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100年以上ぶりの新種の野生ネコ「ティルカヨ」とは|ボリビアの雲霧林にいた小さなタイガーキャットと、家の猫に残る野生の名残

対象の目安: 全ライフステージ

ソラ・編集長 / 住環境・多頭飼い担当
・ 約22分で読めます
100年以上ぶりの新種の野生ネコ「ティルカヨ」とは|ボリビアの雲霧林にいた小さなタイガーキャットと、家の猫に残る野生の名残

「100年以上ぶりに、新しい野生のネコが見つかった」。2026年9月、こんな見出しのニュースが世界中を駆けめぐりました。舞台は南米ボリビア、アンデス山脈の東の斜面に広がる雲霧林「ユンガス」です。見つかったのは、家の猫よりもひと回り小さい、斑点模様の野生ネコでした。

新種の発見というと遠い世界の話に聞こえますが、同じネコ科の仲間の話でもあります。この記事では、発表の中身を報道と論文情報から整理したうえで、いま私たちの隣で眠っている猫にも残る「野生の名残」まで、飼い主の目線でつないでみます。

2026年9月に発表された新種「ティルカヨ」

AP通信の記事(PBS Newsが掲載)によれば、この発見は2026年9月17日(木曜日)に学術誌Current Biologyで報告され、科学者が現生の野生ネコの新種を命名・記載したのは100年以上ぶりだとされています。

項目内容
学名Leopardus tilcayo(レオパルドゥス・ティルカヨ)
論文題目Phylogenomics and museomics reveal five distinct species of tiger cats in South America
掲載誌Current Biology(2026年9月にオンライン公開)
DOI10.1016/j.cub.2026.08.059
著者(論文データベースの記載順)Jonas Lescroart、Paola Nogales-Ascarrunz、Molly Cassatt-Johnstone、Alejandra Bonilla-Sánchez、Caroline Charão Sartor、Fernando Angulo、Jorge L. Ramirez、Larissa Rosa de Oliveira、Tadeu Gomes de Oliveira、Beth Shapiro、Enzo Aliaga-Rossel、Hannes Svardal、Eduardo Eizirik
確認されている場所ボリビアのユンガス(アンデスとアマゾン低地が接する雲霧林)

報道では、アントワープ大学(ベルギー)のJonas Lescroart氏、ボリビアのネコ科動物研究プログラムを率いるナショナル ジオグラフィック・エクスプローラーのPaola Nogales-Ascarrunz氏、ブラジル・マラニャン州立大学の生態学者Tadeu de Oliveira氏らの名前が挙がっています。Al Jazeeraによれば、研究チームはベルギー、ブラジル、ボリビア、米国、コロンビア、英国、ペルーにまたがります。

名前の「ティルカヨ」は、研究者の名前ではなく、地元の人々がもともとこの猫を呼んでいた呼び名から取られました。Nogales-Ascarrunz氏は「彼らの先祖代々の知識と、この動物とのつながりに敬意を表す私たちなりの方法」と語っています。

発見がCurrent Biologyで木曜日に報告され、現生の野生ネコの新種の命名・記載が100年以上ぶりであること、名前が地元の呼び名に由来しその理由をNogales-Ascarrunz氏が語ったことについて。AP通信(PBS News、2026年9月18日)より。論文題目と著者名はDOI 10.1016/j.cub.2026.08.059の書誌情報による。

保護施設にいた1匹から始まった

この新種は、深い森の奥で劇的に見つかったわけではありません。AP通信は、地元の家族に引き取られたあと、ボリビアの野生動物保護施設で何年も暮らしていた小さな斑点模様のネコが、実は未知の種だったと伝えています。

Al Jazeeraの記事によると、地元の男性が森の近くでひとりぼっちの子猫を見つけ、野良のイエネコだと思って家に連れ帰りました。しばらくは家族と暮らしましたが、野生の本能が隠せなくなり、近所のニワトリを追いかけるようになったため、家族は手に負えなくなり保護施設「センダ・ベルデ(Senda Verde)」に託したといいます。そこでボランティアをしていたNogales-Ascarrunz氏が、同僚に誘われてこの猫を見に行き、その小ささに驚いたのが始まりでした。NBC Newsによれば、同じ施設にはもう1匹、同じ種と分かる個体も持ち込まれていました。

