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猫用サプリメントの選び方と比較|腸内環境・関節・皮膚被毛の3タイプを中立に整理

対象の目安: 成猫〜シニア

リクグッズ・遊び担当
・ 約23分で読めます
猫用サプリメントの選び方と比較|腸内環境・関節・皮膚被毛の3タイプを中立に整理

ペットショップやネット通販の棚には、猫用のサプリメントがずらりと並んでいます。腸内環境、関節、毛づや、腎臓、目、口腔ケア。パッケージの言葉を眺めていると「うちの子にも何か足したほうがいいのかな」という気持ちになりますが、そもそもサプリメントは薬ではありませんし、健康な猫が総合栄養食を食べているなら必ず必要というものでもありません。この記事では、まず制度上の位置づけと療法食との違いを整理したうえで、腸内環境ケア・関節ケア・オメガ3(皮膚被毛)という代表的な3タイプを中立に比較します。持病がある猫や投薬中の猫は、買う前にかかりつけの動物病院に相談してほしい、というのが大前提です。

サプリメントは「薬」ではない|ペットフードの中での位置づけ

ペットフード公正取引協議会の公正競争規約(業界の自主ルール)では、加盟事業者が表示する際、使用目的から「総合栄養食」「間食」「療法食」「その他の目的食」の4つにペットフードを分類しています。猫用サプリメントはこのうち「その他の目的食」に含まれるカテゴリで、摂取量に制限が必要な場合は給与限度量を表示することが求められます。規約に参加していない事業者の商品では、この分類表示がないこともあります。

一方、法令としては愛がん動物用飼料安全法(ペットフード安全法)があり、犬猫用のサプリメントも同法の対象となる愛玩動物用飼料に含まれるため、販売用の製品には名称・原材料名・賞味期限・事業者名・原産国名の表示が求められます。ただしこれは安全性と表示のルールであって、いずれの制度でもサプリメントはあくまで食べもの(フード)の一種であり、動物用医薬品ではありません。

この「医薬品ではない」という点は、パッケージの書きぶりにも直結します。農林水産省の担当課長通知(平成25年9月11日付、農林水産消費安全技術センターが公開)では、ペットフードにおける医薬品的な表示の考え方が示されています。通知の別紙では、(1)疾病の治療、(2)疾病の予防、(3)身体の構造に影響を及ぼすこと、(4)身体の機能に影響を及ぼすこと(免疫力や自然治癒力といった生理機能を高める、といった例を含む)を目的とすると判断される表示、(5)医薬品であることを暗示させる表示、(6)新聞・雑誌の記事や獣医師・学者の談話、経験談の引用によって医薬品であることを暗示させる表示、という区分で整理されています。

愛玩動物用のミネラルウォーター、生肉、スナック、ガム、サプリメント等も愛玩動物用飼料に含まれること、販売用愛玩動物用飼料には名称・原材料名・賞味期限・製造業者等の氏名または名称および住所・原産国名の表示が必要とされることについて。愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律の施行通知(農林水産消費安全技術センター掲載)より。

公正競争規約では使用目的によってペットフードを分類し、それぞれに表示すべき項目を定めていること、ペットフードが「総合栄養食」「間食」「療法食」「その他の目的食」の4つに区分されること、サプリメントなど摂取量に制限が必要なものは給与限度量を表示すること、療法食には獣医師の指導に基づいて給与すべき旨の注意書きが必要で、フードによって病気を予防・治療できるかのような表示はできないことについて。ペットフード公正取引協議会より。

ペットフード等における医薬品的な効能効果と判断される表示が、(1)疾病の治療、(2)疾病の予防、(3)身体の構造に影響を及ぼすこと、(4)身体の機能に影響を及ぼすこと、(5)医薬品であることを暗示させるもの、(6)記事・談話・経験談の引用により医薬品であることを暗示させるもの、という区分で整理されていることについて。農林水産消費安全技術センター(FAMIC)掲載の通知より。

