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猫の糖尿病のサインと新しい飲み薬「センベルゴ」|多飲多尿に気づく・注射に代わる経口薬

対象の目安: 全ライフステージ

ミオ食事・健康担当
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猫の糖尿病のサインと新しい飲み薬「センベルゴ」|多飲多尿に気づく・注射に代わる経口薬

「よく水を飲むようになった」「たくさん食べているのに痩せてきた」。そんな変化の裏に、猫の糖尿病が隠れていることがあります。糖尿病は中高齢や肥満の猫に多い一方で、これまでの治療は1日1〜2回のインスリン注射が中心でした。近年は、注射に代わる1日1回の飲み薬「センベルゴ」も選べるようになっています。この記事では、家庭で気づきたいサインと、新しい経口薬の仕組み・メリット・注意点を、出典を確認しながら落ち着いて整理します。診断と治療は必ず動物病院で行うものですが、まず全体像を知る手がかりにしてください。

猫の糖尿病とは|中高齢・肥満・去勢後に多い

糖尿病は、血糖(血液中のブドウ糖)を細胞に取り込むホルモン「インスリン」の働きが足りなくなり、血糖値が高い状態が続く病気です。猫では、加齢や肥満などをきっかけに発症することが多いとされています。

ほさか動物病院の解説では、糖尿病の最大のリスク要因は肥満で、去勢後で運動量の少ない室内飼いの猫が該当しやすいこと、10歳を超えるシニア猫では代謝が低下し膵臓の機能が衰えてくること、オス猫にやや多いこと、慢性膵炎などの基礎疾患が関わることが挙げられています。「うちの子は中年でぽっちゃりぎみ」という猫は、リスクを意識しておきたいところです。

糖尿病の最大のリスク要因が肥満であること、去勢後・運動量の少ない室内飼いの猫が該当しやすいこと、10歳を超えるシニア猫では代謝低下・膵機能の衰えがみられること、オス猫にやや多いこと、慢性膵炎などの基礎疾患が関わることについて。ほさか動物病院より。

体重の管理は、糖尿病の予防と管理の両面で大切な土台になります。肥満が気になる場合の見直し方は

も参考にしてください。

家庭で気づきたいサイン

糖尿病は、初期には目立った不調が出にくい一方、日常のちょっとした変化として表れます。ほさか動物病院の解説では、よく水を飲む(多飲)、尿の量が増える(多尿)、食欲があるのに体重が減る、被毛のツヤがなくなる、元気がなく寝ている時間が増える、といった症状が挙げられ、進行すると後ろ足がふらつく(糖尿病性神経障害)こともあるとされています。

とくに「食欲は落ちていないのに痩せてくる」という組み合わせは、見逃したくないサインです。ふだんの飲水量やトイレの回数、体重を軽く記録しておくと、小さな変化に気づきやすくなります。飲水量の目安やチェックの仕方は

にまとめています。

家庭で気づきたい糖尿病のサイン

  • 水を飲む量・おしっこの量が増えてきた
  • 食欲はあるのに、体重が減ってきた・痩せてきた
  • 被毛のツヤがなくなり、毛づやが落ちてきた
  • なんとなく元気がなく、寝ている時間が増えた
  • 後ろ足がふらつく、かかとを着けて歩くような様子がある

多飲・多尿、食欲があるのに体重が減ること、被毛のツヤがなくなること、元気がなく寝ている時間が増えること、進行すると後ろ足がふらつく糖尿病性神経障害がみられることについて。ほさか動物病院より。

診断・治療は動物病院で|自己判断しない

こうしたサインに気づいても、家庭で糖尿病かどうかを判断することはできません。ほさか動物病院の解説では、診断は血糖値・フルクトサミン・尿中ケトン体などを測定し、糖尿病の有無と重症度を評価する血液・尿検査で行われるとされています。治療はインスリン注射と、高タンパク・低炭水化物の療法食による食事療法が中心です。

大切なのは、治療方針を自己判断で決めないことです。糖尿病の薬は、猫の状態や合併症の有無をふまえて選ばれ、投与量や続け方も細かく調整されます。気になるサインがあれば、市販の対策でしのごうとせず、まず動物病院に相談してください。

診断は血糖値・フルクトサミン・尿中ケトン体などを測定して有無と重症度を評価する血液・尿検査で行うこと、治療がインスリン注射と高タンパク・低炭水化物の療法食を中心にすることについて。ほさか動物病院より。

従来のインスリン注射と新しい経口薬「センベルゴ」

これまで猫の糖尿病治療の柱はインスリン注射でした。そこに、2024年9月に発売された1日1回の飲み薬センベルゴ(有効成分ベラグリフロジン)という選択肢が加わっています。仕組みも使い方も異なるため、まずは違いを整理します。