地元の男性が森の近くで子猫を見つけ野良のイエネコと思い込んで連れ帰ったこと、野生の本能から近所のニワトリを追うようになり家族が保護施設Senda Verdeに託したこと、研究チームの国籍構成について。Al Jazeera(2026年9月18日)より。ボランティア先の施設で同僚に誘われて猫を見に行き、その小ささに驚いたことはAP通信(PBS News)、2匹目の個体の組織も遺伝子検査に使われたことはNBC News(2026年9月17日)による。

注意

この経緯は「野生ネコは家では飼えない」ことをよく示しています。Al Jazeeraの記事では、研究者が違法な野生動物取引の問題に触れながら、「野生動物はどれだけ良い食事を与えても、(家の猫のようには)ふるまわない」と語っています。海外の旅先や、対馬・西表島などヤマネコのすむ地域で見慣れない子猫を見かけても、自分で連れ帰ろうとせず、そっと距離をとって見守るのが基本です。なお、身近な場所で見つけた迷い子猫(イエネコ)の保護に迷ったときは、動物病院や自治体、保護団体に相談しましょう。

どんな猫なのか

AP通信によれば、保護施設で暮らすオスは現在およそ10歳で、頭から尾の付け根までが約46cm、体重はわずか約1.4kg。平均的な家の猫より小さいとされています。ナショナル ジオグラフィック協会も体重を3ポンド(約1.4kg)と紹介し、落ち着いた色の毛並みと特に大きな斑点模様、家の猫より小さな体つきが、ほかの野生ネコと比べて目立つ特徴だとしています。

Sci.Newsが引用した論文の記述では、頭胴長は42.5〜50.5cm、尾の長さは25〜26.5cmの小型のネコ科動物で、明るい茶色からベージュの地に、比較的大きく不規則な、暗褐色から黒のロゼット(輪のような斑紋)があるとされています。Al Jazeeraは、小さくくしゃっとした顔、短く丸い耳、長いひげという印象も伝えています。

体重が3ポンドほどで、落ち着いた色の毛並みと大きな斑点、平均的な家の猫より小さい体つきが特徴であること、センダ・ベルデ(ボリビア・コロイコ)で暮らす個体であることについて。National Geographic Society(2026年9月18日)より。体長46cm・体重1.4kg・約10歳のオスであることはAP通信(PBS News)、頭胴長42.5〜50.5cm・尾長25〜26.5cm・ロゼット模様の記述はSci.Newsが引用した論文の記載による。

なぜ「新種」と言えるのか

ティルカヨは、南米に分布する小型の野生ネコのグループ「タイガーキャット(tiger cat)」の一員です。NBC Newsは、タイガーキャットを南米と中米に分布するLeopardus属の小型野生ネコと説明しています。

このグループは、見た目がよく似ているうえに記録が少なく、長く分類が定まりませんでした。Sci.Newsによれば、研究者たちは論文のなかで、基準となる種Leopardus tigrinusが、フランス領ギアナのカイエンヌの動物を描いた1枚の図をもとに記載されて以来、分類が決着していなかったと述べています。

そこで研究チームは、見た目ではなくゲノム(全遺伝情報)で比べる方法をとりました。

  1. 1

    多数の個体の全ゲノムを比較

    Sci.Newsによれば、Leopardus属の38個体の全ゲノムが解析されました。AP通信は、コロンビア、ペルー、ブラジルなど各地の30頭以上のゲノムが比べられたと伝えています。
  2. 2

    博物館の古い標本からもDNAを回収

    新鮮な試料が手に入らない地域は、米国と欧州の博物館にある骨や皮からDNAを取り出して補いました。Sci.Newsによれば8点の歴史的な標本が使われ、その中には、種の基準産地を含むギアナ地方(ギアナ楯状地)から初めて得られた遺伝データとなるガイアナの頭骨片も含まれていました。
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    分かれた時期を推定

    解析の結果、ティルカヨはLeopardus tigrinus/pardinoidesの系統から約140万年前(更新世の前期)に分かれたと推定されました。

Al Jazeeraによれば、これまで2〜4種と見込まれていたタイガーキャットは、最終的に5つの別々の種に整理されました。AP通信は「すでに名前のある4種に、新たに記載されたティルカヨを加えた、少なくとも5つの種」と伝えています。Sci.Newsによれば、ペルーのユンガスの集団も新しい亜種Leopardus tigrinus antisuyoとして記載されました。

