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猫がふみふみ(ニーディング)する理由|毛布を吸う・爪が痛い・急に増えたときの考え方と対処

対象の目安: 全ライフステージ

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猫がふみふみ(ニーディング)する理由|毛布を吸う・爪が痛い・急に増えたときの考え方と対処

膝に乗ってきた猫が、前足を交互にぐっ、ぐっと押し出しながら、目を細めてゴロゴロ。いわゆる「ふみふみ」です。見ていて和むしぐさですが、「どうしてするの?」「爪が刺さって地味に痛い」「毛布をちゅぱちゅぱ吸いながらしているけど大丈夫?」「最近やけに回数が増えた気がする」と、気になる点が出てくるしぐさでもあります。この記事では、ふみふみの理由として語られている説を強さの違いに気をつけながら整理し、痛いときの付き合い方、布を吸う・噛む行動との境目、急に増えたときに確認したいことをまとめます。やめさせることより、猫も人も心地よく付き合える形を整えることを軸に考えていきます。

ふみふみ(ニーディング)とは

ふみふみは、猫が毛布やクッション、飼い主のおなかや膝の上などで、前足を左右交互に押し出すように動かすしぐさです。アニコム損保の記事では、英語で「ミルクトレッド」や「ニーディング」と呼ばれると紹介されています。子猫だけでなく、成猫になっても続ける猫は珍しくありません。反対に、成長とともにあまりしなくなる猫もいて、するかしないか、どのくらいするかには個体差があります。

アニコム損保は、猫が毛布やクッション、飼い主の体などをふみふみする行動が英語で「ミルクトレッド」や「ニーディング」と呼ばれると紹介しています。アニコム損保 猫との暮らし大百科より。

ふみふみする理由として語られている説

ふみふみの理由は、ひとつに確定しているわけではありません。複数の説があり、場面によって意味合いが違うと考えられています。ここでは、代表的な説から順に整理します。

最もよく知られる説: 子猫期の授乳の名残

もっとも広く紹介されているのが、子猫時代の授乳のときの動きが残っているという説です。PetMDの獣医師による記事では、子猫はお乳を飲むときに母猫の乳の出を促すために前足で押す動きをし、その動きがもたらす落ち着きや安心感に似た感覚を得るために、大人になっても続ける猫が多いと説明されています。EPARKペットライフの獣医師執筆記事でも、ふみふみは哺乳中の子猫が前足で母猫のおなかを押している行為と同じだと考えられているとしています。

PetMDは、子猫が授乳中に母猫の乳の出を促すためにこねるような動きをすること、多くの猫がそれに似た落ち着きやリラックスを得るために成猫になっても続けることを説明しています。PetMD(Hannah Hart, DVM執筆/Jennifer Coates, DVMレビュー)より。

におい付け(肉球の間のにおい腺)

PetMDは、猫の肉球の間にはにおいを出す腺があり、物や人をふみふみすると、そのにおいが表面に残ると説明しています。お気に入りの毛布や飼い主の膝を「自分のもの」として印をつけている、という見方です。

寝床を整える動き

同じくPetMDでは、野生のネコ科動物が休む前に草などの寝床の材料をふみふみして整えることがあり、飼い猫もそれを再現しているという説が紹介されています。EPARKペットライフも、ふみふみの理由のひとつに寝床づくりを挙げています。寝る前に毛布の上でふみふみしてから丸くなる猫は、この説と重なる場面といえます。

PetMDは、肉球の間のにおい腺によるにおい付け、野生のネコ科動物が休む前に寝床の材料をこねる行動の再現、一部の専門家による筋肉を伸ばし脚の緊張をほぐすためという説を挙げています。PetMDより。

そのほかの説

PetMDは、一部の専門家は筋肉を伸ばして脚の緊張をほぐすためと考えている、と「説」として紹介しています。また、EPARKペットライフは、前足のふみふみには「やるぞ」という意気込みを込めた準備運動のような意味もあるとしています。同記事では、未去勢のオス猫が後ろ足でふみふみする、または腰を動かす場合は発情期の性行動の可能性があるとも説明しています。こちらは前足で交互に押す通常のふみふみとは別の動きです。

