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キャットフードの99%から鉛を検出?米国の重金属調査(2026年10月)の読み方と日本の基準

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キャットフードの99%から鉛を検出?米国の重金属調査(2026年10月)の読み方と日本の基準

「キャットフードの99%から鉛」という見出しを見て、毎日あげているごはんが急に心配になった方もいるかもしれません。これは2026年10月2日に米国の非営利団体Clean Label Project(CLP)が公表した調査の数字です。ただ、この調査は「含まれていたかどうか」と「製品どうしの比較」を示したもので、どの製品が猫に害を与えるかを判定したものではありません。この記事では、調査で何がわかったのか、業界団体がどこに異議を唱えたのか、日本の法律ではどんな上限が決まっているのかを順に整理し、飼い主がいまできることをまとめます。

何が発表されたのか

Clean Label Projectは2026年10月2日、キャットフードの汚染物質を調べた「Cat Food Category Report」を公表しました。対象は62ブランドの100製品で、内訳はドライ(カリカリ)31製品、ウェット(缶・パウチ)40製品、エアドライ・フリーズドライ29製品です。重金属に加え、残留農薬や可塑剤(プラスチックを柔らかくする物質)など、122種類を超える物質を調べたとしています。

分析はISO/IEC17025の認定を受けた独立の検査機関が行い、重金属はICP-MSという方法で測っています。もうひとつの特徴は、結果を重さあたりではなく「1,000kcalあたり」で比べている点です。ウェットフードは水分が多いため、重さで比べるとドライと同じ土俵に乗らないからです。

調査の概要と主な数値は、CLPのレポートと、それを報じたVet Candyの記事(2026年10月10日)で確認しました。

検出された主な物質

物質検出された製品補足
鉛99%ドライはウェット・エアドライより約3倍(1,000kcalあたり)
カドミウム96%魚・魚介系は他より約2.5倍
ヒ素94%
水銀割合の記載なし魚・魚介系は他より約18倍(ウェット同士では約28倍)
DEHP(可塑剤)100製品中48製品検出された製品では缶・パウチが袋入りの約5倍
グリホサート(除草剤)37%原材料の上位10位までに植物性原料が1つ増えるごとに約40%高い傾向
BPA2製品BPSは1製品

このほか、たんぱく源別ではCLPの基準を満たした割合が鶏肉など家禽系で84.8%、魚・魚介系で25.7%だったとしています。原材料表示については、100製品中35製品で、先頭に書かれた肉や魚よりも、上位10位以内にある別の種類の原料(植物性原料など)のほうが多く並んでいたと指摘しています。

「検出された」は「危ない」と同じではない

数字だけを見ると不安になりますが、読むときに押さえておきたい点がいくつかあります。

  • CLP自身が、どの製品も安全でないとは主張しておらず、汚染物質が害を与えたとも言っていない
  • 結果はカテゴリ内での相対比較で、規制上の上限値と照らし合わせたものではない
  • 1回の検査は、その製品の1ロットだけを反映したもの
  • FDA(米国食品医薬品局)の安全警告やリコールではない

一方でCLPは、猫は同じフードを毎日食べ続けることが多いため、低い濃度でも長く続けば意味を持ちうる、という立場もとっています。なお、CLPは汚染物質が意図的に加えられたものではないとしており、PFIも金属は土や空気、水に自然に存在するものだと説明しています。

メモ

CLPは、基準を満たした製品を認証する事業も行っている団体です。レポートのページでも、同団体の認証を受けた米国ブランドが紹介されています。調査の数字を読むときは、こうした立ち位置も頭に入れておくと冷静に受け止めやすくなります。

業界団体の反論

米国のペットフード業界団体Pet Food Institute(PFI)は、公表と同じ10月2日に、エリス・フェニッグCEOの名前で声明を出しました。主な指摘は次のとおりです。

  • 調査は確立された規制上の基準や科学的なリスク評価ではなく、独自の「純度基準」を使っている
  • 汚染物質が検出されたこと自体は、害があることを示さない
  • 示された濃度が猫の健康リスクになるかどうかは、調査からはわからない
  • 研究が科学的・獣医学的な審査を経ているかが不明
  • 各製品を1ロットしか調べておらず、製造ロットをまたいだ結論は出せない
  • 金属は土や空気、水に自然に存在し、健康への影響は量と期間で決まる

PFIの声明の内容は、Feed Business MEAの記事(2026年10月12日)で確認しました。

調査が示した「魚系で水銀が多い」「ドライで鉛が多い」といった傾向そのものは参考になります。ただし、それが猫の体にとってどの程度の意味を持つのかは、今回の発表だけでは判断できない、というのが現時点での落ち着いた読み方です。

日本のキャットフードはどうなっている?

