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猫の噛みつき・甘噛みの理由とやめさせ方|叱らない対処と受診の目安

対象の目安: 全ライフステージ

ハルしつけ・問題行動担当
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猫の噛みつき・甘噛みの理由とやめさせ方|叱らない対処と受診の目安

遊んでいる最中に手をガブッと噛まれたり、機嫌よく撫でていたはずなのに急に噛みつかれたり。猫と暮らしていれば、誰もが一度は「噛みつき」に戸惑った経験があるのではないでしょうか。我が家のやんちゃな成猫も、子猫の頃は手を獲物だと思って飛びかかってきたものです。噛みつきや甘噛みは困った行動に見えますが、その多くには理由があり、叱るより先に「なぜ噛むのか」を読み解くことが対処の出発点になります。ここでは噛む理由を整理しながら、叱らずにやめさせていく考え方をまとめました。

甘噛みと本気咬みの違い

まず押さえておきたいのが、甘噛みと本気咬みは別物だということです。甘噛みは遊びの一環や関心をひく目的で比較的優しく噛む行動で、いわゆる遊び咬みです。一方の本気咬みは、脅威を感じたときに自分を守るために威嚇したり相手を制御しようとして強く咬む行動を指します。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、甘噛みを遊びの一環や関心をひく目的で比較的優しく噛む遊び咬み、本気咬みを脅威を感じたときに自分を守るため威嚇・制御しようと強く咬む行動と説明しています。

ここで大切なのは、どちらなのかを「噛む強さ」だけで判断しないことです。同じ噛むという行動でも、その背景にある動機づけはまったく違います。動機を見ずに強さだけで対応すると、遊びのつもりの噛みを叱って恐怖を植え付けてしまうこともあります。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、甘噛みか本気咬みかは噛む強さだけで決まらず、その動機づけに目を向けることが必要だとしています。

観点甘噛み(遊び咬み)本気咬み
動機づけ遊び・関心をひく脅威からの防御・制御
噛む強さ比較的優しいことが多い強いことが多い
見分けのポイント強さだけでなく動機で判断する強さだけでなく動機で判断する

ただし、遊び咬みだからと放っておいてよいわけではありません。遊び咬みが常態化すると、日に日に強くなって大ケガをするほどになることもあります。優しい噛みのうちから、人の手を噛む遊びにしないことが大切です。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、遊び咬みが常態化すると日に日に強くなり、大ケガをするほどになることもあると注意を促しています。

猫が噛む主な理由

噛む理由が分かると、対処の方向もおのずと見えてきます。代表的なものを見ていきましょう。

遊び・狩猟本能

猫にとって噛みつきは狩りの練習でもあります。人の手で遊ばせていると、「人の手は獲物だ」と教えてしまうことになり、手を見ると飛びついて噛む癖がつきやすくなります。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、噛む理由の一つに狩りの練習を挙げ、人の手で遊ぶと人は獲物だと教えることになると指摘しています。

歯の生え替え

生後3〜6ヶ月ごろは乳歯から永久歯への生え替え時期にあたり、歯がムズムズして噛みたくなることがあります。この時期の噛みは一時的なことも多く、噛んでよいおもちゃへ向けてあげるとよいでしょう。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、生後3〜6ヶ月の歯の生え替え時期に噛むことがあるとしています。

要求・関心を求める行動

かまってほしい、遊んでほしいといった気持ちから、関心を引くために噛むこともあります。噛むたびにこちらが反応すると、「噛めばかまってもらえる」と学習してしまいます。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、噛む理由の一つに関心を求める行動を挙げています。