論文題目、Leopardus属38個体の全ゲノム解析、8点の歴史的な博物館標本とガイアナの頭骨片、L. tigrinusが1枚の図から記載されたこと、約140万年前(更新世前期)にL. tigrinus/pardinoides系統から分かれたこと、ペルーの新亜種L. tigrinus antisuyoについて。Sci.Newsより。30頭以上のゲノム比較と米国・欧州の博物館標本の利用はAP通信(PBS News)、2〜4種の見込みが5種に整理されたことはAl Jazeeraによる。

メモ

つまり「新種」の根拠は、1匹の見た目が珍しかったことではありません。広い範囲の個体と古い標本の遺伝情報を並べたとき、ティルカヨの集団がほかの系統と100万年以上の時間をかけて別の道を歩んできたことが見えた、という点にあります。小ささや模様の違いは、その裏付けの一部です。

「100年以上ぶり」とはどういう意味か

見出しに並んだ「100年以上ぶり」には、根拠があります。AP通信は、それ以前に最後に正式に記載されたネコ科の種は1923年のウルグアイのパンパスキャットだったと伝えています。記事の表現は「現生の野生ネコの新種を命名・記載したのは100年以上ぶり」です。

ここで注意したいのは、「100年間、ネコ科の研究が止まっていた」という意味ではないことです。今回の研究そのものも、すでに知られていたタイガーキャットが、じつは5つの種に分かれていたことを示したものでした。そのなかで、これまで学名のなかった集団が新しい学名とともに記載された、というのが今回の新しさです。AP通信の記事では、研究者が「ネコ科のようによく研究されているグループでも、隠れた多様性がまだあるようだ」と語っています。

最後に正式に記載されたネコ科の種が1923年のウルグアイのパンパスキャットであること、「よく研究されているネコ科でもまだ隠れた多様性がある」という研究者の言葉について。AP通信(PBS News、2026年9月18日)より。

家の猫とはどれくらい遠い親戚なのか

同じ「ネコ」でも、ティルカヨと家の猫(イエネコ、Felis catus)は属が違います。ティルカヨはLeopardus属、イエネコはFelis属です。

ネコ科全体の系統については、2006年にScience誌に発表された遺伝子解析の研究があります。PubMedに掲載された要旨によれば、現生のネコ科の種は比較的最近(1100万年前より新しい時代)の分岐と種分化から生まれ、全現生種の分子系統樹から8つの主要な系統が定義され、それらは海面変動にともなう少なくとも10回の大陸間移動によって生じたとされています。

現生ネコ科の種が1100万年前より新しい分岐・種分化から生まれたこと、全現生種の分子系統から8つの主要な系統が定義され、少なくとも10回の大陸間移動によって生じたことについて。Johnson WEら「The late Miocene radiation of modern Felidae: a genetic assessment」(Science、2006年)のPubMed要旨より。

ただし、この要旨にはティルカヨの属するLeopardus属とイエネコのFelis属がいつごろ分かれたかといった具体的な年代は書かれておらず、本記事で参照した資料の範囲では、両者の分岐年代は確認できていません。確かに言えるのは、属が異なる別のグループだということ、そしてティルカヨが近縁のタイガーキャットから分かれたのでさえ約140万年前とされていることです。

それでも、ネコ科に共通する性質はあります。岩手大学らの研究では、猫の尿に含まれる「においの名刺」となる成分や腎臓の脂肪滴が、ライオンやトラ、イリオモテヤマネコなどでも確認されたと発表されました。詳しくは