EPARKペットライフ(ドリトルけい獣医師執筆)は、ふみふみの理由として授乳時代の習性の名残、愛情表現や甘え、寝床づくり、前足のふみふみの準備運動のような意味合いを挙げ、未去勢の雄猫が後ろ足でふみふみする、または腰を動かす場合は性行動への要求(発情期)の可能性があると説明しています。EPARKペットライフより。

内容読み取りの目安
授乳の名残子猫期にお乳を出すために母猫を押した動きが残る最もよく紹介される説。甘えや安心の場面と重なりやすい
におい付け肉球の間のにおい腺からにおいを残すお気に入りの毛布や飼い主の体に対して見られる場面と重なる
寝床づくり休む前に寝床を整える寝る直前にふみふみしてから丸くなる場面と重なる
筋肉を伸ばす脚の緊張をほぐす一部の専門家による説として紹介される段階
発情行動(後ろ足)未去勢のオス猫が後ろ足でふみふみする・腰を動かす前足で交互に押す通常のふみふみとは別の動き。足の使い方と、ほかの発情のサインがあるかで考える

ひとつの行動に複数の意味が重なっていることもあり、「この子のふみふみは必ずこの理由」と決めつける必要はありません。どんな場面で、どんな様子と一緒に出ているかを見るのが、いちばん現実的な読み方です。

安心・リラックスのサインとして読める場面

飼い主の膝の上や、お気に入りの毛布の上で、ゴロゴロと喉を鳴らしながら目を細めてふみふみしている。こうした場面は、安心しきっているサインとして受け取ってよいことが多いでしょう。アニコム損保は、ふみふみと一緒にゴロゴロと喉を鳴らしている場合は至福のひとときを味わっていると説明し、甘えたいときや眠たいときにも見られるとしています。EPARKペットライフも、飼い主へのふみふみは信頼の証であり、そのまま温かく見守ってあげることが一番だとしています。

アニコム損保は、ふみふみは飼い主を信頼している証拠であり、ゴロゴロと喉を鳴らしながらの場合は至福のひとときを味わっていること、甘えたいときや眠たいときにも見られることを説明しています。アニコム損保 猫との暮らし大百科より。

メモ

ふみふみをしない猫が、飼い主を信頼していないというわけではありません。するかしないかは個体差が大きく、ほかのしぐさと合わせて気持ちを読むことが大切です。しっぽや耳など、しぐさ全般の読み方は

あわせて読みたい

猫の気持ちの読み方|しっぽ・耳・目・ゴロゴロ・スリスリが表すサイン

にまとめています。信頼関係づくり全般は

あわせて読みたい

猫がなつかない…信頼関係の築き方|警戒心の強い猫・保護猫と仲良くなるコツ

も参考にしてください。

なお、アニコム損保の記事では、環境の変化に敏感な猫は引っ越しや模様替えのあとにふみふみしなくなることがあり、落ち着いたら再びしてくれる場合もあると触れられています。回数が減ったこと自体をすぐに心配しすぎず、生活の変化と合わせて様子を見てあげましょう。

爪が刺さって痛いときの付き合い方

うれしいしぐさとはいえ、薄着の膝や太ももに爪を立てられると本当に痛いものです。ここで大切なのは、叱ったり、払いのけたりしないことです。猫にとっては安心して甘えている最中なので、叱られても理由が伝わりにくく、膝に乗ること自体を避けるようになるかもしれません。PetMDも、ふみふみで罰を与えないよう述べています。

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    厚手のブランケットやクッションを間に挟む

    PetMDは、脚やおなかの上にブランケットを置いてバリアにする方法を挙げています。膝に乗りそうなタイミングで、厚手のひざ掛けを1枚置いておくだけでも、痛みはかなり和らぎます。
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    爪を短く整えておく

    PetMDは爪を短く切っておくことをすすめ、アニコム損保も爪が長いと先端がチクチク刺さって痛いため、まめなお手入れを挙げています。切り方の手順や頻度は

    あわせて読みたい

    猫の爪切りのコツと頻度|嫌がる猫への進め方と深爪・出血時の対処

    を参考にしてください。
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    手を離して、やさしく場所を移す

