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子猫用ミルクと哺乳グッズの選び方比較|粉と液体・哺乳瓶とシリンジ・保温グッズ

対象の目安: 子猫

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子猫用ミルクと哺乳グッズの選び方比較|粉と液体・哺乳瓶とシリンジ・保温グッズ

まだ目も開いていないような小さな子猫を保護した、あるいは家の猫が産んだ子を人の手で育てることになった。そんなとき、売り場やネットで最初に手が止まるのが「ミルクと哺乳グッズ、どれを買えばいいのか」という問題です。猫用ミルクだけでも粉と液体があり、哺乳器も哺乳瓶・乳首違い・注入器(シリンジ)と種類が分かれます。しかも授乳期の子猫は数時間おきの世話が必要で、じっくり比較検討している余裕がないことがほとんどです。

この記事は、そんな場面のための「モノ選び」に徹した比較記事です。授乳期に必要な道具を保温グッズ・ミルク・哺乳器具の3分類に分け、それぞれ向く場面・選ぶときの軸・注意点・コストの目安を整理しました。あわせて、器具の性能では埋められない部分、つまり週齢別の授乳回数と量、調乳の温度、衛生管理、誤嚥を避ける姿勢についても、メーカー公式や獣医系の資料の記載をそのまま示しながらまとめています。

なお「拾ったその瞬間に何をするか」という行動のハウツーは別記事にまとめてあります。本記事とセットで読むと、動きと道具の両方がそろいます。

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授乳期に必要なモノは「保温」「ミルク」「哺乳器具」の3点セット

まず全体像です。授乳期(おおむね生後0週から4週前後)の子猫を人の手で育てるとき、そろえる道具は大きく3つに分けられます。この3つ(下の表の1〜3)に、記録用の体重計と排泄補助のガーゼ類(下の表の「+」の2つ)を足したものが基本セットです。追加の2つは家にあるもので代用できることが多いため、買いに走る優先度としては1〜3が先になります。

分類役割そろえる優先度費用の目安
1. 保温グッズ体温を保つ。ミルクを与えられる状態にする土台最優先。これがないと授乳を始められない湯たんぽやペットボトルで代用可。ペット用ヒーターは目安1,800〜5,000円前後
2. 猫用ミルク栄養源。母乳の代わり保温の次。粉タイプが主流目安900〜2,800円前後(内容量・銘柄で変動)
3. 哺乳器具ミルクを安全な流量で飲ませるミルクとセット。乳首のスペアも哺乳器本体で目安600〜2,000円前後
+ 体重計(追加)増えているかを毎日確認する早い段階でほしい。1g単位が望ましいキッチンスケールで代用可
+ 排泄補助用品(追加)授乳の前後に排泄を促す家にあるもので足りるガーゼ・コットン・ティッシュ

ペット&ファミリー損保が公開している獣医師監修の解説でも、「子猫を育てるために必要なもの」として、子猫用ミルク・子猫用フード、保温用品、子猫用哺乳瓶、ガーゼの4点が挙げられています。保温用品の説明では湯たんぽやお湯を入れたペットボトルが、哺乳瓶の説明ではスポイトが例に出され、寝床にはダンボール箱がすすめられています。特別な機材が必要というより、正しい種類のものを正しい使い方でそろえられるかどうかが分かれ目になります。

ペットニュースストレージ(ペット&ファミリー損保)の記事「生まれたての子猫の育て方は?」は、獣医師・ペット栄養管理士の森井知里氏の監修です。「子猫を育てるために必要なもの」の項目は、子猫用ミルク・子猫用フード、保温用品、子猫用哺乳瓶、ガーゼの4つの小見出しで構成されており、スポイトや温水を入れたペットボトルは各項目の説明文中で、ダンボール箱は別項の「寝床」の説明で触れられています。保温は「子猫のスペースが38度ぐらいを保てるように温めましょう」、体重は「体重は90〜110gで生まれ、毎日約10g増加」「1日平均10〜15g前後体重が増えていれば、成長は順調」、離乳は生後約21日齢から始まり離乳期間は3〜10週齢、弱っている子猫には「ミルクが濃すぎると消化できないことがあるため、最初は少量から与え」ると記載しています。ペットニュースストレージより。

注意

この記事は道具の選び方をまとめたものです。生後間もない子猫は状態が急変しやすく、飲まない・体温が低い・下痢が続くといった場面では道具の工夫で粘るより、早く動物病院にかかるほうが確実です。判断に迷う症状があるときは、まず動物病院に相談してください。

大前提: 人用の牛乳は使わない

売り場でいちばんやってはいけない選択が、冷蔵庫にある人用の牛乳で代用することです。日本動物医療センターは、子猫のミルクについて「与えるミルクは、必ず市販の猫用ミルクを与えてください。牛乳は下痢の原因となるため、与えてはいけません」と明記しています。

日本動物医療センターの「子猫のミルクのあげ方」は、「与えるミルクは、必ず市販の猫用ミルクを与えてください。牛乳は下痢の原因となるため、与えてはいけません。」と記載しています。授乳量と頻度は生まれたて〜生後1週間が1回約4〜8ccを2〜3時間おき、生後1〜2週間が1回約10ccを4時間おき、生後3週間〜1カ月が1回10〜20ccを6時間おき。ミルクの温度は「人肌かそれより少しあたたかめ(36〜38度程)」、姿勢は「必ず子猫をうつ伏せにして飲ませてください」としています。また「こんな時は急いで病院へ!」として「元気がない、体が冷たい」「嘔吐、下痢」「呼吸が早い」「ミルクを飲まない、体重が増えない」の4項目を挙げています。日本動物医療センターより。