で紹介しています。

小さな野生ネコが直面している課題

新種として名前がついたことは、守るための第一歩でもあります。一方で、分かっていないことはまだ多く残されています。

  • 野生での個体数: NBC Newsによれば、Nogales-Ascarrunz氏は「野生にどれだけ残っているのか、本当に分からない」と述べています。Al Jazeeraでは、Lescroart氏が「数千頭いてほしいが、見当もつかない」と語っています。
  • 分布: AP通信によれば、生息が確認されているのはボリビアのユンガスの森だけで、分布域の全体は分かっていません。Al Jazeeraによれば、ユンガスはペルーやアルゼンチン北部にも続いていますが、隣国にも分布するかどうかは分かっていないとされています。
  • 生息地の脅威: AP通信は、生息地の森が森林伐採と鉱業による脅威にさらされていると伝えています。NBC Newsでは、タイガーキャットは開発と農業の拡大で厳しい保全上の課題に直面しており、共著者のde Oliveira氏が「どれも急速に失われつつある生息地にいる」と語っています。
  • 長期的な減少: Sci.Newsによれば、ゲノムデータからは、ほぼすべてのタイガーキャットの集団で更新世から完新世にかけての長期的な減少が読み取れ、ティルカヨを含む一部の系統では60%以上の減少が示されました。Al Jazeeraは、一部の集団では歴史的な水準から最大80%減っていると伝え、ボリビアの年配の住民が森でティルカヨを見かけることが減っていると話していることも紹介しています。
  • 評価の見直し: Al Jazeeraによれば、タイガーキャットは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでまとめて「危急(Vulnerable)」と評価されていますが、5種に分かれたことで、それぞれの保護の評価が必要になる可能性があります。

野生の個体数が分からないこと、タイガーキャットが開発と農業の拡大で保全上の課題に直面していること、生息地が急速に失われているというde Oliveira氏の言葉について。NBC News(2026年9月17日)より。分布の確認状況と森林伐採・鉱業の脅威はAP通信(PBS News)、60%以上の減少はSci.News、最大80%の減少・住民の証言・IUCNでの評価はAl Jazeeraによる。

日本にも、守られている野生のネコがいる

日本にも、小さな野生のネコが暮らしています。長崎県対馬のツシマヤマネコと、沖縄県西表島のイリオモテヤマネコです。

どちらにも保護活動の拠点となる施設があります。環境省の対馬野生生物保護センターのサイトでは、トップページに「STOP交通事故」としてその年度の交通事故件数が掲示されています。西表野生生物保護センターも「イリオモテヤマネコの事故対策」や、月ごとの「運転注意マップ」を公開しています。道路での事故は、身近で深刻な課題です。

もうひとつ、家の猫と関わりの深い課題が感染症です。環境省が意見募集をした外来種リストの改定案では、イエネコの備考欄に、在来のヤマネコへの感染症の伝播が懸念され、実際にツシマヤマネコへの猫免疫不全ウイルス(FIV)感染が確認されていることが記されています。

外来種リスト改定案(動物)のイエネコの備考欄に、ツシマヤマネコへのFIV感染が確認されていることが記載されていることについて。e-Govパブリック・コメントより。交通事故件数の掲示は対馬野生生物保護センター、事故対策と運転注意マップは西表野生生物保護センターの各サイトによる。

家の猫を外に出さないことは、愛猫を守るだけでなく、野生のネコやほかの生きものを守ることにもつながります。外来種リストをめぐる議論と飼い主にできることは

で、外に出していた猫を室内飼いに切り替える方法は

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家の猫に残る「野生の祖先」の名残

ティルカヨのニュースを読んでから家の猫を眺めると、少し違って見えてくるかもしれません。家の猫にも、野生の祖先から受け継いだ習性がしっかり残っているからです。

家の猫の祖先は、リビアヤマネコとされています。PS保険の解説では、猫の先祖であるリビアヤマネコが砂漠やサバンナなど乾燥した暑い地域に生息していることが紹介されています。

狩りは、ひとりで

International Cat Careは、ネコ科はライオンを除いて社会的な群れをつくらない単独性の捕食者であり、家の猫の祖先である野生のヤマネコも単独性の動物だと説明しています。家の猫は環境によって群れで暮らすこともありますが、単独で狩りをするというルーツは保っており、野外で暮らす猫の集団でも、狩りはそれぞれが単独で行い、互いに頼ることはないとされています。

ネコ科がライオンを除いて単独性の捕食者であること、家の猫の祖先の野生のヤマネコが単独性であること、家の猫が単独で狩りをするルーツを保ちつつ群れで暮らすことにも適応すること、野外の猫の集団でも狩りは単独で行うことについて。International Cat Care「The social structure of cat life」より。

猫じゃらしを追いかけて、身を低くして、お尻を振ってから飛びかかる。あの一連の動きは、ひとりで獲物を仕留めるための動きそのものです。遊びで「狩り」を満たしてあげると、室内の暮らしでも猫は満足しやすくなります。遊び方のコツは

