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夏に子猫を保護したら|拾ったときの最初の対応と迎える準備

対象の目安: 子猫

ソラ編集長 / 住環境・多頭飼い担当
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夏に子猫を保護したら|拾ったときの最初の対応と迎える準備

春から夏にかけては、猫が繁殖して子猫がたくさん生まれる「子猫シーズン」です。それにともなって、道端や駐車場、庭先などで弱った子猫を見かけたり、思いがけず保護することになったりする機会も増えます。小さな命を前にすると気が動転してしまいますが、最初の対応を落ち着いてできるかどうかがその後を大きく左右します。この記事では、子猫を拾ったときにまずすべきことから、週齢の見分け方、ミルクの与え方、動物病院の受診、母猫が近くにいる場合の判断、そして里親を探すときの相談先までを順番に整理しました。

まず落ち着いて。最優先は「保温」

弱った子猫を保護したとき、いちばん最初にすべきことは保温です。生まれて間もない子猫は自分で体温を調節する力が弱く、外気にさらされると体温がどんどん下がってしまいます。低体温は命に直結するため、栄養やミルクより先に、まず体を温めることを優先してください。

段ボール箱やカゴにタオルを敷き、その中にタオルやカイロでくるんだ湯たんぽを入れて、子猫がじんわり温まれる環境をつくります。お湯を入れたペットボトルでも代用できますが、冷めやすいのでこまめに交換しましょう。温度は人肌くらいの心地よい温かさが目安です。子猫が自分で熱源から離れられるよう、箱全体をふさがず一部を空けておくのもポイントです。

ロイヤルカナン(獣医師監修)は、生まれたての子猫は体温調整が苦手なため保温が不可欠とし、カイロやタオルでくるんだ湯たんぽを使い、人肌くらいの温度を目安にすること、低温やけどを防ぐためカイロは時々移動させることをすすめています。

注意

カイロや湯たんぽを子猫の体に直接当てると、低温やけどの原因になります。必ずタオルなどで包み、ときどき位置をずらしてください。夏でも、雨に濡れた子猫や夜間の冷え込みで体温が下がることがあります。

体が冷えたままの子猫にいきなりミルクを与えるのは避けます。体温が低いとうまく飲み込めなかったり、消化できずに下痢をしてしまったりすることがあるためです。まずは十分に温め、体が温まってからミルクを検討しましょう。

ロイヤルカナン(獣医師監修)は、低体温症の子猫はうまくミルクを飲めなかったり消化できず下痢をしてしまうため、まず十分に温めることが優先としています。

週齢・月齢のおおよその見分け方

その子がどのくらいの週齢かがわかると、ミルクが必要かどうか、動物病院で何を伝えればよいかの目安になります。正確な判断は獣医師にお願いするとして、家庭でも見た目である程度の見当をつけられます。

わかりやすいのが目とへその緒、そして歯です。目が開くのはおおむね生後7〜10日ごろで、目が開いていなければ生後1週間以内と考えられます。へその緒が完全に取れていれば、少なくとも生後数日は経っている目安になります。乳歯(前歯や犬歯)が生えはじめるのは生後3〜4週ごろ、自力で排泄ができるようになるのも生後3〜4週ごろです。

アリス動物病院は、目は7〜10日齢で開き、乳前歯や乳犬歯は3〜4週齢で生えはじめ、生後3〜4週齢で自力で排尿排便ができるようになるとしています。

体重も手がかりになります。おおよその目安は次のとおりです。

週齢の目安体重の目安見た目・様子
生後0〜1週90〜110g(1日10〜15g増)目が閉じている・耳がねている
生後1〜2週150〜250g目が開きはじめる
生後2〜3週250〜400gよちよち歩きはじめる
生後3〜4週350〜550g乳歯が生え、排泄も自力に
生後4週前後450〜700g遊びはじめ、離乳の準備期

アリス動物病院は、体重の目安を生後0〜1週で90〜110g(1日10〜15g増)、1〜2週で150〜250g、2〜3週で250〜400g、3〜4週で350〜550g、4週齢で450〜700g程度としています。