裏を返すと、「この病気が治る」「投薬をやめられる」といった言葉が前面に出ている商品広告は、表示ルールの観点から見て慎重に読むべきものだということです。サプリメントに期待できるのは、あくまで日々の健康維持や栄養の補助という範囲だと考えておきましょう。

療法食とサプリメントは別物

混同されやすいのが療法食(食事療法食)です。療法食は、栄養成分の量や比率を調整して、特定の疾病や健康状態にある猫の栄養学的サポートを目的としたフードで、獣医療において獣医師の指導のもとで食事管理に使うものです。表示ルール上も、療法食には「獣医師の指導に基づいて給与するべき旨の注意書き」が必要とされています。

種類主な役割誰の判断で使うか
総合栄養食毎日の主食。これと水で栄養が満たせる飼い主の選択
療法食疾病や健康状態に応じた食事管理のサポート獣医師の指導のもとで
その他の目的食(サプリメント等)健康維持や栄養の補助飼い主の選択。ただし持病があるなら要相談

主食である総合栄養食を療法食に切り替えるかどうかは獣医師の判断が要る一方、サプリメントは飼い主が自由に買えます。この「自由に買える」ことが、良くも悪くも注意点になります。腎臓病のように食事管理が治療の柱になる病気では、サプリメントを足すことより療法食と定期的な検査を続けることのほうが優先されます。慢性腎臓病の考え方は

もあわせて読んでみてください。

そもそも必要?エビデンスの強さには差がある

米国コーネル大学の猫の健康情報では、バランスのとれた完全な食事を与えているならサプリメントの使用は通常必要なく、サプリメントは猫に害を及ぼすこともあるため獣医師の承認なしに与えるべきではない、と明確に述べられています。総合栄養食を問題なく食べていて、体重も便も安定している健康な成猫であれば、まず「足さない」という選択肢が土台にあることは知っておきたいところです。

バランスのとれた完全な食事を与えている場合、サプリメントの使用は通常必要ないこと、サプリメントは猫に害を及ぼす可能性があり獣医師の承認なしに与えるべきではないことについて。Cornell Feline Health Centerより。

そのうえで、成分ごとにエビデンスの強さが違うことも正直に押さえておきましょう。たとえば関節用として定番のグルコサミンとコンドロイチンについて、VCA Animal Hospitalsの解説では、人気があるにもかかわらず明確な有益性を支持する研究が不足していると述べられています(低分子コンドロイチンは一部の猫に良い影響があるようだ、という記述もあります)。一方で緑イ貝(グリーンリップドマッセル)については整形外科的な痛みの軽減を示した研究が、EPAについては高用量が軟骨の変性を止めるのに役立つという研究が、それぞれ紹介されています。同じ「関節サプリ」という棚に並んでいても、根拠の厚みは同じではないということです。

グルコサミン/コンドロイチンは人気がある一方で明確な有益性を裏づける研究が不足していること、低分子コンドロイチンが一部の猫に良い影響を示すようであること、緑イ貝では整形外科的な痛みの軽減を示した研究があること、高用量のEPAが軟骨の変性を止めるのに役立つとする研究があること、ニュートラシューティカルは医薬品と同じ試験・規制の対象ではないこと、サプリメントの使用は獣医師と相談することが重要であることについて。VCA Animal Hospitalsより。

成分によっては、猫を対象にした比較試験そのものが少なく、評価が定まっていないものもあります。「評判がいいから」「口コミで治ったと書いてあったから」ではなく、何を目的に、どのくらいの期間試して、何をもって続ける・やめるを決めるのかを最初に決めておくことが、結果的にいちばん無駄がありません。

メモ

サプリメントは医薬品と同じ水準の試験・規制の対象ではありません。だからこそ、効能効果の断定的な宣伝文句よりも、成分名・含有量・製造管理の情報が確認できるかどうかを判断材料にしましょう。診断・治療・投薬の判断は動物病院で行うものです。

