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猫が抱っこを嫌がる理由と慣らし方|無理に抱かないコツと突然嫌がるときの注意点

対象の目安: 全ライフステージ

ハルしつけ・問題行動担当
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猫が抱っこを嫌がる理由と慣らし方|無理に抱かないコツと突然嫌がるときの注意点

かわいい愛猫を抱きしめたいのに、腕に入れた途端に身をよじって逃げてしまう。そんな「抱っこ嫌い」に、少し寂しさを感じている飼い主さんもいるかもしれません。けれど、抱っこを嫌がるのはわがままでも、あなたに懐いていないからでもありません。体を自由に動かせなくなる状態そのものを苦手とする習性や、過去の経験が背景にあることが多いのです。理由を知れば、無理に抱かない関わり方や、少しずつ慣らしていくコツが見えてきます。ここでは、猫の気持ちに沿って抱っことの向き合い方を整理しました。

猫が抱っこを嫌がるのはわがままではない

抱っこは、猫にとって「自分の意思とは関係なく体の自由を奪われる」状態です。猫はもともと単独で狩りをして生きてきた動物で、いざというときにすぐ逃げられないこと、体を押さえつけられることに強い抵抗を感じやすい傾向があります。高い場所は大好きでも、自分の足で登った高さと、人の手で持ち上げられて宙に浮くのとはまったく別ものです。

ねこのきもち(獣医師監修・山口みき先生)は、猫は高い所を好む一方で、自分の意思とは関係なく体を拘束されることを苦手とする傾向があり、宙に浮く感覚が苦手な個体もいるとしています。

さらに、過去の経験も大きく影響します。以前に無理やり抱き上げられたり、抱っこのあとに嫌なこと(爪切りや通院など)が続いたりした記憶があると、抱っこそのものへの警戒心が強まってしまいます。

ねこのきもち(獣医師監修・山口みき先生)は、過去に無理に抱き上げられた経験があると警戒心が強まることや、特定の部位を触ると嫌がる場合は痛みや違和感が関係していることもあるとしています。

つまり抱っこ嫌いは、しつけの失敗でも性格の悪さでもなく、猫という動物の自然な反応です。まずはこの前提を知っておくだけで、「なんで抱かせてくれないの」という気持ちがずいぶんやわらぐはずです。

嫌がっているサインの見分け方

抱っこを続けてよいかどうかは、猫が出すサインで判断します。無理に抱き続けると「抱っこ=嫌なこと」という記憶がさらに強くなり、逆効果です。次のような様子が見えたら、猫が嫌がっているサインと考え、いったん解放してあげましょう。

サインの種類具体的な様子
体の緊張体をこわばらせる、耳を伏せる、しっぽを激しく振る
逃げようとする腕の中でもがく、手足を突っぱる、飛び降りようとする
声の変化ふだんと違う低い声で鳴く、うなる、「やめて」と訴えるように鳴く
触られたくない部位特定の場所を触ると強く嫌がる、噛もうとする
全身の変化元気や食欲の変化がある、抱っこの前後で様子がふだんと違う

ねこのきもち(獣医師監修・山口みき先生)は、嫌がるサインとして、体をこわばらせる・逃げようとする、鳴き声が変わる、触ると強く嫌がる部位がある、元気や食欲に変化があることを挙げています。

ヒント

サインは早いほど気づきやすく、猫の負担も小さくてすみます。体がこわばった瞬間に「もう少しだけ」と粘らず、そっと下ろすこと。これを繰り返すだけで、「嫌になったら逃がしてもらえる」という安心感が生まれ、抱っこへの抵抗がやわらいでいきます。しぐさから気持ちを読み取るコツは

もあわせて参考にしてください。

安定した抱き方の手順

猫が抱っこを嫌がる理由のひとつが「不安定さ」です。ぐらついたり宙に浮いたりする感覚が苦手なので、体をしっかり支えて密着させ、安定感を出すことが大切です。次の手順を意識してみてください。

  1. 1

    低い姿勢・座った状態で近づく

    立ったまま覆いかぶさると猫は身構えます。床に座るかしゃがんで、猫と同じくらいの目線から声をかけ、落ち着いているタイミングを選びます。
  2. 2

    脇に手を入れて支える

    片方の手を猫の脇(前足のつけ根)にそっと入れます。ここが持ち上げの基点になります。
  3. 3

    もう片方の手でお尻を持つ

    もう一方の手でお尻を下から支え、前と後ろの二点で体を包むようにして持ち上げます。片手でお尻を支えると下半身が安定します。
  4. 4

    自分の体に寄せて密着させる

    持ち上げたら、猫を飼い主の胸やおなかに寄せて密着させ、宙に浮いた不安定な状態をなくします。肩に乗せる「肩抱っこ」なら、肩で前足を、腕でお尻を支えると安定します。
  5. 5

    座って膝にのせるとさらに安定

    そのまま座って膝の上にのせると、猫は体を預けやすくなり、より落ち着きます。

ペットラインは、上手な抱き方として、猫の脇(前足のつけ根)に手を入れ、もう片方の手でお尻を持って持ち上げること、片手でお尻を支えながら飼い主の体に寄せて不安定さをなくすこと、肩抱っこは肩で前足・腕でお尻を支えると安定し、膝の上にのせるとさらに安定するとしています。