理由は乳糖です。ペットラインの解説は「牛乳には、猫ちゃんが体内で分解しにくい『乳糖(ラクトース)』という成分が多く含まれている」として、猫用ミルクを使うよう案内しています。コーネル大学獣医学部のCornell Feline Health Centerも、猫へのおやつとしての牛乳について「Milk is not generally recommended as a treat for cats, as many cats are lactose-intolerant and can develop gastrointestinal problems if fed dairy products.」(多くの猫は乳糖不耐であり、乳製品を与えると消化器の問題を起こしうるため、牛乳は猫のおやつとして一般には推奨されない)としています。

Cornell Feline Health Center(Cornell University College of Veterinary Medicine)の「Feeding Your Cat」は、「Milk is not generally recommended as a treat for cats, as many cats are lactose-intolerant and can develop gastrointestinal problems if fed dairy products.」と記載しています。あわせて、猫の栄養要求は子猫期・成猫期・妊娠期・授乳期の各ステージで変化するとしています。なお子猫の授乳回数や離乳週齢についての記載は同ページにはありません。Cornell Feline Health Centerより。

不足の問題もあります。VCA Animal Hospitalsの解説は、市販の子猫用ミルク(kitten milk replacer)は牛乳や自家製の混合物より優れているとしたうえで、牛乳はタンパク質・カロリー・脂肪・タウリンが不足し、乳糖が過剰であると説明しています。つまり牛乳は「おなかを壊すかもしれない」だけでなく、そもそも子猫が育つための栄養が足りていません。

VCA Animal Hospitalsの「Feeding Orphaned Kittens」は「Commercial kitten milk replacers are recommended as they are superior to cow's milk and homemade mixtures.」とし、牛乳についてはタンパク質・カロリー・脂肪・タウリンが不足し乳糖が過剰であると説明しています。VCA Animal Hospitalsより。

日本ペットフードの解説も、牛乳は肉食動物である猫に必要な栄養成分がすべて含まれているわけではないうえ、体質によっては悪影響が及ぶ可能性があるとし、乳糖不耐症やアレルギーの猫に牛乳を与えると下痢や嘔吐、アナフィラキシーショックなどの症状を起こすリスクがあるとしています。

日本ペットフードの「猫用ミルクの選び方や与え方とは?」は、牛乳について「肉食動物である猫にとって必要な栄養成分がすべて含まれているわけではないうえ、猫の体質によっては悪影響が及んでしまう可能性もあります」とし、「乳糖不耐症やアレルギーの猫に牛乳を与えると下痢や嘔吐・アナフィラキシーショックなどの症状を起こすリスクがあります。」としています。日本ペットフードより。

メーカー側も、この前提で製品を設計しています。ドギーマンハヤシは、犬猫用の牛乳シリーズについて、製造過程で乳糖を完全に分解した乳糖ゼロ設計としており、その理由として、ペットは離乳後に乳糖を分解する酵素が体内で産出されなくなることを挙げています。「猫用のミルク」として売られている製品は、人用の牛乳とは中身が別物だと考えてください。

ドギーマンハヤシの「ドギーマンの牛乳」のページは、「愛犬・愛猫は離乳後、牛乳や乳製品に含まれる乳糖を分解する酵素が体の中で産出されなくなります。」としたうえで、「製造過程で乳糖を完全に分解し、乳糖ゼロに仕上げました。」と説明しています。ドギーマンハヤシより。

注意

「少しだけなら」「薄めれば」といった発想も避けてください。授乳期の子猫は体が小さく、下痢による脱水がすぐに体力を奪います。ただし、だからといって翌朝まで何も飲ませずに待つのも危険です。哺乳期の子猫は絶食に耐えられません。au損害保険の解説は、子猫は3〜4時間食べないだけでも低血糖が起こりうるとしており、ライフボートも「生後14日頃までは8時間以上ミルクを飲まずにいると低血糖を起こす心配がある」としています。手元に猫用ミルクがなく深夜で売り場が閉まっているときは、まず保温を確保し、そのうえで夜間対応の動物病院に電話で相談してください。動物病院なら子猫用ミルクを扱っていることがあり、その場での対応も相談できます。あわせて24時間営業の店舗に在庫を問い合わせるのも有効です。翌朝まで待つという判断は、電話相談のうえで獣医師がそれで問題ないと判断した場合に限ってください。

買う順番は保温グッズが先。温めてからでないとミルクは飲ませられない

ミルクより先に保温、という順番には理由があります。Today's Veterinary Nurseの解説は「a hypothermic kitten is unable to digest food because the needed enzymes are inactive at below-normal body temperatures.」(低体温の子猫は、必要な酵素が平熱以下では不活性になるため食物を消化できない)と述べています。冷えた体のままミルクを入れても、消化されずに負担になるということです。

Today's Veterinary Nurseの「Feeding Orphaned Kittens From Birth Through Weaning」は「a hypothermic kitten is unable to digest food because the needed enzymes are inactive at below-normal body temperatures.」と記載しています。あわせて、エネルギー要求量について「Newborn kittens require approximately 24 kcal of metabolizable energy (ME) per 100 g of body weight for the first 4 weeks」(生後4週までは体重100gあたり約24kcalのME)としつつ、給与量の項では「At birth, newborn kittens require approximately 15 kcal ME per 100 g of body weight」(出生時は体重100gあたり約15kcal ME)と、最初の6日間は要求量が異なることを示しています。ミルクは母猫の体温にあたる100°F(37.8℃)に温めること、水分要求量は1日あたり体重1kgあたり約155〜230mLであることも記載しています。Today's Veterinary Nurseより。

注意

体が冷えている子猫にいきなりミルクを与えないでください。まず全身をゆっくり温め、体が温まってからミルクを検討します。冷たいままの子猫を急激に高温の熱源に押しつけるのも危険です。タオル越しに、じんわりと温めます。