選ぶ軸は4つ

猫用サプリメントを選ぶときの軸

  • 目的を1つに絞る(あれもこれもと欲張らない)
  • 成分量と原材料の表示が確認できるか(有効成分の量が開示されているか)
  • 剤形が続けやすいか(粉末・液体・タブレット・ペースト)と嗜好性
  • 続けられる価格と、カロリー・賞味期限まで含めた無理のなさ

1. 目的を1つに絞る

「腸にも関節にも毛づやにも」と欲張ると、成分が重複して過剰摂取になったり、効果が出たのか出ていないのか判断できなくなったりします。いま困っていることを1つ選び、まずはそれに対応するものを1種類だけ試すのが基本です。ただし、軟便が続く、ジャンプをためらうといった変化がある場合は、まず動物病院で原因を確認するのが先です。そのうえで大きな問題がないと分かってから、気になる部分に合わせて1つだけ選びましょう。

2. 成分量と原材料の表示

獣医師監修の解説では、原材料表記を確認して玉ねぎやニンニクなど中毒の原因になる物質が入っていないかを見ること、有効成分量がある程度開示されているものを選ぶことがすすめられています。「乳酸菌配合」「グルコサミン配合」とだけ書かれていて量が分からない商品より、1回量あたり何mg・何億個といった数字が書かれている商品のほうが、比較も継続判断もしやすくなります。製造国や製造管理、第三者機関での分析の有無が公開されているかも、判断材料のひとつです。

3. 剤形と嗜好性

どんなに良い成分でも、猫が食べてくれなければ意味がありません。剤形は主に粉末・液体(オイル)・タブレット/カプセル・ペースト(ちゅーる状)に分かれます。粉末はフードにふりかけやすく量の微調整もしやすい一方、においや味に敏感な猫だとフードごと食べなくなることがあります。液体は少量のフードにかけるのが基本で、味が強いものも多いので、大盛りにかけて残されるより少量に混ぜるほうが確実です。タブレットは投与量が明確ですが、飲み込むのが苦手な猫もいます。ペーストタイプはおやつ感覚で受け入れられやすい反面、カロリーやほかのおやつとの兼ね合いに注意が必要です。初回はお試しサイズや少量パックがあるものを選ぶと失敗が小さくて済みます。

4. 価格・カロリー・賞味期限

サプリメントは基本的に毎日続けるものなので、月あたりの費用で考えます。フードの値上がりが続くなかで無理な出費になると続かないので、主食である総合栄養食にお金をかけたうえで無理のない範囲に収めるのが現実的です。食費全体の考え方は

も参考になります。

見落とされがちなのがカロリーです。獣医師監修の解説では、体の小さい犬猫では複数のサプリメントを与えることで1日に必要なカロリーの10%以上を摂取していることもあり、総合栄養食やAAFCO基準に沿って作られた食事以外は、おやつも含めて1日に必要なカロリーの10%以内にとどめることが推奨されるとされています。つまりサプリメントとおやつは合計で見る必要があります。また、開封後に酸化しやすいオイル系は、猫1匹で飲みきれる容量かどうかも確認しておきましょう。

動物用サプリメントが医薬品以外のもので健康の維持増進のために利用されるものであり効果効能をうたうことはできないこと、体の小さい犬猫では複数のサプリメント摂取で1日に必要なカロリーの10%以上を摂ることもあり、総合栄養食やAAFCO基準に沿って作られた食事以外はおやつも含め1日に必要なカロリーの10%以内に留めることが推奨されること、原材料表記で玉ねぎやニンニクなど中毒物質の混入がないか確認し有効成分量が開示されているものを選ぶこと、サプリメント同士や薬との相互作用に注意が必要で服薬中なら必ずかかりつけに申告することについて。ペットニュースストレージ(ペット&ファミリー損保)より。

