猫の夜鳴き・要求鳴きの原因と対策|年齢別の向き合い方と受診の目安
対象の目安: 成猫〜シニア

夜中に大きな声で鳴かれたり、何かをねだるように繰り返し鳴かれたりすると、心配やとまどいが重なってしまいますよね。でも猫が鳴くときは、わがままではなく「お腹がすいた」「さみしい」「落ち着かない」といった気持ちや、体調の変化を伝えていることがほとんどです。まずは年齢ごとの理由を知り、叱らずに向き合うことが、人にも猫にもやさしい近道になります。
まず「要求鳴き」と「夜鳴き」を切り分ける
ひとことで「よく鳴く」といっても、理由はさまざまです。対策を考える前に、まずはタイプを見分けてみましょう。見分けのいちばんの手がかりは、飼い主が対応したときに鳴き止むかどうかです。
普通の要求鳴きは、ごはんをあげたり、かまってあげたりと飼い主が対応すれば止まることが多いものです。一方で、シニア猫の認知症が背景にある夜鳴きでは、飼い主が対応しても鳴き止まないことがあり、猫本人も鳴いている理由がわかっていないことが多いとされています。
普通の要求鳴きは飼い主が対応すれば止まる一方、認知症では飼い主の行動で鳴き止まないことがあり、猫本人も理由がわかっていないことが多いとされています。
年齢別に見る、鳴く理由
鳴く理由は、ライフステージによって変わってきます。まずは大まかな傾向をつかんでおくと、心当たりを探しやすくなります。
| ライフステージ | よくある鳴く理由 |
|---|---|
| 子猫 | 空腹やさみしさ |
| 成猫 | 環境ストレス(トイレの清潔さ、食事量の不足など)や発情 |
| シニア猫 | 認知症 |
子猫が鳴くのは、お腹がすいていたり、ひとりで心細かったりするサインであることが多いです。成猫では、トイレが汚れている・食事量が足りないといった環境のストレスや、発情が理由になることがあります。そしてシニア猫では、認知症が背景にあることがあります。
年齢別の原因として、子猫は空腹やさみしさ、成猫は環境ストレスや発情、老猫は認知症が挙げられています。
性別による違いもある
去勢していないオスは、メスのフェロモンを感知して大きく鳴くことがあります。避妊していないメスは、春先から秋にかけての発情期に大きく鳴くことがあります。発情に伴う鳴き声が気になる場合は、去勢・避妊を含めて、かかりつけの動物病院に相談してみるとよいでしょう。
要求鳴きへの向き合い方
要求鳴きで悩ましいのは、鳴いたらすぐに応えると「鳴けば叶う」と学習して要求がエスカレートしやすい点です。かといって、無視一辺倒で通すのも難しく、猫も飼い主もつらくなってしまいます。大切なのは、叱るのではなく、鳴く理由そのものを減らせるように環境を整えることです。
- 1
トイレを清潔に保つ
トイレが汚れていると落ち着かず、それが鳴く理由になることがあります。排泄物はこまめに取り除き、清潔を保ちましょう。 - 2
食事量を見直す
食事量が足りないことが鳴く理由になることがあります。空腹で鳴く場合は、量や回数が合っているかを見直してみましょう。 - 3
スキンシップの時間をつくる
さみしさが背景にあるときは、日中に遊びやふれあいの時間をつくることで、気持ちが満たされやすくなります。 - 4
発情が気になるときは相談を
発情に伴う鳴きが続く場合は、去勢・避妊を含めて動物病院に相談する方法があります。
ヒント
鳴くたびに反射的に応えるのではなく、ごはん・遊び・落ち着ける場所といった「鳴く理由になりやすいもの」を先回りで整えておくと、要求鳴き自体が減りやすくなります。叱るとかえって不安が増し、逆効果になりやすいので避けましょう。
成猫の対処としては、避妊去勢、トイレの清掃、食事量の調整などが挙げられます。子猫の場合は、周囲を明るくしてあげたり、飼い主のにおいが付いた布を置いてあげたりすると、さみしさがやわらぐことがあります。
子猫には周囲を明るくする・飼い主のにおいが付いた布を置く、成猫には避妊去勢・トイレ清掃・食事量調整といった対処が挙げられています。
シニア猫の夜鳴きと認知症
年齢を重ねた猫の夜鳴きには、認知症が背景にあることがあります。認知症が疑われるときの鳴き方は、きっかけもなく突然叫ぶように鳴いたり、異様に興奮した声で長時間鳴き続けたりするのが特徴とされています。普通の要求鳴きと違い、飼い主が対応しても鳴き止まないことがあるのが見分けのポイントです。