愛撫誘発性

機嫌よく撫でられていた猫が、急に噛みついてくることがあります。これは愛撫誘発性の攻撃行動と呼ばれ、「もう十分」「これ以上撫でないで」というサインです。

イオンペット(PETEMO)は、撫でている最中に急に噛むのは「もう十分」「撫でないで」のサインで、愛撫誘発性の攻撃だと説明しています。

恐怖・フラストレーション

怖いものから身を守ろうとする恐怖性・防御性の噛み、思い通りにならない苛立ちから生じるフラストレーション・葛藤性の噛み、近づけない対象への苛立ちが別の相手に向く転嫁性(八つ当たり)の噛みもあります。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、噛む理由として恐怖性・防御性、フラストレーション・葛藤性、転嫁性(八つ当たり)を挙げています。

発情

発情期には、交尾の際に首をくわえるネックグリップに関連した噛みつき行動が見られることがあります。去勢手術によって軽減することが知られています。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、発情行動のネックグリップは去勢で軽減するとしています。

爪とぎと同じで、噛みつきも本能や気持ちと結びついた行動です。本能そのものは消せないので、向ける先を用意する発想が役立ちます。本能との付き合い方という点では

の考え方も参考になります。

噛む前のサインを読む

噛みつきは突然に見えても、その前に小さなサインが出ていることが少なくありません。サインに気づければ、噛まれる前に手を引くことができます。

しっぽが大きく揺れる、耳をうしろに倒す、いわゆるイカ耳になる、といった仕草はイライラが高まっているサインです。撫でている途中でこうした様子が見えたら、いったん手を止めて猫から離れましょう。

イオンペット(PETEMO)は、しっぽが大きく揺れる・耳を倒す(イカ耳)などの仕草をイライラのサインとしています。

撫でるときは、猫が好きな強さで、好きな部分だけにとどめるのが基本です。お腹や尻尾の付け根など触られたくない場所を続けて触ると、サインを経て噛みに発展しやすくなります。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、撫でるなら猫が好きな強さ・好きな部分だけにとどめるとよいとしています。

叱らない対処の基本

ここでもっとも伝えたいのは、叱らない、ということです。

注意

噛んだからといって叩いたり、大きな音や物を投げて驚かせたりするのは逆効果です。恐怖を与えると不安が高まり、かえって攻撃が悪化しやすくなります。手で叩くのも攻撃行動や乱暴な遊びを悪化させる原因になります。罰ではなく、噛む理由に合わせて環境と関わり方を整える方向で対処しましょう。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、叱る・叩く・物を投げて驚かすのは恐怖を与え、不安が攻撃を悪化させるためNGだとしています。

エステー(ニャンとも清潔トイレ)は、手で叩くと逆効果で攻撃行動や乱暴な遊びを悪化させるとしています。

遊び咬みや要求噛みへの基本は、噛まれたら遊びを中止し、毅然とその場を離れることです。大きな声で「痛いっ」と伝えて遊びをやめ、興奮が収まるまで無視します。

イオンペット(PETEMO)は、大きな声で「痛いっ」と言って遊びを中止し、毅然とその場を離れて興奮が収まるまで無視する、おもちゃを与えて噛む欲求を満たす、といった対処を挙げています。

関心を求めて噛む場合は、噛んだ瞬間に反応しないことが鍵です。目を合わせず、声もかけません。そのうえで、噛みとは別のタイミングで猫と関わることをルーチン化し、「噛まなくてもかまってもらえる」と分かるようにします。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、関心を求める行動には反応せず(目を合わせない・声をかけない)、猫と関わることをルーチン化するとよいとしています。

フラストレーションが背景にあるなら、エネルギーの発散が助けになります。飼い主がコントロールできるおもちゃで十分に遊ばせ、知育玩具で工夫しないと食べ物が得られない形でフードを与えると、満たされて落ち着きやすくなります。ユラユラ動くおもちゃへ誘導するのも有効です。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、フラストレーションには飼い主がコントロールできるおもちゃで十分に遊ばせる、知育玩具で工夫しないと食べ物が得られない形でフードを与える、といった対応を挙げています。