タイプ別に中立比較

代表的な3タイプの特徴を整理します。どれが上ということではなく、猫の状態と目的で選ぶものです。

タイプ代表的な成分向いている場面気をつけたい点
腸内環境ケア乳酸菌、ビフィズス菌、オリゴ糖、酵母便の状態や食欲のムラが気になり、腸内環境を意識したいとき菌の種類・量の表示、開封後の保存。下痢が続くときは受診が先
関節・シニアケアグルコサミン、コンドロイチン、緑イ貝、EPA/DHA7歳以上で、日々の動きやすさの維持を意識したいとき成分によりエビデンスの厚みが違う。痛みの評価は動物病院で
皮膚被毛・オメガ3EPA/DHA(魚油・クリルオイル)健康な皮膚と毛づやの維持を意識したいとき酸化しやすい。カロリーが高め。過剰摂取に注意

オメガ3で1点だけ補足します。亜麻仁油やえごま油など植物由来のオイルに含まれるオメガ3はα-リノレン酸(ALA)で、EPAやDHAそのものではありません。Today's Veterinary Practiceの脂肪酸解説では、猫はデルタ6デサチュラーゼという酵素の活性が低く、ALAからのEPA産生は事実上ゼロだと説明されています。EPA/DHAの補給を目的にするなら、魚油やクリルオイルのように最初からEPA/DHAとして含まれているものを選びます。

猫ではデルタ6デサチュラーゼの活性が低く、リノール酸からのアラキドン酸、α-リノレン酸からのEPAの産生が事実上ゼロであること、そのため猫ではこれらを食事から摂る必要があることについて。Today's Veterinary Practiceより。

ここから先は実際の商品タイプの例です。価格や成分量は販売ページで必ず確認してください。持病がある猫、投薬中の猫は購入前にかかりつけの動物病院に相談してから始めましょう。

腸内環境ケア(乳酸菌・プロバイオティクス系)

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腸内環境ケア(乳酸菌・プロバイオティクス系)

価格の目安: 目安1,000〜3,500円前後

最初の1つとして選ばれることが多いタイプ。粉末や顆粒でフードに混ぜやすく、少量から試せる製品が多いのが利点です。菌の種類と数(何億個など)が明記されているか、開封後の保存方法(高温多湿を避ける、冷蔵の要否)が書かれているかを確認しましょう。軟便や下痢が数日続く、体重が減る、元気がないといった場合はサプリで様子を見ず、まず動物病院で原因を調べてもらうのが先です。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

関節・シニアケア(グルコサミン・緑イ貝など)

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関節・シニアケア(グルコサミン・緑イ貝など)

価格の目安: 目安2,000〜5,000円前後

シニア期に入って動きが変わってきた猫に選ばれるタイプ。犬猫兼用の製品も多いので、猫の体重に合った給与量が明記されているかを必ず見てください。前述のとおり成分によって研究の厚みが異なるため、複数成分をまとめた製品では何がどれだけ入っているかを確認するのが現実的です。関節の痛みは環境調整や動物病院での治療が中心になるので、サプリはあくまで補助と考えましょう。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

皮膚被毛・オメガ3(EPA/DHA・魚油系)

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皮膚被毛・オメガ3(EPA/DHA・魚油系)

価格の目安: 目安1,500〜4,500円前後

液体(オイル)やカプセルが中心で、フードにかけて与えるタイプ。魚のにおいで嗜好性が上がる猫もいます。油なのでカロリーが高く、体重管理中の猫では1日の総カロリーに含めて考える必要があります。開封後は酸化が進むため、小容量を選び、直射日光を避けて表示どおりに保存しましょう。皮膚のトラブルがすでに出ている場合は、原因(アレルギー、ノミ、内分泌の病気など)の特定が先です。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