保温温度の目安は出典によって幅がある

保温の温度については、資料によって示し方が違います。混乱しないよう、それぞれの記載をそのまま並べます。

  • ユニ・チャーム ペット: 生後1〜2週は32〜34℃、生後3週以降は24〜27℃前後を保つ。
  • ペットライン: 大人の猫よりも高めの30℃くらいの温度を保つとよい。
  • ペット&ファミリー損保(獣医師監修): 子猫のスペースが38度ぐらいを保てるように温める。

数字の幅は、測る場所(寝床の中か、部屋全体か)や想定している週齢の違いによるものと考えられます。実務上は「寝床の一部が確実に暖かく、子猫が自分で暖かい場所と涼しい場所を選べる状態」をつくるのが安全側の答えになります。ユニ・チャーム ペットも、親猫の体温(37.5〜38.5℃)以上の高温に長時間接触させると危険なため、子猫が温かい暖房具から逃げられる工夫が必要としています。

ここで読み違えないでほしいのが、上の38度という数字の意味です。ペット&ファミリー損保の記載は「子猫のスペースが38度ぐらいを保てるように温めましょう」という、寝床の空間の温度についての目安であって、ヒーターの設定温度や器具の表面温度、子猫の体が直接触れる面の温度を38度にせよという意味ではありません。触れる面の温度はむしろ抑える側の話で、つだ動物病院はホットカーペットについて「温度は38℃以下が目安」としています。整理すると、空間の温度は週齢に応じて32〜34℃(生後1〜2週)から38度前後までの範囲で寝床の一部を確実に暖かくする、器具の設定や表面温度は38℃を超えないようにする、という二本立てで考えると迷いません。

ユニ・チャーム ペットの「もしも生後間もない子猫を拾ったら」は、保温の目安として生後1〜2週は32〜34℃、生後3週以降は24〜27℃前後を保つとしています。ペットヒーターやカイロは箱の周りや下に敷き、親猫の体温(37.5〜38.5℃)以上の高温に長時間接触させると危険なため「子猫が温かい暖房具から逃げられる工夫」が必要と記載しています。ユニ・チャーム ペットより。

保温グッズを比較する

タイプ向く場面選ぶときの軸注意点コストの目安
湯たんぽ・お湯入りペットボトル保護した直後、電源が近くにない場所、停電時容量と口の密閉性。厚手のタオルで包めるか冷めるのでこまめな交換が要る。熱すぎるお湯は入れない。漏れると濡れて逆に体温を奪う数百円から。ペットボトルなら実質0円
使い捨てカイロ移動中、動物病院へ連れて行くまでのつなぎ貼らないタイプ。サイズ直接触れさせない。密閉すると酸素不足で発熱が落ちることもあり、温度が安定しにくい1個数十円
ペット用ヒーターマット(電気)数週間続く授乳期の常設。夜間も温度を保ちたい場合温度調節や切替機能の有無、防水、コードのかじり対策、洗えるカバー低温やけどに注意。寝床の全面に敷かず必ず逃げ場を残し、表面温度をこまめに確認する目安1,800〜5,000円前後
段ボール+タオル(断熱)すべての場面の土台子猫が動ける広さ、外気が入りにくい構造単体では熱源にならない。密閉しすぎないほぼ0円

熱源そのものより先に、断熱を整えるほうが効果が安定します。段ボール箱にタオルを敷き詰めて外気を遮り、その一部に熱源を置く。この構成なら、熱源が多少弱くても寝床の温度が下がりにくくなります。

注意

低温やけどには具体的な目安があります。つだ動物病院(獣医師解説)は、44℃で3〜4時間触れ続けるとやけどのリスクが高まり、50℃では30分ほど触れ続けるだけでも起こりうるとしています。犬や猫は被毛があるため人以上に熱さを感じにくく、やけどが被毛の下で進行して気づかれにくいとも述べています。器具ごとの対策も分けて示されており、ホットカーペットは「温度は38℃以下が目安」、電気あんかや湯たんぽは直接肌に触れないようカバーや毛布で包む、ペットヒーターは適度に温度が保たれるものを選び4時間以上の連続使用は避ける、という書き分けです。あわせて、部屋の中に別の快適な居場所を用意して逃げ場をつくることをすすめています。

つだ動物病院(横須賀市)の「犬・猫の低温やけど完全ガイド」は、低温やけどの目安として「44℃:3〜4時間触れ続けるとやけどのリスクが高まる」「50℃:30分ほど触れ続けるだけでも発症の可能性あり」としています。犬猫は被毛があるため「飼い主様以上に熱さを感じにくく」やけどが被毛の下で進行して気づかれにくいと説明しています。対策は器具ごとに分かれており、ホットカーペットについて「温度は38℃以下が目安です。」、電気あんか・湯たんぽについて「直接肌に触れないようにカバーや毛布で包む」、ペットヒーターについて「適度に温度が保たれるものを選び、4時間以上の連続使用は避けましょう。」と記載しています。いずれの場合も「『熱い』『嫌だ』と思ったらすぐに逃げられるよう、部屋の中にクッションや毛布など、別の快適な居場所を用意」するようすすめています。やけどが疑われる場合は「15〜20℃程度の流水で10〜15分ほど患部を冷やし、清潔なタオルやガーゼで保護した状態で動物病院を受診」するよう案内しています。つだ動物病院より。

注意

このうち「4時間以上の連続使用は避ける」という助言について、出典は対象の年齢や季節を限定していません。犬猫全般に向けた安全上の目安として書かれているものです。一方で哺乳期の子猫は24時間の保温が必要になるため、この目安をどう適用するかは、子猫の週齢と状態を見たうえで動物病院に相談してください。低温やけどのリスクがもっとも高いのは、熱いと感じても自力で熱源から離れられない生後まもない子猫のほうです。連続使用の時間を短くする方向で相談するのが安全側の考え方になります。