やってはいけないNG抱っこ

よかれと思ってやっている抱き方が、実は猫にとって不快だったり、危険だったりすることがあります。次の抱き方は避けましょう。

注意

  • 仰向けの抱っこ:赤ちゃんを抱くように仰向けにする抱き方は、正しいと思われがちですが、猫にとっては不快なことが多い姿勢です。おなかを無防備にさらす体勢は本能的に苦手な猫が少なくありません。
  • 立ったまま高く抱える:立った状態での抱っこは、猫が急に逃げたときに高い位置から落としてしまい、大きな衝撃で怪我をさせる危険があります。抱くなら座るか、低い姿勢で。
  • 急に持ち上げる:気持ちの準備ができていないところをいきなり持ち上げると、驚いて暴れたり、抱っこそのものを嫌いになったりします。ひと声かけて、体を支えてから。

ペットラインは、NG抱っことして、仰向けの抱っこは多くの人が正しいと勘違いしているが猫には不快なことが多いこと、立った状態での抱っこは猫が逃げたときに落として高い所からの衝撃で怪我をさせる危険があることを挙げています。

もし抱っこを嫌がって噛んでくる場合は、無理に抱こうとしていないか手順を見直してみてください。噛みつきそのものへの向き合い方は

にまとめています。

少しずつ慣らすコツ

抱っこは、一度で好きにさせようとしないことが何より大切です。猫がリラックスしているタイミングを選び、短い時間から始めて、少しずつ「抱っこは悪くない」という経験を積み重ねていきます。

  • 猫が落ち着いているとき(食後やまどろんでいるとき)に、なでる延長でそっと触れる
  • はじめは数秒だけ抱いて、嫌がる前に下ろす。うまくいったら少しずつ時間をのばす
  • 抱っこのあとにごはんやおやつなど「良いこと」を用意し、抱っこと良い印象を結びつける
  • 子猫のうちから慣らす場合も、一度の抱っこは10秒以内にとどめ、長く抱きすぎない

ペットラインは、慣らすコツとして、子猫期の抱っこは10秒以内にとどめること、抱っこのあとにごはんやおやつなど「良いこと」と紐づけると印象が良くなるとしています。

うちの子は迎えた当初、抱っこするとすぐ逃げていました。無理はやめて、ひざにのった時だけ数秒抱いておやつ、を繰り返していたら、今では自分から乗ってくることも。焦らなくてよかったです。

抱っこに限らず、猫との信頼関係づくり全般については

も参考になります。抱っこできるかどうかより、その子が安心して一緒にいられることのほうが、ずっと大切です。

今まで平気だったのに急に嫌がるときは

これまで問題なく抱っこできていたのに、ある時期から急に強く拒否するようになった、あるいは体の特定の部位を触ると痛がる。そんな変化があるときは、気持ちの問題だけでなく、体の不調が隠れている可能性があります。

注意

以前は平気だったのに突然抱っこを強く嫌がるようになったり、特定の部位を触ると痛がったりするときは、痛みや違和感が関係していることがあります。最近急に嫌がるようになった、変化が続くというときは、様子見を続けず、早めに動物病院に相談すると安心です。

ねこのきもち(獣医師監修・山口みき先生)は、特定の部位を触ると嫌がる場合は痛みや違和感が関係していることもあり、最近急に嫌がるようになったときは体調面にも目を向けること、以前は問題なかったのに突然強く拒否するようになった場合は注意し、変化が続くときは早めに動物病院へ相談すると安心だとしています。

猫は不調を隠すのが得意な動物です。「抱っこを嫌がる」という何気ない変化が、体からのサインであることもあります。飼い主にしか気づけない小さな違いだからこそ、いつもと違うと感じたら受診の目安にしてください。

抱っこを嫌がるのは、私に懐いていないからでしょうか?
そうとは限りません。抱っこ嫌いは、体を拘束されることや宙に浮く感覚を苦手とする習性や、過去に無理に抱かれた経験が背景にあることが多く、飼い主への信頼とは別の問題です。抱けなくても、そばで落ち着いていられるなら十分に関係は築けています。
どうしても抱っこしたいときのコツはありますか?
低い姿勢か座った状態で、脇(前足のつけ根)に手を入れ、もう片方の手でお尻を支えて体に密着させると安定します。嫌がるサインが出たら無理せず下ろし、抱っこのあとにおやつなど良いことを結びつけると、少しずつ印象が良くなります。
仰向けで抱っこするのはよくないのですか?
仰向けの抱っこは正しいと思われがちですが、猫には不快なことが多い姿勢とされています。おなかを無防備にさらす体勢を苦手とする猫は少なくありません。嫌がるようなら仰向けは避け、体を起こした状態で支えてあげてください。
今まで平気だったのに急に抱っこを嫌がるようになりました。
体の不調が隠れている可能性があります。特定の部位を触ると痛がる、急に強く拒否するようになった、そうした変化が続くときは、痛みや違和感が関係していることもあるため、様子見を続けず早めに動物病院に相談すると安心です。

まとめ

猫が抱っこを嫌がるのは、わがままでも懐いていないからでもなく、体を拘束されることや宙に浮く感覚を苦手とする習性、そして過去の経験によるものです。まずは嫌がるサイン(体のこわばり、逃げようとする、鳴き声の変化など)に気づいて無理に続けないこと。抱くときは低い姿勢で脇とお尻を支えて密着させ、仰向けや立ったままの高い抱っこ、急な持ち上げは避けます。慣らすときはリラックス時に短時間から、おやつと結びつけて少しずつ。そして、今まで平気だったのに急に嫌がる、触ると痛がるといった変化があるときは、体調のサインの可能性を考え、早めに動物病院へ相談してください。抱けることより、その子が安心していられることを大切にしていきましょう。

本記事は一般的な情報提供であり、診断や治療の適否を判断するものではありません。抱っこを急に嫌がる、特定の部位を痛がるなど気になる変化があるときは、かかりつけの動物病院で猫の状態を診てもらったうえでご相談ください。

出典・参考

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