メモ

個体差があるため、あくまで目安です。数字にとらわれすぎず、動けるか、鳴く元気があるか、体が冷えていないかといった全体の様子も合わせて見てあげましょう。

ミルクの与え方と注意点

目が開いていない、または乳歯が生えていない子猫は、まだ自力で固形物を食べられず授乳が必要です。ここで大切なのが、与えるミルクの種類です。

人の飲む牛乳は子猫にとって栄養が不十分なうえ、下痢を起こすことがあるため使わないでください。必ず子猫用(猫専用)のミルクを用意します。ペットショップやドラッグストア、動物病院で入手できます。

ロイヤルカナン(獣医師監修)は、牛乳では子猫に十分な栄養を与えられず下痢をする場合があるため、猫専用のミルクを飲ませることをすすめています。

与え方は次の流れが基本です。あわてず、少量から始めましょう。

  1. 1

    体が温まっているか確認する

    冷えているときは先に保温を優先し、体が温まってから与えます。
  2. 2

    ミルクの温度を確かめる

    人肌程度に温め、手の甲に垂らして熱すぎないか確認します。
  3. 3

    少量ずつ飲ませる

    頭を軽く固定して哺乳瓶の乳首を正面から口に入れ、うつぶせに近い姿勢で少しずつ飲ませます。あおむけは誤嚥のもとなので避けます。
  4. 4

    排泄を助ける

    飲み終えたら、湿らせたティッシュなどでお尻をやさしく刺激し、排尿・排便をうながします。

ロイヤルカナン(獣医師監修)は、頭をしっかり固定して乳首を正面から入れ少しずつ飲ませること、飲み終わったらお尻を刺激して排泄をサポートすることをすすめています。

生後間もない子猫ほど授乳の回数は多く、数時間おきの授乳が必要になります。週齢によって必要な量や間隔は変わるため、具体的なやり方は受診時に動物病院で確認しておくと安心です。

注意

あおむけで飲ませたり、勢いよく飲ませたりすると、ミルクが気管に入って誤嚥性肺炎につながることがあります。むせる・鼻からミルクが出るようなときは中断し、動物病院に相談してください。

できるだけ早く動物病院へ

保温とミルクで一息つけても、それで安心とはいえません。見た目が元気そうでも、脱水や寄生虫、感染症が隠れていることは珍しくありません。子猫を保護したら、できるだけ早く動物病院で健康チェックを受けましょう。

ロイヤルカナン(獣医師監修)は、栄養不足や感染症は命に関わる場合もあるため、できるだけ早く動物病院へ連れて行くことをすすめています。

受診時には、拾った場所や日時、目が開いているか、便の様子、ミルクを飲めたかなどを伝えられるようにしておくと診察がスムーズです。体温や脱水の程度、ノミ・耳ダニ・お腹の寄生虫の有無、猫風邪などの感染症をまとめて確認してもらえます。

注意

すでに猫を飼っている家庭では、保護した子猫を先住猫といきなり接触させないでください。感染症をうつすリスクがあるため、別室で隔離し、動物病院で健康を確認してから顔合わせに進みます。段階的な合わせ方は

あわせて読みたい

子猫を迎える準備チェックリスト|そろえる物と初日の過ごし方

も参考になります。

保護後のワクチンや健康診断の進め方については、

でくわしく紹介しています。

母猫が近くにいるかもしれない

弱っていない子猫の場合、少し立ち止まって考えたいのが「母猫が近くにいないか」という点です。母猫が子猫を残して一時的にえさを探しに行っているだけ、というケースもあるからです。

人間が子猫を触ったり、段ボールに入れて移動させたり、タオルで包んだりすると、母猫が警戒して近づかなくなったり、人間の匂いがついた子猫を見つけられなくなったりすることがあります。頻繁に近づきすぎると、母猫が育児を放棄してしまうこともあります。