で紹介しています。

夕暮れと明け方に元気になる

家の猫が夕方や明け方にそわそわと走り回るのも、野生の名残と考えられています。ねこのきもちWEB MAGAZINEで獣医師は、猫は薄暗い明け方と夕方に活発になる「薄明薄暮性」の行動パターンを持ち、野生時代は薄暗い時間帯に獲物の小動物や小鳥の動きが鈍り捕まえやすかったためと考えられる、と説明しています。International Cat Careも、猫が急に走り回る行動は、夕暮れどきなど猫が本来活発になる時間帯に起こりやすいとしています。

猫が薄暗い明け方と夕方に活発になる薄明薄暮性の行動パターンを持ち、野生時代にその時間帯は獲物が捕まえやすかったと考えられることについて。ねこのきもちWEB MAGAZINE(獣医師・岡本りさ先生の解説)より。急に走り回る行動が夕暮れなど活発な時間帯に起こりやすいことはInternational Cat Care「Why do cats...?」による。

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家の猫の「野生の名残」を満たすヒント

  • 夕方や就寝前に、獲物の動きをまねた遊びで狩りの欲求を満たす
  • 遊びの最後は、おもちゃを「捕まえさせて」終わらせる
  • 高い場所や隠れられる場所を用意して、見張りと休息の場をつくる
  • 外の世界は窓越しに楽しんでもらい、外には出さない
  • 急に行動が変わったときは、習性と決めつけずに体調の変化も疑う

よくある質問

ティルカヨはペットとして飼えますか?
飼うことを考えるべき動物ではありません。ティルカヨは野生動物で、報道によれば野生での個体数も分布域も分かっていません。Al Jazeeraの記事では、子猫のときに家に引き取られた個体が、成長すると近所のニワトリを追うようになり、家族が手に負えず保護施設に託した経緯が紹介されています。
ティルカヨはどのくらいの大きさですか?
AP通信によれば、保護施設で暮らすオスは頭から尾の付け根まで約46cm、体重約1.4kgで、平均的な家の猫より小さいとされています。Sci.Newsが引用した論文の記述では、頭胴長42.5〜50.5cm、尾の長さ25〜26.5cmです。
なぜ今になって新種と分かったのですか?
タイガーキャットは見た目がよく似ていて記録も少なく、分類が長く定まっていませんでした。今回の研究では、各地の個体や博物館の古い標本から得た全ゲノムを比べることで、ボリビアの集団が約140万年前にほかの系統から分かれた別の種であることが示されました。
家の猫とティルカヨは近い仲間ですか?
どちらもネコ科ですが、ティルカヨはLeopardus属、家の猫はFelis属で、属が異なります。両者がいつ分かれたかという具体的な年代は、本記事で参照した資料の範囲では確認できていません。
日本の野生のヤマネコのために、飼い主ができることはありますか?
家の猫を外に出さないことが基本です。環境省が意見募集をした外来種リストの改定案では、ツシマヤマネコへのFIV感染が確認されていることが記されています。完全室内飼いと不妊去勢、迷子対策は、愛猫と野生の生きものの両方を守ることにつながります。

まとめ

2026年9月、ボリビアのユンガスに暮らす小さな野生ネコが、Leopardus tilcayoとして新種記載されました。きっかけは保護施設にいた1匹で、決め手になったのは、各地の個体と博物館の古い標本から得たゲノムの比較でした。AP通信によれば、ネコ科の種の正式な記載は1923年のパンパスキャット以来で、「100年以上ぶり」という見出しはこのことを指しています。

一方で、野生での個体数や分布の全体は分かっておらず、生息地は森林伐採や鉱業、開発や農業の拡大にさらされています。日本のツシマヤマネコやイリオモテヤマネコも、交通事故や感染症といった課題を抱えています。

ひとりで狩りをする、夕暮れに元気になる。家の猫のそんな習性には、野生の祖先の姿が重なっています。野生のネコは飼う対象ではなく、遠くから見守り、守っていく存在です。そのうえで、隣にいる猫の「野生の名残」を遊びや住まいの工夫で満たしてあげることが、飼い主にできるいちばん身近なことかもしれません。

出典・参考

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