猫が震える原因は?寒さ・恐怖から低血糖・中毒まで、様子を見てよい震えと受診の目安
対象の目安: 全ライフステージ


ふと見ると、猫が体を小さくしてぶるぶる震えている。寒いだけなのか、どこか痛いのか、それとも病気なのか、すぐには判断がつかず不安になりますよね。猫の震えには、寒さや緊張のように一時的なものから、低血糖や中毒のように急いで動物病院に向かうべきものまで、さまざまな原因があります。この記事では、考えられる原因を整理し、様子を見てよい場面と受診したい場面の目安、家でできる記録のしかたをまとめます。判断に迷うときは、自己判断せず動物病院に相談してください。
「震え」とはどんな状態?
PetMDの獣医師による解説では、猫の震え(tremor)を「猫が自分では止められない、体のふるえる動き」と説明しています。全身が震えることもあれば、頭や足など一部だけのこともあります。
震えとけいれん(発作)は、医学的には別のものです。ただし同じ解説でも、実際にはこの2つを見分けるのは難しいと書かれています。家庭で「これは震え、これはけいれん」と決めつけるより、様子を記録して獣医師に見てもらうほうが確実です。
猫が震える主な原因
PetMDとASPCA(米国動物虐待防止協会)の資料をもとに、考えられる原因を整理しました。
| 原因 | 具体例・特徴 |
|---|---|
| 寒さ・低体温 | 寒い部屋、濡れた体、体温調節が未熟な子猫 |
| 気持ちの高ぶり | 不安や恐怖、期待や興奮など強い感情で震えることがある |
| 痛み・けが | 痛みがあると筋肉の震えが出ることがある |
| 発熱 | 熱があるときにも震えが見られる |
| 低血糖 | インスリンが多すぎた糖尿病の猫、食べていない子猫 |
| 内臓の病気 | 肝臓病、腎臓病 |
| 電解質の乱れ | 尿道が詰まったとき、激しい嘔吐や下痢のあと |
| 中毒 | 犬用ノミ・マダニ駆除薬のペルメトリン、人の薬、殺鼠剤など |
| 感染症 | トキソプラズマ症、破傷風、猫伝染性腹膜炎(FIP) |
| 生まれつきの病気 | 小脳低形成(母猫のおなかにいるときに汎白血球減少症ウイルスにさらされて起こることがある) |
| 神経の病気 | てんかんなどの発作性の病気 |
原因の分類は、PetMDの獣医師執筆記事に挙げられている項目をもとにしています。
また、ノミのかゆみで体がぴくぴくする、耳ダニや外耳炎で頭を振る、体がぴくつく知覚過敏症候群など、「震え」に見えて別の原因というケースもあります。
寒さや緊張による震え
寒さが原因なら、暖かい場所に移ると落ち着いてくることが多いでしょう。秋から冬にかけて朝晩が冷え込む時期は、室温や寝床の位置を見直してみてください。シャンプー後に体が濡れたままの状態も冷えのもとになります。
通院や来客、大きな音など、怖い思いをしたときに震えることもあります。この場合は、原因から離れて静かな場所で落ち着けるようにしてあげます。
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ただし、温めても震えが止まらない、元気や食欲がない、触ると嫌がるといった様子があれば、寒さや緊張だけではない可能性があります。発熱や低体温のサインは、体温の記事で詳しくまとめています。
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低血糖による震え
PetMDでは、低血糖による震えが起こりやすい例として、インスリンが多すぎた糖尿病の猫と、食べていない幼い子猫を挙げています。糖尿病でインスリン治療中の猫が震えたり、ぐったりしたりしたときは、すぐにかかりつけの動物病院に連絡してください。低血糖が疑われるときに家でどう対応するかは、治療を始める時点で獣医師に確認しておくと安心です。
保護したばかりの子猫が震えている場合は、寒さと空腹の両方が考えられます。子猫は少量ずつこまめに食べさせることが勧められています。
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中毒による震え
危険
ASPCAの獣医師向け資料は、猫の震えの中毒原因として最も多いのはペルメトリンで、今後もしばらくそうだろうと書いています。ペルメトリンは犬用のノミ・マダニ駆除薬(スポットオン剤)などに含まれる成分です。猫に犬用の駆除薬を使った、または駆除薬をつけたばかりの犬と猫が触れ合ったあとに震え始めた場合は、すぐに動物病院に連絡してください。製品のパッケージも持参しましょう。
同じ資料では、ペルメトリンに続いて、アベルメクチン系の駆虫薬、人のADHD治療薬などのアンフェタミン類、抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミン、虫よけ成分のDEET、精油なども、猫の震えの中毒原因として挙げられています。人の薬や虫よけ、アロマ用品は猫の手の届かない場所に保管しましょう。