なお、当サイトからの運用上の補足として、温度調節やサーモスタット付きの製品を選ぶ、寝床の全面ではなく一部だけに敷いて子猫が離れられる面を残す、器具の表面温度と子猫の体の温まり方をこまめに手で触って確認する、の3点を挙げておきます。これらは出典に書かれている助言ではなく、逃げ場を残して同じ場所に熱が当たり続けない状態をつくるための一般的な工夫です。連続使用時間の目安を置き換えるものではないため、器具まかせにせず必ず定期的に手で触って確認し、様子が気になるときは早めに動物病院に相談してください。

ペット用ホットカーペット(ヒーターマット)

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ペット用ホットカーペット(ヒーターマット)

価格の目安: 目安1,800〜5,000円前後(サイズ・温度調節機能により変動)

授乳期が数週間続く前提なら、湯たんぽの交換作業から解放される電気式が現実的な選択肢になります。選ぶ軸は、温度の切替ができるか、防水でカバーが洗えるか、コードにかじり対策の被覆があるかの3点です。使い方の注意点として、寝床の全面に敷かず一部だけにして、子猫が熱いと感じたときに離れられる面を必ず残してください。低温やけどを避けるため、直接肌に当てずタオルを1枚挟み、連続使用時間にも気を配る前提で使う道具です。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

ミルクを比較する: 粉タイプと液体タイプ

猫用ミルクは粉と液体に分かれます。どちらが優れているという話ではなく、向く場面が違います。

粉タイプ液体タイプ
調乳の手間お湯を用意して溶かす必要がある。夜中の授乳では手間になる開封してすぐ与えられる
保存性未開封で長期保存に向く。開封後は湿気対策が要る開封後は長期保存できない。要冷蔵の製品が多い
量の調節必要な分だけ作れるため無駄が出にくい1本を使い切れないと余りが出る
コスト相対的に割安粉ミルクに比べて割高
哺乳期への適性哺乳期の代用乳として設計された製品が主流製品による。離乳後向けの「おやつ」として設計されたものがある

日本ペットフードの解説は、粉末タイプについて「必要な分だけ作れるためミルクを無駄にすることが少なく、長期保存に適しているので経済的」としつつ「お湯を用意したり粉末を溶かしたりする必要があり、ミルクを作るのに少々手間や時間がかかります」と説明しています。液体タイプについては「開封してすぐに与えられるため手間や時間がかからずに済みます」が「一度開封すると長期保存ができないことや、粉末ミルクに比べて値段が割高」としています。

粉タイプの開封後の扱いには、製品ごとの指示があります。森乳サンワールド(森永乳業グループ)の「キャットミルク」(270g)は、直射日光を避け、開缶後は室温保存で湿気・虫・ホコリ・髪の毛などが入らないようにフタをきちんと閉めることとし、使用期限については「開缶後はなるべくお早めに1ヶ月を目安にご使用ください」としています。授乳期が終わるころに使い切れるかどうかは、内容量を選ぶときの判断材料になります。同社のラインナップには50g・130g・150g・270gなど複数の容量があるので、頭数と想定期間に合わせて選べます。

森乳サンワールド(森永乳業グループ)の「キャットミルク」(内容量270g)のページは、「厳選された原材料で溶解性を考慮した特殊調製粉乳(総合栄養食)です。」「乳糖を調節しているおなかに優しいミルク」と説明し、調乳濃度を「湯量10mlに対して粉ミルク2gの割合が標準」としています。保存については「直射日光を避け開缶後は室温保存し湿気、虫、ホコリ、髪の毛などが入らないようにフタをきちんと閉めてください」、使用期限については「開缶後はなるべくお早めに1ヶ月を目安にご使用ください」と記載しています。給与量の目安表では、生後1〜5日は体重の目安130gで1日6〜8回、1回分が温湯10ml+粉2g、生後26〜30日は体重の目安390gで1日3〜4回、1回分が温湯40ml+粉8gとされています。森乳サンワールドより。

子猫用ミルク(粉タイプ)

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子猫用ミルク(粉タイプ)

価格の目安: 目安900〜2,800円前後(内容量・銘柄により変動)

哺乳期の子猫に使う代用乳は、まずここから選ぶことになります。見るべきポイントは、パッケージに哺乳期からの対象であることが書かれているか、「総合栄養食」の表示があるか、給与量の目安表(週齢・体重ごとの回数と量)が載っているか、専用の計量スプーンが付属するかです。給与量表があると調乳のたびに迷わずに済みます。容量は、授乳期が数週間で終わることと開封後の使用期限を考えて、頭数に見合ったものを。1頭なら小容量、複数頭なら大容量が使い切りやすい配分です。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

液体ミルクを買う前に確認したいこと

ここが売り場でいちばん間違えやすい部分です。猫用ミルクの棚に並ぶ紙パックの液体製品には、哺乳期の代用乳ではなく、離乳後の猫におやつとして与える設計のものがあります。しかも商品名の付き方はまちまちで、「ミルク」と書かれたものもあれば「牛乳」と書かれたものもあります。判断は商品名の語ではなく、対象の表示(哺乳期からか、離乳後からか)で行ってください。

具体例として、商品名に「ミルク」の語を含まない製品を挙げます。ドギーマン公式オンラインショップの「ねこちゃんの国産牛乳200ml」は、対象が「全猫種/離乳後〜」とされ、給与量の目安は幼猫10〜50ml、成猫50〜100mlで、「目安給与量を参考に1日1〜数回に分け、おやつとして与えてください」と明記されています。乳糖については「製造過程で乳糖を完全分解しました」とされ、保存は開封後要冷蔵です。決定的なのは使用上の注意で、「●離乳前の幼猫には与えないでください。」と、哺乳期への使用がはっきり禁じられています。乳糖の問題はクリアされていても、位置づけは哺乳期の代用乳ではないということです。