宇都宮市は、人間が子猫を触る・移動させる・包むなどすると母猫が警戒して近づかなくなったり、人間の匂いがついた子猫を母猫が見つけられなくなる場合があるとし、育児放棄につながらないようそっと見守るよう呼びかけています。

清潔で丸みがあり、よく眠っていて周囲に危険がないような子猫は、母猫が世話をしている可能性があります。その場合は、1〜2日ほど距離をとって、母猫が戻ってくるか、子猫が弱っていないかを見守る判断もあります。一方で、車道や駐車場など危険な場所にいる、ぐったりして鳴かない、体が冷えているといったときは緊急性が高いので、保護して動物病院や自治体に相談してください。

迎える・里親を探すときの相談先

無事に体調が落ち着いたら、その子をこれからどうするかを考えます。自分で家族として迎えるのか、里親を探すのか。どちらを選んでも構いませんが、子猫は数時間おきの世話が必要な時期があり、思った以上に手がかかります。無理のない形を選ぶことが、その子の幸せにもつながります。

夏に会社の駐車場で拾った子猫。最初はミルクも飲めずどうなることかと思いましたが、動物病院で相談しながら育て、今ではすっかり家族です。ひとりで抱え込まず相談してよかったです。

自分で飼えない場合や、多頭になって手が回らない場合は、早めに相談先を探しましょう。おもな相談先には次のようなところがあります。

子猫を保護したときの主な相談先

  • 最寄りの動物病院(健康チェックと今後の相談)
  • 自治体の動物愛護センター・保健所(保護や譲渡の相談)
  • 猫の保護団体・NPO(里親募集のサポート)
  • 里親募集の掲示サイト(自分で里親を探す場合)
  • 警察(迷い猫として届け出るケースもある)

保護団体は寄付やボランティアで運営されていることが多く、受け入れ数には限りがあります。連絡すればすぐ引き取ってもらえるとは限らないため、まずは自分でできる範囲のケアをしながら、複数の相談先に問い合わせるとよいでしょう。迎える準備を進める場合は、

のチェックリストが役立ちます。

夏に拾った子猫でも保温は必要ですか。
はい。生まれて間もない子猫は体温調節が苦手で、夏でも雨に濡れたり夜間に冷えたりして体温が下がることがあります。まずはタオルでくるんだ湯たんぽなどで、人肌くらいの温かさを保ってあげてください。
すぐに牛乳を飲ませても大丈夫ですか。
人の牛乳は栄養が不十分で下痢を起こすことがあるため使わないでください。猫用ミルクを用意し、体が温まってから人肌程度に温めて少しずつ与えます。飲んだあとはお尻を刺激して排泄を助けます。
母猫が近くにいるか、どう見分ければよいですか。
清潔で丸みがあり、よく眠っていて危険のない場所にいる子猫は、母猫が世話をしている可能性があります。その場合はすぐ連れ去らず、距離をとって1〜2日見守る判断もあります。ぐったりして鳴かない、体が冷たい、危険な場所にいるときは保護して動物病院や自治体に相談してください。
動物病院にはいつ連れて行けばよいですか。
できるだけ早めが安心です。見た目が元気でも脱水や寄生虫、感染症が隠れていることがあります。先住猫がいる場合は隔離し、健康を確認してから顔合わせに進みましょう。

まとめ

子猫を保護したときにまずすべきことは保温です。生まれて間もない子猫は体温調節が苦手で、低体温は命に関わります。体を温めてからでないと、ミルクもうまく飲めません。牛乳ではなく猫用ミルクを使い、飲んだあとはお尻を刺激して排泄を助けます。目やへその緒、歯、体重からおおよその週齢を見当づけ、できるだけ早く動物病院で健康チェックを受けましょう。弱っていない子猫は母猫が近くにいる可能性も考え、すぐ連れ去らずそっと見守る判断も大切です。ひとりで抱え込まず、動物病院や自治体、保護団体などの相談先を頼りながら、その子にとって無理のない道を選んであげてください。

出典・参考

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