関節の変化が気になって関節タイプを検討している方は、家庭で気づけるサインを整理した

も先に読んでおくと、動物病院での相談がスムーズになります。

安全のために守りたいこと

注意

人用のサプリメントを猫に流用しないでください。とくにαリポ酸は猫での感受性が高く、Pet Poison Helplineは猫が犬より10倍感受性が高いとし、摂取後30分から数時間で流涎・嘔吐・ふらつき・鳴き声・筋肉の震え・けいれん・低血糖などの症状が出る可能性を挙げています。このほか、人用サプリに多いビタミンDや鉄の高用量製品、玉ねぎ・ニンニク由来成分も猫にとって危険になりえます。なお、チュアブル錠やグミに使われるキシリトールは、犬では重篤な低血糖や肝障害を起こしますが、Merck Veterinary Manualは「キシリトール中毒が報告されている家畜種は犬のみで、猫は低血糖や肝障害のリスクにはない」としています。ただし人用製品はそもそも猫の体格に合った用量設計ではないため、流用しない点に変わりはありません。複数のサプリを併せると同じ成分が重複して過剰摂取になることがあり、処方薬との相互作用が問題になる場合もあります。投薬中・持病がある猫では、サプリを始める前に必ずかかりつけの獣医師に申告してください。サプリを飲ませているからといって、自己判断で処方薬を減らしたり中止したりしてはいけません。誤って人用サプリを口にした可能性があるときは、様子を見ずにすぐ動物病院に連絡を。

猫はαリポ酸に対して犬より10倍感受性が高いとされること、摂取後30分から数時間以内に症状が現れうること、過剰流涎・嘔吐・協調運動障害・鳴く・筋の震え・けいれん・低血糖などの徴候が挙げられていることについて。Pet Poison Helplineより。

キシリトール中毒が報告されている家畜種は犬のみであり、猫はキシリトール中毒による低血糖や肝障害のリスクにはないとされていること、犬では用量依存的に急激なインスリン分泌が起こり低血糖や肝不全に至りうることについて。MSD/Merck Veterinary Manualより。

「天然由来だから安心」「サプリだから飲ませすぎても平気」という思い込みが、いちばん危ないところです。表示された給与量を超えて与えない、猫が自分で袋を開けられない場所に保管する、という2点は必ず守りましょう。

与え方と、続けるか決めるまでの見かた

  1. 1

    1種類ずつ、規定量から始める

    同時に2つ以上を始めると、体に合わなかったときにどちらが原因か分かりません。表示された給与量を守り、初日は半量から試すと受け入れやすいことがあります。
  2. 2

    いつものごはんに混ぜる

    前述のとおり、粉末はフードにふりかけ、液体は少量のフードに混ぜるのが基本です。嫌がるときは無理に口に入れず、時間をおいて試すか、剤形を変える選択も検討します。
  3. 3

    記録をつける

    開始日、量、便の状態、食欲、体重、毛づや、動きの様子を簡単でよいのでメモします。写真や動画で残しておくと、あとで比べたときの変化が分かりやすくなります。
  4. 4

    数週間から数か月の単位で判断する

    サプリメントは薬のように数日で効くものではありません。少なくとも数週間は続けてから、記録を見て継続の可否を考えます。逆に、下痢・嘔吐・食欲低下など悪い変化が出たときはすぐ中止し、動物病院に相談してください。
  5. 5

    健診のたびに主治医と見直す

    半年〜1年ごとの健康診断の際に、いま与えているサプリを伝えて続ける意味があるかを一緒に確認します。新しい薬が始まったときも同様です。

切り替え・継続を見るときの観察ポイント

  • 便の状態(かたさ、回数、においの変化)
  • 食欲と食べる速さ、フードを残すようになっていないか
  • 毛づや、フケ、抜け毛の量
  • 動きの変化(ジャンプ、階段、寝ている時間)
  • 体重(月1回は測る)
  • 嘔吐や下痢など新たな不調が出ていないか
シニアに入った頃から「何か足したほうがいいのでは」と焦って、関節と腎臓と乳酸菌を一度に始めてしまったことがあります。案の定ごはんを残すようになり、どれが原因か分からず全部やめる羽目に。次からは1つずつ、健診のときに先生に相談してから始めるようにしました。