ドギーマン公式オンラインショップの「ねこちゃんの国産牛乳200ml」の商品ページは、対象を「全猫種/離乳後〜」とし、給与量の目安を幼猫10〜50ml、成猫50〜100mlとしたうえで「目安給与量を参考に1日1〜数回に分け、おやつとして与えてください」と記載しています。使用上の注意には「●離乳前の幼猫には与えないでください。」と明記されています。乳糖については「おなかにやさしい乳糖ゼロ」「製造過程で乳糖を完全分解しました」、保存については「【開封後要冷蔵】」「開封後は冷蔵し、賞味期限に関わらず早めに与えてください」としています。ドギーマンより。

参考までに、森乳サンワールドの猫用ラインナップを見ると、粉ミルクは複数の製品が並ぶ一方、液体の飲料は「ミネラルゼロのペットの純水」のみで、哺乳期向けの液体代用乳は掲載されていません。国内で入手しやすい哺乳期向けの代用乳は、現状では粉タイプが主流と考えてよさそうです。

森乳サンワールドのキャットアイテム製品一覧は、猫用の粉ミルクとして「プレミアムキャットミルク」「ゴールデンキャットミルク(130g)」「キャットミルク(270g)」「キャットミルクミニ(50g)」「子猫のためのキャットミルク(通販限定150g)」、成猫・シニア向けの「キャットメンテナンスシニアミルク(280g)」を掲載しています。給与器具としては哺乳器のシリコン・丸穴乳首タイプ(スペア付120ml)とイソプレンゴム・細口乳首タイプ、交換用乳首、注入器と注入器用乳首を掲載しています。液体タイプの飲料は「ミネラルゼロのペットの純水」のみで、哺乳期向けの液体代用乳は掲載されていません。森乳サンワールドより。

ヒント

パッケージで確認する順番を決めておくと売り場で迷いません。1つめは対象の表示(「哺乳期」「誕生〜離乳期」なのか、「離乳後」なのか)。2つめは「総合栄養食」の表示があるか。3つめは給与量の目安表があるか。4つめは調乳濃度の指定(湯量に対する粉の量)があるか。この4つがそろっていれば、哺乳期に使う想定で設計された製品と考えやすくなります。

「総合栄養食」の表示を判断軸に使う

売り場での判断軸として実用的なのが、この「総合栄養食」という表示です。ペットラインは、子猫用ミルクの選び方について「子猫はミルクのみで栄養を補給するので、『総合栄養食』のミルクを選ぶようにしましょう。」と明記しています。哺乳期の子猫はそれ以外から栄養を摂れないので、そのミルクだけで必要な栄養がまかなえる設計かどうかが決定的だという理屈です。実際、森乳サンワールドの「キャットミルク」も「厳選された原材料で溶解性を考慮した特殊調製粉乳(総合栄養食)です。」と表示しています。

この表示区分は、ペットフード公正取引協議会が公正競争規約に基づいて定めているものです。同協議会は目的別分類として総合栄養食・間食・療法食・その他の目的食を挙げ、総合栄養食には「その商品が対応する成長段階」と「体重ごとの給与量、給与回数」の表示が必須で、分析試験または給与試験で基準を満たすことの証明が必要としています。一方、間食には給与限度量の表示が求められます。先ほどの液体製品のように「おやつとして与えてください」と書かれているものは、こちらの位置づけです。なお、ミルクや代用乳という語そのものについての記載は同ページにはありません。

ペットフード公正取引協議会「03.ペットフードの目的について|表示の基礎知識」は、公正競争規約に基づく目的別分類として総合栄養食・間食・療法食・その他の目的食を説明しています。総合栄養食は「その商品が対応する成長段階」と「体重ごとの給与量、給与回数」の表示が必須で、分析試験または給与試験で基準達成を証明する必要があるとしています。間食は給与限度量の表示が求められ、療法食は「獣医師の指導に基づいて給与するべきものである旨の注意書き」が必須で病名の記載が可能な唯一のカテゴリーとされます。その他の目的食には「別途栄養補給する必要がある旨」の併記が求められます。なおミルクや代用乳という語自体の言及は同ページにはありません。ペットフード公正取引協議会より。

週齢別の授乳回数と量の目安、そして離乳の時期

道具をそろえたら、次は「どのくらいの頻度で、どのくらいの量を」という話になります。ここも出典によって数字に幅があるので、複数の記載を並べます。ミルクの缶に給与量の目安表が付いている場合は、まずその製品の指示に従うのが基本です。

週齢の目安ペットライン日本動物医療センターペピイ(専門家監修)ライフボート
生後1〜7日1日8〜12回(2〜3時間おき)・1回5〜10cc1回4〜8ccを2〜3時間ごと1回約4〜8ccを2〜3時間おき(1日40〜80ml)1日6〜8回・1回5〜10cc
生後8〜14日1日4〜8回・1回8〜15cc1回10ccを4時間ごと(1〜2週間)1回約8〜12ccを3〜4時間おき(1日60〜80ml、生後1〜3週間)1日4〜8回・1回5〜15cc
生後15〜21日1日4〜6回・量は欲しがるだけ1回10〜20ccを6時間ごと(3週間〜1ヶ月)1回10〜20ccを4〜6時間おき(1日80〜100ml、3週間〜1カ月)1日4〜6回・1回5cc〜欲しがるだけ
生後22〜30日徐々に減らして離乳食へ切り替え生後4週まではミルクのみ、その後徐々に離乳食へ生後20日〜1カ月から離乳食へシフト徐々に減らして離乳食を導入