中毒原因の順位は、ASPCA動物中毒管理センターのデータにもとづくASPCAproの資料を参照しています。
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病気のサインとしての震え
肝臓病や腎臓病、尿道の詰まり、感染症など、体の中の病気が震えとして表に出ることもあります。シニア猫では、関節などの痛みが隠れていることもあります。震え以外に、食欲が落ちた、水を飲む量やおしっこの回数が変わった、トイレで何度も力んでいる、吐く・下痢をするといった変化がないかも見てください。
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すぐに受診したい震え
PetMDの解説では、突然始まった震えは緊急として扱うべきだとしています。特に次のような場合は、夜間や休日でも動物病院に連絡しましょう。
すぐに動物病院へ連絡したいとき
- 突然、全身が震え始めた
- 薬や殺虫剤、植物、人の食べ物などを口にした、または体についた可能性がある
- 犬用のノミ・マダニ駆除薬を使った、駆除薬をつけた犬と触れ合った
- インスリン治療中で、震えやぐったりした様子がある
- 意識がはっきりしない、呼んでも反応が鈍い
- ふらつく、立てない、けいれんしている
- おしっこが出ない、何度もトイレに行くのに出ていない
- 震えのほかに、吐く、よだれ、呼吸が荒いなどがある
一方、寒い場所から暖かい場所に移したら落ち着いた、怖いことが終わったら普段どおりに戻った、という一時的な震えなら、まずは様子を見ることが多いでしょう。それでも、同じような震えを何度も繰り返す場合は、一度受診して相談しておくと安心です。
けいれんしているときの対応
震えが激しく、けいれんのように見えるときは、慌てずに次のことを意識します。ガイア動物病院が監修した解説では、次のような対応が紹介されています。
- 1
押さえつけたり抱き上げたりしない
止めようとして押さえたり、抱きかかえたりしないようにします。
- 2
周りの危ない物をどける
家具の角や落ちてきそうな物から離し、頭をぶつけないようにクッションやマットを置きます。
- 3
時間を計り、動画を撮る
いつ始まって、どのくらい続いたかを記録します。スマートフォンの動画は、診察のときに獣医師が状況をつかむ助けになります。
- 4
落ち着いたら動物病院に連絡する
けいれんが2回以上続く、1日に何度も起きる、おさまったあとも様子がいつもと違うときは、すぐに受診することが勧められています。
けいれん中の対応と受診の目安は、ガイア動物病院監修の解説を参照しています。
受診のときに伝えたいこと
PetMDでは、獣医師が震えの頻度やパターン、続いた時間、始まり方などを詳しく聞くと説明しています。次のことをメモしておくと、診察がスムーズです。
メモしておきたいこと
- いつから、1日に何回、1回どのくらい続いたか
- 全身か、頭や足など一部か
- 震えの前に何をしていたか(寝起き、食後、来客、通院など)
- 薬や殺虫剤、植物、人の食べ物などに触れた可能性
- 食欲、水を飲む量、おしっこやうんちの変化
- 吐いた、下痢をしたなどほかの症状
- 飲んでいる薬や持病(糖尿病、腎臓病など)
- 震えている様子の動画
病院では、問診と身体検査のうえで、必要に応じて血液検査や尿検査、レントゲン、CTやMRIなどで原因を探っていきます。
震えが続く猫との暮らし
PetMDでは、慢性的な震えがある猫でも、生活の質を保って暮らせると書いています。ふらつきがある猫のために、次のような工夫が紹介されています。
- 階段など落ちると危ない場所に近づけない
- 入口が低く、側面が高めの大きなトイレにする
- 倒れにくい食器を使う
- 高い場所のまわりにクッションを置き、床はすべりにくくする
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よくある質問
寒くて震えているだけか、どう見分ければいいですか?
子猫が震えています。どうしたらいいですか?
犬用のノミ取り薬を猫に使ってしまいました。
震えている様子の動画は撮ったほうがいいですか?
まとめ
猫の震えは、寒さや緊張のような一時的なものから、低血糖や中毒、病気のサインまで幅があります。暖めたり怖いものから離したりして落ち着くなら様子を見てもよいことが多いですが、突然始まった震え、何かを口にした・犬用の駆除薬に触れた可能性があるとき、インスリン治療中の猫の震えは、急いで動物病院に連絡してください。震えの様子を動画と時間で記録しておくことが、原因を探る手がかりになります。
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