認知症が疑われるサインには、夜鳴きのほかに次のようなものがあります。
認知症が疑われるサインの例
- きっかけなく突然、叫ぶように鳴く
- 興奮した声で長時間鳴き続ける
- 無駄鳴き・夜鳴きが増える
- トイレの粗相が増える
- 同じ場所をぐるぐる徘徊する
- 性格や好みが変わる
- 昼夜が逆転する
認知症が疑われる症状として、無駄鳴き・夜鳴き、トイレの粗相、同じ場所の徘徊、性格や好みの変化、昼夜逆転などが挙げられています。
PS保険の解説でも、老猫の認知症では夜間徘徊・昼夜逆転・飼い主を認識できない・粗相・過食・夜鳴きといった様子が見られることがあるとされています。
シニア猫の夜鳴きには、認知症のほかにも、関節痛などの身体的な痛み、視力や聴力の低下による不安やストレスが背景にあることもあるとされています。
夜鳴きの背景には、甲状腺機能亢進症などの病気、関節痛などの身体的痛み、視力・聴力低下による不安やストレス、飼い主への要求があるとされています。
シニア猫の夜鳴きへの対処としては、生活環境の見直しやストレスの軽減が挙げられます。スキンシップを増やしたり、防音グッズを活用したりするのも一つの方法です。猫本人が理由をわかっていないこともあるため、叱らず、安心して過ごせる環境を整えてあげることが大切です。
あわせて読みたい
多頭飼いと先住猫との顔合わせ|段階的な進め方とストレス対策
病気が隠れていることもある
夜鳴きの背景には、病気が隠れていることもあります。たとえば甲状腺機能亢進症では、行動が活発になり、夜鳴きのほかに体重減少・毛並みの悪化・下痢や嘔吐を伴うことがあるとされています。鳴き方だけでなく、体の様子もあわせて見てあげましょう。
注意
急に夜鳴きが増えたときや、食欲・飲水量・体重の変化を伴うとき、嘔吐や下痢などが併発しているときは、自己判断せず動物病院に相談してください。受診の目安として、食欲低下、多飲多尿、嘔吐や下痢などが併発している場合が挙げられています。
粗相が気になるときの環境の見直しは、 あわせて読みたい 猫がトイレを失敗する原因と対策|環境の見直しと粗相への向き合い方
甲状腺機能亢進症では行動が活発化し、夜鳴き・体重減少・毛並み悪化・下痢や嘔吐を伴うことがあるとされ、食欲低下・多飲多尿・嘔吐や下痢などが併発している場合は受診の目安とされています。
よくある質問
要求鳴きと、認知症の夜鳴きはどう見分ければよいですか?
鳴いたらすぐにごはんやかまってあげた方がよいですか?
去勢・避妊をしていないと、よく鳴くようになりますか?
シニア猫が急に夜鳴きするようになりました。様子を見てよいですか?
まとめ
猫の夜鳴きや要求鳴きには、年齢ごとに理由があります。子猫は空腹やさみしさ、成猫は環境ストレスや発情、シニア猫は認知症が背景にあることがあります。要求鳴きは飼い主が対応すると止まることが多い一方、認知症由来の夜鳴きは対応しても止まりにくいのが見分けの目安です。すぐ応えると要求がエスカレートしやすいので、叱らず、鳴く理由になりやすいものを先回りで整えてあげましょう。そして、急な夜鳴きの増加や食欲・飲水量・体重の変化を伴うときは、自己判断せず、かかりつけの動物病院に相談することが大切です。
出典・参考
関連する記事
猫がトイレを失敗する原因と対策|環境の見直しと粗相への向き合い方
猫がトイレを失敗するのには必ず理由があります。砂や場所、数といった環境の問題から、ストレスや病気のサインまで原因を整理し、叱らずに直すための具体策と掃除のコツをまとめました。
多頭飼いと先住猫との顔合わせ|段階的な進め方とストレス対策
多頭飼いの相性や適性の見極めから、新入り猫を迎える隔離・においの交換・ケージ越し対面・短時間対面の手順、トイレやフードの数、ストレスサインと対処法までまとめました。
猫の発情期(さかり)の行動と鳴き声|叱っても止まらない理由と飼い主ができる対策
猫の発情期はいつから始まり、どんな行動や鳴き声が出るのか。季節繁殖と室内飼いの通年発情、メスの盛り鳴きやローリング、オスのスプレーや脱走までを整理し、叱っても止まらない理由と、環境調整・脱走防止・避妊去勢手術という対策を落ち着いてまとめました。


