
関連する記事
猫の甲状腺機能亢進症のサインと治療|シニア猫に多い・食べても痩せるに気づく
猫の甲状腺機能亢進症はシニア猫に多く、甲状腺ホルモン(T4)過剰で代謝が高まる病気です。よく食べるのに痩せるサインや血液検査での診断、抗甲状腺薬・療法食・放射性ヨウ素・手術の治療、治療後に腎臓病が表面化することまで整理します。診断と治療は動物病院で。
猫の慢性腎臓病(CKD)と新薬FeliAIMの最新状況|今できる早期発見と日々のケア
高齢猫に多い慢性腎臓病(CKD)について、AIM医学研究所が承認申請したAIM猫薬FeliAIMの現在地(まだ未承認)を正確に整理しつつ、多飲多尿など初期サインの見つけ方、定期健診・水分・療法食といった今すぐできる管理を、出典を確認しながら落ち着いてまとめます。
猫の糖尿病のサインと新しい飲み薬「センベルゴ」|多飲多尿に気づく・注射に代わる経口薬
猫の糖尿病は中高齢・肥満・去勢後に多い病気です。多飲多尿や、たくさん食べるのに痩せるなどのサインと、注射に代わる1日1回の経口薬センベルゴ(ベラグリフロジン)の仕組み・メリット・注意点を、出典を確認しながら落ち着いて整理します。診断と治療は動物病院で。