ペットラインの「子猫へのミルクのあげ方は?」は、日齢別の目安として生後1〜7日は1日8〜12回(2〜3時間おき)で1回5〜10cc、生後8〜14日は1日4〜8回で1回8〜15cc、生後15〜21日は1日4〜6回で量は欲しがるだけ、生後22〜30日は徐々に減らして離乳食へ切り替える、と記載しています。牛乳については「牛乳には、猫ちゃんが体内で分解しにくい『乳糖(ラクトース)』という成分が多く含まれている」ため猫用ミルクを使うとし、ミルクの選び方については「子猫はミルクのみで栄養を補給するので、『総合栄養食』のミルクを選ぶようにしましょう。」としています。姿勢は「必ず腹ばい(うつ伏せ)にした状態でミルクをあげてください」、哺乳瓶をくわえない場合は「シリンジやスポイトで1滴ずつ口に垂らし飲ませてみてください」、体重は「毎日(可能であれば毎回)体重を計り、体重の増減には注意してあげてください」としています。ペットラインより。

NPO法人犬と猫のためのライフボート(千葉県柏市にアニマルシェルターを持つ保護譲渡団体)の「ミルク飲みの子猫の育て方」は、生後1〜7日目は1日6〜8回で1回5〜10cc、生後8〜14日目は1日4〜8回で1回5〜15cc、生後15〜21日目は1日4〜6回で1回5cc〜欲しがるだけ、生後22日〜1ヶ月は徐々に減らして離乳食を導入としています。また「生後14日頃までは8時間以上ミルクを飲まずにいると低血糖を起こす心配がある」と注意を促しています。ミルクの「適温は人肌程度(37〜38℃くらい)」、乳首は「哺乳瓶を逆さまにした時にポタリと一滴落ちるくらいに乳首の穴の大きさを調整」、姿勢は「必ずうつぶせで飲ませ」「仰向けにならないようにだけ気をつけてあげてください」と記載し、「湯たんぽに腹ばいにさせるような体勢で飲ませることをおすすめします」としています。ライフボートより。

英語圏の資料も、間隔についてはおおむね同じ方向を示しています。VCAは「Orphaned kittens should be fed on a strict schedule, every 2-4 hours during the first week of life. After that, the frequency can be reduced to every 4 to 6 hours until weaning.」(生後1週目は2〜4時間おき、その後は離乳まで4〜6時間おきに減らせる)としており、Today's Veterinary Nurseも同じ間隔を示しています。

製品側の給与量表も参考になります。森乳サンワールドの「キャットミルク」の目安は、生後1〜5日で1日6〜8回・1回が温湯10ml+粉2g、生後26〜30日で1日3〜4回・1回が温湯40ml+粉8g。1回量が増えるぶん回数が減っていく、という流れが読み取れます。

離乳の開始時期にも幅がある

離乳の時期についても、資料によって表現が異なります。

  • VCA: 子猫用ミルクは生後3〜4週齢まで唯一の栄養源とし、その時点で離乳の過程を始められる。
  • Today's Veterinary Nurse: 「Weaning typically begins at 3 to 4 weeks of age and is completed by 6 to 9 weeks.」(離乳は通常3〜4週齢で始まり、6〜9週齢で完了する)。
  • ペット&ファミリー損保(獣医師監修): 生後約21日齢から開始し、離乳期間は3〜10週齢。
  • ユニ・チャーム ペット: 生後3週齢で歯が生えたら開始し、最初は1日1回少量から段階的に。
  • ペピイ(専門家監修): 生後20日〜1カ月から離乳食へシフト。
  • 日本動物医療センター: 生後4週まではミルクのみで育て、その後徐々に離乳食へ。

まとめると、おおむね生後3〜4週前後が開始の目安で、完了までにはさらに数週間かかる、という理解になります。森乳サンワールドは、離乳への移行の合図として「子猫に乳歯がはえてきましたら、食器を使用して哺乳するようにしてください」としており、日付より体の変化を見るという考え方を示しています。

ヒント

週齢がはっきりしない保護子猫の場合、日付で判断するより、目が開いているか、乳歯が生えているか、自力で歩けるか、といった体の変化と体重で判断するほうが実用的です。動物病院で診てもらうときに、おおよその週齢の見立ても聞いておくと、その後の授乳計画が立てやすくなります。

調乳と衛生: 温度・濃度・作り置きしない

道具がそろっても、調乳の手順を間違えると意味がありません。ここは各社の記載がかなり具体的なので、順番に整理します。

  1. 1

    製品の指定濃度を確認する

    濃度はメーカー指定に従います。森乳サンワールドは「温湯10mlに対して粉ミルク2gの割合が標準です。」とし、計量については「ワンラック哺乳器1目盛り(10ml)の温湯に対して粉ミルクすり切り1杯(約2g)」としています。付属スプーンがある製品はそれを使うのが確実です。
  2. 2

    お湯の温度に注意して溶かす

    森乳サンワールドは溶かす湯を「約50℃」としています。日本ペットフードは「沸騰直後のお湯にミルクを溶かすと栄養価が下がってしまうため、いったん70度くらいまで冷ましてからミルクと混ぜてください」としています。いずれも沸騰したてのお湯を直接使わない点は共通しています。
  3. 3

    与える温度まで冷ます

    与えるときの温度は、森乳サンワールドが「35〜40℃が適温」、日本ペットフードが「人肌より少し暖かいくらいの温度(40度前後)」、ライフボートが「人肌程度(37〜38℃くらい)」、日本動物医療センターが「36〜38度程」、ペピイが36〜38度程度、VCAが約100°F(38℃)としています。人肌程度、が共通の目安です。
  4. 4

    出方を確認してから口に運ぶ

    森乳サンワールドは、使用前に「乳首を下にして哺乳器を傾け、ボトルを軽く押し、ミルクの出方を確認してください」としています。勢いよく出るようなら穴が大きすぎます。
  5. 5

    飲み終わったら器具を洗って消毒する

    森乳サンワールドは「哺乳器は煮沸するか食器用洗剤等を用いて消毒してください」とし、煮沸時間はボトルとキャップが3分程度、乳首が1分程度としています。VCAも「Bottles and nipples should be cleaned and then boiled in water to sterilize them between uses.」としています。