    どうしても痛いときは、無理に押さえつけず、そっと抱き上げて隣のブランケットやクッションの上へ移します。PetMDは、ふみふみしてよい場所を決めて誘導し、そこでしたらごほうびを与える方法を紹介しています。
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    よだれが気になるときは専用のタオルを用意する

    ふみふみ中によだれが出る猫もいます。EPARKペットライフは、よだれが気になる場合はふみふみ用のタオルやクッションを用意したり、おやつなどで途中でやめさせたりしても問題ないとしています。

PetMDは、ふみふみが痛い場合の対処として、脚やおなかにブランケットを置いてバリアにすること、爪を短く切っておくこと、ふみふみしてよい場所へ誘導してごほうびを与えることを挙げ、罰を与えたり爪を除去する手術(抜爪)を選んだりしないよう述べています。PetMDより。

ヒント

秋冬にひざ掛けを出す時期は、そのひざ掛けを「ふみふみ用」と決めてしまうのもひとつの方法です。猫にとってはにおいのついたお気に入りになりやすく、人にとっては爪よけになります。ただし、後述するように布を噛んで飲み込む様子がある猫では、布選びと片づけに注意してください。

毛布を吸いながらふみふみするとき

ふみふみしながら毛布の端をちゅぱちゅぱと吸う猫もいます。PetMDは、授乳の動きをまねるように、ふみふみしながらブランケットを吸う猫もいると説明しています。吸うだけで、落ち着いて眠りにつくような様子であれば、授乳の名残と重なるしぐさとして見守れる場面もあります。

一方で、注意したいのは「吸う」が「噛む」「噛みちぎって飲み込む」に進む場合です。アニコム損保は、布に吸い付いたまま、かじりついて飲み込んでしまう子もいるとし、布を飲み込んだ可能性に気づいたら獣医師に相談するよう述べています。EPARKペットライフでも、ふみふみの時間が極端に長い場合や、布やタオルをくわえる・かじる行動を伴う場合は不安やストレスの可能性があるとし、布を食べるウールサッキングは腸閉塞のリスクがあり、開腹手術が必要になる場合もあると説明しています。

EPARKペットライフは、ふみふみの時間が極端に長い、布やタオルなどをくわえる・かじる行動を伴う場合は不安やストレスの可能性があるとし、布を食べるウールサッキングは腸閉塞のリスクがあり開腹手術が必要になる場合もあると説明しています。EPARKペットライフより。

注意

ふみふみ中に布を噛みちぎっている、毛布やタオルに穴や欠けが増えている、飲み込んだかもしれないと感じたときは、様子見を続けずにかかりつけの動物病院に相談してください。とくに、吐く・食欲がない・元気がない・便が出ないといった様子があるときは、できるだけ早い受診をおすすめします。

吸う・噛む・食べる行動の背景や、環境を整える具体的な対策は

で詳しく解説しています。ふみふみ自体は問題のないしぐさでも、布を口にする行動が伴う場合は、こちらの記事の視点で見直してみてください。

急にふみふみが増えた・落ち着かないとき

普段はたまにしかしない猫が、急にふみふみの回数が増えた、ずっと続けていてやめない、そわそわして落ち着かない。こうした変化があるときは、単なる甘えとは別の理由も考えてみます。

PetMDは、ふみふみが増えたり過剰になったりするのは、猫が不快感や不安を感じているサインのことがあり、新しく始まった、または過剰なふみふみが見られる場合は、背景に体の問題や行動上の問題がないか獣医師に相談するよう述べています。EPARKペットライフは、それまでまったくふみふみしなかった猫が突然するようになった場合は不安やストレスの可能性があるとし、近隣で大きな音がする、家族が増えて落ち着ける場所や時間がないといった生活環境の変化を見直して、できるだけ改善するようすすめています。

PetMDは、ふみふみが増えたり過剰になったりするのは猫が不快または不安を感じているサインのことがあり、新たに始まった、あるいは過剰なふみふみは医学的な問題や行動上の問題を示すことがあるため獣医師に相談するよう述べています。PetMDより。