項目インスリン注射センベルゴ(経口液剤)
仕組み不足するインスリンを補って血糖を下げる腎臓でのブドウ糖の再吸収(SGLT2)を妨げ、尿に糖を出して血糖を下げる
使い方1日1〜2回の皮下注射1日1回の経口投与(注射が不要)
低血糖リスク起こりうる起こりにくい(臨床試験で症状を伴う低血糖は報告されていない)
保管冷蔵保管が基本室温で保管できる(冷蔵不要)
向き不向き幅広く使える確立した治療インスリン未治療の適応猫向け。依存例・不安定例には使えない

センベルゴが1日1回経口投与の液剤で注射が不要であること、臨床試験では臨床症状を伴う低血糖は認められなかったことについて。センベルゴ獣医師向けウェブサイトより。

センベルゴが1日1回付属のシリンジで飲ませる液体の薬であること、冷蔵庫に入れる必要がなく室温で保管できること、インスリン治療で心配な低血糖を起こしにくく症状を伴う低血糖は報告されていないことについて。さだひろ動物病院より。

センベルゴの仕組みとメリット・注意点

センベルゴは、ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2を選択的に阻害する飲み薬です。センベルゴ獣医師向けウェブサイトによれば、SGLT2は約90%の糖の再吸収を担い、主に腎臓の近位尿細管で発現しています。この再吸収をベラグリフロジンが妨げることで、余分な糖が尿として排泄され、血糖値が下がるという仕組みです。日経バイオテクの発表では、有効成分はベラグリフロジンL-プロリン一水和物で、猫の糖尿病による高血糖および高血糖に起因する臨床症状を軽減するとされ、猫用の糖尿病治療薬として日本初の1日1回経口投与の薬剤と紹介されています。

ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2を選択的に阻害するベラグリフロジンを含み、SGLT2が約90%の糖の再吸収を担い主に腎臓の近位尿細管で発現すること、初回投与から1週間以内にほとんどの猫で血糖値を安定してコントロールできたことについて。センベルゴ獣医師向けウェブサイトより。

2024年9月2日に発売されたこと、有効成分がベラグリフロジンL-プロリン一水和物のSGLT2阻害薬で、猫の糖尿病による高血糖および高血糖に起因する臨床症状を軽減すること、猫用の糖尿病治療薬として日本初の1日1回経口投与の薬剤であることについて。日本ベーリンガーインゲルハイムの発表(日経バイオテク)より。

メリット

アークレイの解説では、センベルゴのメリットとして、センベルゴ単独でも糖尿病治療ができること、インスリン製剤にくらべ低血糖発作が起こりにくいという安心感、1日1回の経口投与で負担が少ないことが挙げられています。従来のインスリン治療との比較でも効果は同等と評価され、臨床的な低血糖が発生しなかったと報告されています。注射が苦手な猫や、投薬にストレスを感じやすい家庭にとって、選択肢が増えた意味は小さくありません。

SGLT2阻害剤が近位尿細管でブドウ糖の再吸収を阻害し尿として排泄させ血糖値を下げること、メリットとして単独での糖尿病治療が可能なこと・低血糖発作が起こりにくいこと・1日1回の経口投与で負担が少ないこと、インスリン治療と効果は同等で臨床的な低血糖が発生しなかったと報告されていることについて。アークレイより。

注意点

一方で、センベルゴはすべての猫に使えるわけではありません。アークレイの解説では、インスリン分泌能力が残っていない猫や、状態が安定しない糖尿病の猫には使用できないとされています。さらに、血糖値が正常でもケトアシドーシス(DKA)になる可能性があるため、尿中ケトン体のモニタリングが欠かせないと説明されています。副作用としては、下痢・軟便が約50%の猫にみられる点も挙げられています。さだひろ動物病院でも、すでにインスリン治療中の猫やケトン体が陽性の猫、重篤な臓器の病気がある猫には使えないとされ、最も注意が必要なのが糖尿病性ケトアシドーシスで、食欲不振・嘔吐・ぐったりするなどの症状が出たら危険なサインとして、すぐに動物病院へ連絡するよう促しています。

注意

センベルゴを使っている猫で、食欲不振・嘔吐・下痢・ぐったりする・元気消失といった様子がみられたら、血糖値が正常に見えてもケトアシドーシス(DKA)の危険なサインのことがあります。様子を見ずに、すぐにかかりつけの動物病院へ連絡してください。使い始めや量の調整の判断も、必ず獣医師が行います。