森乳サンワールド「ミルクの作り方・与え方 キャットミルク〜哺乳編〜」は、調乳濃度を「温湯10mlに対して粉ミルク2gの割合が標準です。」とし、計量については「ワンラック哺乳器1目盛り(10ml)の温湯に対して粉ミルクすり切り1杯(約2g)」としています。溶かす湯は「必要な温湯(約50℃)」、与える温度は「与える時のミルクの温度は35〜40℃が適温です。」。姿勢は「お腹を下にした状態でゆっくり飲ませてください。」。作り置きについては「毎回与える度に1回分を調製し、作りおきはしないでください。」。消毒は「哺乳器は煮沸するか食器用洗剤等を用いて消毒してください。」、乳首は「乳首はその都度破れていない事を確認し、少しでも破れていたら交換してください。」。排泄補助は「お湯で濡らしたティッシュペーパー等を使用してやさしく局部を刺激し、排尿排便を促してください。」。離乳への移行は「子猫に乳歯がはえてきましたら、食器を使用して哺乳するようにしてください。」と記載しています。森乳サンワールドより。

作り置きはしない。飲み残しは捨てる

これは各社が一致して述べている点です。森乳サンワールドは「毎回与える度に1回分を調製し、作りおきはしないでください」、日本ペットフードは「ミルクはその都度作るようにし、作り置きはしないようにしましょう」としています。ペピイの解説も、ミルクは時間の経過とともに劣化するため毎回作りたてを使うとしています。

英語圏の資料はもう少し細かい運用を示しています。VCAは、調乳したミルクは24時間で使い切れる量以上は作らずに冷蔵し、室温に1時間置いたものは捨てるとしています。夜中の授乳が続く状況では作り置きしたくなりますが、細菌が増えれば下痢につながり、下痢は小さな体から急速に水分を奪います。手間でも都度作るのが結果的に安全です。

注意

冷えたミルクにも注意が必要です。ペピイの解説(東京農業大学の内山秀彦教授監修)は「冷えたミルクは、子猫にとっては下痢などのリスクがあるためとても危険」としています。冷蔵したミルクをそのまま与えず、必ず与える温度まで温め直してください。電子レンジでの加熱は温度ムラができやすいため、湯せんのほうが扱いやすい方法です。

ペピイ(PEPPY)の「子猫へのミルクの正しい与え方は?」は東京農業大学の内山秀彦教授監修で、ミルクの適温を36〜38度程度とし「冷えたミルクは、子猫にとっては下痢などのリスクがあるためとても危険」としています。授乳量と回数の目安は、生後1週間が1回約4〜8ccを2〜3時間おき(1日40〜80ml)、生後1〜3週間が1回約8〜12ccを3〜4時間おき(1日60〜80ml)、生後3週間〜1カ月が1回10〜20ccを4〜6時間おき(1日80〜100ml)。姿勢は腹ばいにして与え、仰向けはNGとしています。器具についてはシリンジやスポイトは一気に流入して誤嚥するリスクがあるため哺乳瓶が推奨されるとし、ミルクは時間の経過とともに劣化するため毎回作りたてを使う、卒乳は生後20日〜1カ月から離乳食へシフトし十分に食べられるようになればミルクを卒業とする、としています。ペピイより。

調乳と衛生のチェック

  • 製品パッケージの指定濃度(湯量に対する粉の量)を確認した
  • 沸騰直後のお湯を直接使わず、指定された温度まで冷ましてから溶かしている
  • 与える前に温度を確認している(人肌程度が共通の目安)
  • 1回分ずつ作り、作り置きをしていない
  • 飲み残しは次に回さず処分している
  • 哺乳器と乳首は使うたびに洗い、煮沸などで消毒している
  • 乳首に破れや傷がないか、使うたびに確認している
  • 粉ミルクの缶は開缶後の保存方法と使用期限の指示に従っている

哺乳器具を比較する: 哺乳瓶・乳首・注入器(シリンジ)

ここが器具選びの核心です。哺乳器具は、大きく哺乳瓶(ボトル+乳首)と注入器(シリンジ)・スポイトに分かれ、さらに乳首の形状で選択肢が枝分かれします。

器具向く場面選ぶときの軸注意点コストの目安
哺乳瓶(丸穴の乳首)自分で吸える子。標準的な選択肢目盛りの読みやすさ、乳首の柔らかさ、スペア乳首の入手性穴を広げすぎると流量が速くなり誤嚥のリスクが上がる目安600〜2,000円前後
哺乳瓶(細口タイプの乳首)口が小さい子、体格が小さい子乳首の口径、吸いつきやすさ合わない乳首だと飲まない。数種類試す前提で本体+乳首で目安1,000〜2,000円前後
注入器(シリンジ)・スポイト哺乳瓶をくわえない子、1回量が非常に少ない子目盛りの細かさ、押し子の動きの滑らかさ一気に流入すると誤嚥する。1滴ずつが原則目安数百円から
交換用乳首(スペア)破れや劣化への備え。複数頭の同時進行本体との互換性、2個入りなどの入手性使い回しの前に必ず消毒目安600〜1,700円前後

森乳サンワールドの製品ラインナップを見ると、哺乳器はシリコン製の丸穴乳首タイプ(120ml、スペア付)とイソプレンゴムの細口乳首タイプがあり、交換用の乳首や注入器、注入器用の2つ穴乳首も別売されています。乳首は消耗品なので、スペアが手に入る製品かどうかは実用上の重要な軸です。