ふみふみが急に増えたときに振り返りたいこと

  • 引っ越し・模様替え・家族構成の変化・新しい猫や動物を迎えたなど、最近の環境の変化はないか
  • 留守番が長くなった、遊ぶ時間が減ったなど、生活リズムに変化はないか
  • 布を噛む・飲み込む行動が一緒に出ていないか
  • 未去勢のオス猫の場合、前足ではなく後ろ足でふみふみしたり、腰を動かしたりしていないか
  • 食欲・元気・排泄・毛づくろいの量など、体の様子にいつもと違う点はないか
  • ふみふみ中にゴロゴロと落ち着いているか、それともそわそわして落ち着かないか

EPARKペットライフは、未去勢のオス猫が後ろ足でふみふみする、または腰を動かす場合は、発情期の性行動の可能性があるとしています。前足で交互に押す通常のふみふみとは動きが違うため、どの足でしているかを見てみましょう。リラックスした様子がなく頻繁に後ろ足でふみふみする場合は、去勢手術を検討してもよいかもしれないとも述べています。メス猫を含む発情期のサインと対応は

にまとめています。

注意

ふみふみの変化に加えて、食欲がない、元気がない、吐く、下痢や便秘がある、触られるのを嫌がる、よだれが急に増えたといった様子が見られるときは、行動の問題と決めつけず、動物病院で体の状態を確認してもらってください。環境を見直しても落ち着かない状態が続く場合も、かかりつけの獣医師に相談すると安心です。

やめさせるより「付き合い方」を整える

ふみふみは、多くの場合、猫が安心しているときに見られる自然なしぐさです。無理にやめさせようとするより、人が痛くない工夫をして、猫が気持ちよくふみふみできる場所を用意するほうが、猫との関係にもやさしい選択になります。そのうえで、布を口にする行動や、急な増加・落ち着かなさといった「いつもと違う」サインにだけ注意を向けておけば十分です。

成猫なのにふみふみするのはおかしいですか?
おかしくありません。子猫期の授乳の名残という説があり、落ち着きや安心感を得るために成猫になっても続ける猫は多いと紹介されています。成長とともにしなくなる猫もいて、個体差が大きいしぐさです。
爪が痛いのでやめさせたいのですが、叱ってもいいですか?
叱るのはおすすめしません。安心して甘えている最中なので理由が伝わりにくく、膝に乗ること自体を避けるようになることもあります。厚手のブランケットを膝に置く、爪を短く整える、ふみふみしてよい場所へそっと移すといった方法で痛みを減らしましょう。
毛布を吸いながらふみふみしています。やめさせるべきですか?
吸うだけで落ち着いている様子なら、すぐに問題とは限りません。ただし、噛みちぎる・飲み込む様子がある、時間が極端に長いといった場合は、ウールサッキングや不安・ストレスの可能性があります。布を飲み込んだかもしれないときや、吐く・食欲がないなどの様子があるときは動物病院に相談してください。
急にふみふみが増えました。病院に行くべきですか?
まず、引っ越しや模様替え、生活リズムの変化などストレスになりそうなことがないか振り返ってみてください。新しく始まった、または過剰なふみふみは不快感や不安のサインのことがあると説明されています。食欲・元気・排泄に変化がある、落ち着かない状態が続くといった場合は、動物病院に相談しましょう。
うちの猫はふみふみをしません。信頼されていないのでしょうか?
そうとは限りません。ふみふみをするかどうかは個体差が大きく、しないことだけで信頼関係を判断することはできません。しっぽや目、体の預け方など、ほかのしぐさもあわせて見てみてください。

まとめ

猫のふみふみ(ニーディング)は、子猫期にお乳を出すために母猫を押した動きの名残という説が最もよく知られ、ほかにも肉球の間のにおい腺によるにおい付けや寝床づくり、筋肉を伸ばす動きなどの説があります。どれかひとつに断定はできませんが、ゴロゴロと落ち着いた様子を伴うなら、安心やリラックスのサインとして見守ってよい場面が多いしぐさです。爪が痛いときは叱らず、厚手のブランケットを挟む、爪を切る、やさしく場所を移すといった工夫で付き合い方を整えましょう。一方で、布を噛む・飲み込む行動を伴うとき、急に回数が増えて落ち着かないとき、食欲や元気など体の様子にも変化があるときは、ストレスや体の不調も視野に入れ、かかりつけの動物病院に相談してください。

出典・参考

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