インスリン分泌能力が残っていない猫や状態が安定しない糖尿病の猫には使用できないこと、血糖値が正常でもDKAになる可能性があり尿中ケトン体のモニタリングが欠かせないこと、下痢・軟便が約50%の猫にみられることについて。アークレイより。

すでにインスリン治療中の猫・ケトン体が陽性の猫・重篤な臓器疾患がある猫には使えないこと、最も注意が必要なのが糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)で、食欲不振・嘔吐・ぐったりするなどの症状が出たらすぐ動物病院へ連絡すべきことについて。さだひろ動物病院より。

このように、センベルゴが向くかどうかは、インスリン分泌の状態や合併症の有無によって変わります。使うかどうか、どの治療を選ぶかは、必ず動物病院で猫の状態を診てもらったうえで相談して決めてください。

危険

人用の糖尿病薬(飲み薬やインスリン)や、以前に処方された薬の残り、他の猫用に出された薬を、自己判断で猫に与えないでください。用量や適応を誤ると低血糖やケトアシドーシスなど命にかかわる事態を招くことがあります。投薬は必ず動物病院の指示に従ってください。

予防と日々の支え|適正体重と定期健診

糖尿病は、発症してからの管理も大切ですが、日々の暮らしで土台を整えておくこともできます。ほさか動物病院の解説では、肥満がある場合は無理のない減量プログラムを作成することが管理・予防につながるとされています。適正体重の維持は、糖尿病だけでなく多くの病気の予防に役立ちます。

もう一つの支えが、定期健診による早期発見です。糖尿病は初期に気づきにくいため、症状が出る前の血液・尿検査でとらえられると、猫の負担を抑えやすくなります。シニア期には健診の頻度をかかりつけ医と相談しておくと安心です。健診の考え方は

も参考にしてください。食欲や食べ方の変化が気になるときは

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もあわせて確認し、気になる点はまとめて動物病院で相談すると整理しやすくなります。

10歳の愛猫が、やたら水を飲むうえに食べても痩せてきて、健診で糖尿病が見つかりました。注射に不安があったので、飲み薬という選択肢を先生と相談できて助かりました。今は体重管理と定期検査を続けています。

よくある質問

多飲多尿以外に、家庭で気づける糖尿病のサインはありますか
食欲はあるのに体重が減る、被毛のツヤがなくなる、元気がなく寝ている時間が増える、進行すると後ろ足がふらつく、といった変化が挙げられています。とくに『よく食べているのに痩せる』組み合わせは見逃したくないサインです。飲水量・トイレ・体重を軽く記録し、気になる変化があれば動物病院を受診してください。
センベルゴは注射が苦手なうちの子にも使えますか
センベルゴは1日1回の飲み薬で注射が不要ですが、すべての猫に使えるわけではありません。インスリン分泌能力が残っていない猫や状態が安定しない糖尿病の猫、すでにインスリン治療中の猫、ケトン体が陽性の猫などには使えないとされています。向くかどうかは動物病院で状態を診てもらったうえで判断されます。
センベルゴなら低血糖の心配はないのですか
インスリンにくらべて低血糖は起こりにくく、臨床試験では症状を伴う低血糖は報告されていないとされています。ただし、血糖値が正常でもケトアシドーシス(DKA)を起こす可能性があり、食欲不振・嘔吐・ぐったりなどがみられたら緊急のサインです。すぐにかかりつけの動物病院へ連絡してください。
糖尿病を予防するために家庭でできることはありますか
最大のリスク要因は肥満とされているため、適正体重の維持が大切な土台になります。減量が必要な場合は自己流ではなく、無理のないプログラムを動物病院と相談して進めましょう。あわせて、初期に気づきにくい病気なので、定期健診で血液・尿検査を受けておくと早期発見につながります。

まとめ

猫の糖尿病は、中高齢・肥満・去勢後の室内飼いに多く、オスにやや多いとされる身近な病気です。家庭では、多飲多尿、食べているのに痩せる、毛づやの低下、元気消失といったサインに早く気づきたいところです。診断と治療は動物病院で行うもので、自己判断で薬を使うのは避けてください。治療の柱はインスリン注射ですが、2024年9月に発売された1日1回の飲み薬センベルゴ(ベラグリフロジン)は、腎臓での糖の再吸収を妨げて尿に糖を出す仕組みで、注射が不要・低血糖が起こりにくい・室温保管といった利点があります。一方で、すべての猫に使えるわけではなく、正常血糖でもケトアシドーシスが起こりうるため、食欲不振や嘔吐、ぐったりは緊急受診が必要です。適正体重の維持と定期健診で土台を整えつつ、治療の選択はかかりつけの動物病院と一緒に決めていきましょう。

出典・参考

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