毛玉を吐く回数が気になって腸内環境系を検討している場合は、ブラッシングなど食事以外の対策もあわせて考えると効果的です。

も参考にしてみてください。

動物病院で扱う製品と市販品の違い

動物病院で販売されているサプリメントと、通販やペットショップで買える市販品は、どちらが良い悪いというより立ち位置が違います。動物病院で扱う製品は、その猫の検査結果や治療方針を踏まえて、獣医師が必要性と量を判断したうえで出されるのが前提です。処方薬や療法食との組み合わせ、体重に応じた量、続ける期間まで含めて管理してもらえるのが利点です。

市販品は入手しやすく価格の選択肢も広い反面、判断はすべて飼い主に委ねられます。だからこそ、表示の読み方や併用の注意を自分で押さえる必要があります。どちらを選ぶにせよ、健康診断の結果を持って「いま足すべきものはあるか、あるとすれば何か」を主治医に聞くところから始めるのが、遠回りに見えていちばん確実です。

よくある質問

健康な猫にもサプリメントは必要ですか
必ずしも必要ではありません。バランスのとれた完全な食事(総合栄養食)を与えていればサプリメントの使用は通常必要ない、とコーネル大学の猫の健康情報でも述べられています。体重・便・食欲・毛づやが安定している健康な成猫なら、まず主食の質と量、水分、運動を整えるほうが優先度が高いと考えてよいでしょう。
サプリメントで病気は治りますか
治療のためのものではありません。制度上もサプリメントは医薬品ではなく、疾病の治療・改善・予防をうたう表示は認められていません。診断や治療、投薬の必要性は動物病院で判断するものです。治療中の猫にサプリを足したい場合は、必ず主治医に相談してください。
療法食と一緒に与えても大丈夫ですか
製品と病態によります。療法食は栄養成分の量や比率を調整して食事管理を行うもので、サプリメントを足すことでその設計が崩れる可能性があります(リンやたんぱく質、脂質を制限している場合など)。併用の可否は自己判断せず、療法食を処方している獣医師に確認してください。
効果が出るまでどのくらいかかりますか
薬のようにすぐ変化が出るものではなく、一般には数週間から数か月の単位で見ることになります。開始日・量・便・食欲・体重・動きの様子を記録し、その記録をもとに続けるかどうかを判断しましょう。逆に、下痢や嘔吐、食欲低下など悪い変化が出た場合はすぐ中止して動物病院に相談してください。
人用の乳酸菌サプリやフィッシュオイルを分けて与えてもいいですか
与えないでください。人用製品は用量が猫の体格に対して過大なうえ、鉄やビタミンDの高用量、αリポ酸のように猫にとって危険性が指摘される成分が含まれることがあります(αリポ酸は猫が犬より10倍感受性が高いとされます)。猫用として販売され、猫の体重に応じた給与量が示されている製品を選び、投薬中や持病がある場合は事前に獣医師へ相談しましょう。

まとめ

猫用サプリメントは医薬品ではなく、ペットフードの目的別分類でいえば「その他の目的食」にあたるもので、病気の治療や予防をうたうことはできません。療法食が獣医師の指導のもとで使う食事管理用のフードであるのに対し、サプリメントは飼い主が自由に選べる分、判断の責任も飼い主側にあります。総合栄養食で健康が保てているなら「足さない」も立派な選択です。

そのうえで取り入れるなら、目的を1つに絞り、成分量と原材料が確認できるものを選び、猫が続けられる剤形と無理のない価格・カロリーで、1種類ずつ試すこと。人用サプリの流用や複数併用による過剰摂取は避け、投薬中・持病がある猫では必ず主治医に相談してください。効果の判定は記録を見ながら落ち着いて。気になる症状があるときはサプリで様子を見ず、動物病院で原因を確かめることを最優先にしましょう。

出典・参考

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