今回の調査は米国で売られている製品が対象で、日本で買えるフードを調べたものではありません。では、日本ではどんな決まりがあるのでしょうか。

日本では「ペットフード安全法」(愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律)にもとづき、犬用・猫用のペットフードに成分規格が定められています。重金属については次の上限値があります。

物質上限値
カドミウム1μg/g
鉛3μg/g
無機ヒ素2μg/g

この数値は、フードの水分含有量を10%とした場合に換算して判断します。基準・規格に合わないペットフードは製造・輸入・販売ができず、守られていない場合は国が回収や廃棄を命じることもできる仕組みです。

上限値と水分10%換算の考え方は、環境省「ペットフードの基準・規格」に記載されています。

注意したいのは、CLPの数値は「1,000kcalあたりの相対比較」、日本の規格は「重さあたりの法定上限」で、物差しがまったく違うことです。CLPの結果を日本の上限値にそのまま当てはめて、「基準を超えている」「超えていない」と判断することはできません。

飼い主がいまできること

調査の結果を受けて、すぐにフードを捨てたり総入れ替えしたりする必要はありません。CLP自身も、魚を完全にやめる必要はなく、好き嫌いの多い猫では「実際に食べてくれる総合栄養食を与えること」が優先だとしています。そのうえで、できることを挙げます。

  1. 1

    魚系だけに偏っていないか確かめる

    毎日の主食もおやつも魚系、という状態なら、鶏肉など別のたんぱく源の総合栄養食を組み合わせることを検討します。CLPも、魚系だけを食べている猫にはたんぱく源のローテーションを提案しています。

  2. 2

    原材料は先頭だけでなく全体を見る

    商品名や先頭の原材料だけで判断せず、上位に何が並んでいるかを見ます。表示の読み方は既存記事でまとめています。

  3. 3

    切り替えるなら少しずつ

    フードの急な変更は、食べない・お腹をこわすといったトラブルのもとになります。新しいフードを混ぜながら段階的に移します。

  4. 4

    気になる点はメーカーに聞く

    CLPは、原材料だけでなく完成品で重金属を検査しているかをブランドに尋ねることも勧めています。日本のメーカーでも、お客様窓口で品質管理の方針を案内していることがあります。

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注意

持病があって療法食を食べている猫は、自己判断でフードを変えないでください。療法食は治療の一部として処方されています。気になることがあれば、まずかかりつけの動物病院に相談しましょう。

よくある質問

いまあげているフードはやめたほうがいいですか?
今回の調査は米国で売られている製品を対象にした相対比較で、特定の製品が猫に有害だと判定したものではありません。FDAの安全警告やリコールでもないため、急にやめる必要はありません。気になる場合は、魚系に偏っていないかを見直したり、メーカーに品質管理について問い合わせたりするところから始めましょう。
ドライよりウェットのほうが安全ということですか?
調査ではドライのほうが1,000kcalあたりの鉛が多い傾向でしたが、一方で缶・パウチでは可塑剤(DEHP)が多い傾向も示されています。報道でも、ドライが危険でウェットが優れているという結論にはならないと説明されています。形状だけで決めず、総合栄養食であることや猫が食べてくれることを優先しましょう。
日本のフードにも同じことが当てはまりますか?
今回の調査は日本の製品を調べたものではないため、そのままは当てはまりません。日本ではペットフード安全法でカドミウム・鉛・無機ヒ素の上限値が決められており、基準に合わない製品は販売できません。
魚が大好きな猫には、もう魚をあげないほうがいいですか?
CLPのレポートでも、魚を完全になくす必要はないとしています。主食もおやつもすべて魚、という偏りを減らし、鶏肉など別のたんぱく源を組み合わせるくらいの考え方で十分です。

まとめ

米国の調査で「キャットフードの99%から鉛」という結果が出たのは事実ですが、これは検出の有無と製品間の比較であり、健康被害を示したものではありません。業界団体も方法の限界を指摘しています。日本では法律で重金属の上限値が決められており、今回の数字と直接比べることはできません。飼い主ができるのは、魚系に偏りすぎないこと、原材料を全体で見ること、変えるなら少しずつ、の3つです。体調の変化など気になることがあれば、動物病院に相談してください。

出典・参考

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