エステー(ニャンとも清潔トイレ)は、もっと遊んであげたりユラユラ動くおもちゃを与えることをすすめています。

噛みつき対処のチェックリスト

  • 人の手やひざで直接遊ばせず、おもちゃ越しに遊んでいるか
  • 噛まれたら遊びを中止し、その場を離れているか
  • 要求噛みには反応せず、別のタイミングで関わっているか
  • 毎日決まったリズムで十分に遊ぶ時間をとっているか
  • 撫でるときは好きな強さ・好きな部分にとどめているか
  • イカ耳やしっぽの揺れなどのサインで早めに手を止めているか
  • 叩く・驚かすなど恐怖を与える対処をしていないか
子猫の頃、手で遊ばせていたら見事に「手は獲物」と覚えてしまって反省しました。おもちゃ越しの遊びに切り替えて、噛まれたらすぐ遊びをやめて離れる、を続けたら少しずつ落ち着いてくれました。叱らずに関わり方を変えるのが結局は近道でした。

受診・専門家に相談する目安

噛みつきの背景に、体の痛みや病気が隠れていることもあります。とくに今まで噛まなかった子が急に噛むようになった、触ると怒る、特定の場所を気にする、といった変化があるときは、自己判断せずにかかりつけの動物病院を受診してください。愛撫誘発性の攻撃行動が頻繁に起こる場合も、体の痛みや不快感がないかを確認するために診察を受けると安心です。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、愛撫誘発性攻撃行動が頻繁なら、体の痛みや不快感の確認のためかかりつけ動物病院の診察も受けるとよいとしています。

環境を整えても噛みつきが改善しないときや、咬みが強く危険を感じるときは、専門家に相談する選択肢があります。猫のしつけ教室や動物行動学の専門家のカウンセリングが必要になる場合もあります。

ONELife行動クリニックグループ(獣医師)は、咬みつきなど困った行動は猫のしつけ教室などの専門家に相談できるとしています。

エステー(ニャンとも清潔トイレ)は、動物行動学の専門家のカウンセリングが必要な場合があるとしています。

夜間や留守中の要求が背景にあることもあります。鳴きやかまってアピールへの向き合い方は

もあわせて参考にしてください。

まとめ

猫の噛みつきや甘噛みは、強さだけでなく動機づけを見て対処することが大切です。遊びや狩猟本能、歯の生え替え、要求、愛撫誘発性、恐怖やフラストレーション、発情など理由はさまざまで、それぞれに合った関わり方があります。共通するのは、叱ったり叩いたり驚かせたりしないこと。恐怖はかえって攻撃を悪化させます。人の手で遊ばせず、おもちゃや知育玩具へ向け、噛まれたら遊びをやめて離れ、サインを早めに読む。これを根気よく続けるのが近道です。そして急に噛むようになったり触ると怒ったりする変化があれば、痛みや病気を見逃さないために動物病院を受診し、改善しないときは専門家の力も借りましょう。

甘噛みと本気咬みはどう見分ければいいですか?
噛む強さだけで判断せず、その動機づけに目を向けることが大切です。甘噛みは遊びや関心をひくための比較的優しい噛み、本気咬みは脅威から身を守るための強い噛みです。同じ強さでも背景が違うため、状況や前後の様子もあわせて見てあげてください。
撫でていると急に噛まれます。なぜですか?
愛撫誘発性の攻撃行動の可能性があります。「もう十分」「これ以上撫でないで」というサインです。しっぽの揺れやイカ耳に気づいたら早めに手を止め、好きな強さ・好きな部分だけを短めに撫でましょう。頻繁に起こるなら痛みがないか動物病院で確認すると安心です。
噛んだら叱った方がしつけになりますか?
なりません。叩いたり大きな音で驚かせたりすると恐怖を与え、不安からかえって攻撃が悪化しやすくなります。噛まれたら遊びを中止して静かに離れ、噛む理由に合わせて遊びや関わり方を整える方が効果的です。

本記事は一般的な情報提供であり、診断や治療に代わるものではありません。急に噛むようになった、触ると怒る、患部を気にするなど気になる変化があるときは、自己判断せずかかりつけの動物病院にご相談ください。

出典・参考

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