乳首の穴は「1滴ずつ」が基準

哺乳器具でもっとも安全に関わるのが、乳首の穴の大きさです。VCAは「The opening in the nipple restricts the outflow of fluid to one drop at a time in order to avoid a flow rate that is too rapid for the kitten. When the flow rate is too rapid, it can lead to aspiration, pneumonia, and/or death.」(乳首の開口部は、子猫にとって速すぎる流量を避けるために1滴ずつに流出を制限する。流量が速すぎると誤嚥、肺炎、あるいは死につながりうる)と述べています。

ライフボートも「哺乳瓶を逆さまにした時にポタリと一滴落ちるくらいに乳首の穴の大きさを調整」するとしています。この「1滴ずつ」が実用的な合格ラインです。

注意

乳首の穴を自分で広げるときは、製品の指示に従い、少しずつ試してください。森乳サンワールドは「乳首先端の丸穴に軽くハサミを入れてください」としています。一度広げた穴は元に戻せません。広げすぎるとミルクが勢いよく流れ込み、誤嚥や誤嚥性肺炎につながる危険があります。切る前に必ず、乳首を下にして傾け、ボトルを軽く押して出方を確認してください。

森乳サンワールドの「哺乳器シリコン・ノーマル乳首(丸穴)」(容量120ml、スペア付)の製品ページは、穴を大きくする方法として「乳首先端の丸穴に軽くハサミを入れてください」、使用前の確認として「乳首を下にして哺乳器を傾け、ボトルを軽く押し、ミルクの出方を確認してください」としています。飲む力の弱い子には「哺乳器のボトルを軽く押しながら飲ませてください。強く押しすぎると出すぎますので注意してください」と記載しています。煮沸消毒はボトルとキャップが3分程度、乳首が1分程度。そのほか乳首による窒息の危険、使用後の清潔管理、乳首の通気孔の詰まり確認、傷のある乳首の交換、乳歯が生えたら食器への移行が必要と記載しています。森乳サンワールドより。

子猫用の哺乳器(哺乳瓶)

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子猫用の哺乳器(哺乳瓶)

価格の目安: 目安600〜2,000円前後(容量・乳首の種類により変動)

哺乳期を通して毎日使う道具なので、目盛りが読みやすいこと、交換用の乳首が単体で買えることを重視して選ぶと後が楽です。乳首は丸穴タイプと細口タイプがあり、口の小さい子には細口が合う場合があります。届いたらまず、ミルクを入れずにお湯で出方を確かめ、傾けて1滴ずつ落ちる状態かを確認してください。乳首は消耗品で、破れたら交換が必要です。夜中に破れて困らないよう、スペアを最初から用意しておくことをおすすめします。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

シリンジ・スポイトの位置づけ

シリンジやスポイトの扱いについては、資料の間で温度差があります。この差は、そのまま「使い方に気をつけるべき道具」であることを示しています。

  • ペピイ(専門家監修): シリンジやスポイトは一気に流入して誤嚥するリスクがあるため、哺乳瓶が推奨される。
  • ライフボート: 5ccに満たないときや自力で吸い付く力が無さそうな時はシリンジやスポイトを使う。
  • ペットライン: 哺乳瓶をくわえない場合は、シリンジやスポイトで1滴ずつ口に垂らし飲ませてみる。
  • 日本ペットフード: 子猫の吸い付く力が弱く哺乳器で飲むのが難しい場合は、シリンジやスポイトを用意しておくとよい。

整理すると、第一選択は哺乳瓶で、シリンジやスポイトは「哺乳瓶が使えないとき」の補助的な手段、そして使うときは1滴ずつ、というのが共通する読み方です。押し子を一気に押して流し込む使い方は、どの資料も想定していません。

注意

吸う力が弱い、まったく飲まない、飲んでもすぐ吐く。こうした状態でシリンジによる強制的な給餌を続けるのは危険です。Today's Veterinary Nurseは、チューブ給餌を衰弱した子猫や口蓋裂の子猫向けの手技として説明し、安全な標準量として体重100gあたり4mLを挙げていますが、これは獣医療の領域の話です。家庭で見よう見まねに行う手技ではありません。飲まない子猫は、それ自体が受診すべきサインだと考えて、動物病院に連絡してください。

なお、弱っている子猫への与え方について、ペット&ファミリー損保の獣医師監修記事は「弱っている子猫はミルクが濃すぎると消化できないことがあるため、最初は少量から与え、様子をみましょう」としています。量も濃さも、いきなり規定どおりに詰め込まないという点は共通しています。

授乳の姿勢: 仰向けにしない

器具の次に大事なのが姿勢です。人の赤ちゃんのように仰向けに抱いて飲ませると、ミルクが気管に入る危険があります。

日本語の資料は一致して「うつぶせ」を指示しています。ペットラインは「必ず腹ばい(うつ伏せ)にした状態でミルクをあげてください」、ライフボートは「必ずうつぶせで飲ませ」「仰向けにならないようにだけ気をつけてあげてください」、森乳サンワールドは「お腹を下にした状態でゆっくり飲ませてください」、日本動物医療センターは子猫をうつ伏せにして飲ませることで誤嚥を防ぐことが重要としています。VCAも「When feeding, hold the kitten in a horizontal, head-neutral position.」(授乳時は子猫を水平で頭が自然な位置になるように保持する)としています。

注意

仰向けでの授乳は避けてください。子猫の口の中に流れ込んだミルクが気管に入ると、誤嚥性肺炎につながる危険があります。授乳中にむせる、鼻からミルクが出る、飲んだあとに呼吸が速い・苦しそうといった様子があれば、いったん中止して動物病院に相談してください。

姿勢づくりの工夫として、ライフボートは「湯たんぽに腹ばいにさせるような体勢で飲ませることをおすすめします」としています。保温と授乳姿勢を同時に満たす、実務的な方法です。膝の上にタオルを敷き、その上に子猫をうつぶせに置いて、頭を無理に上げさせないようにするだけでも形になります。

最初の数日は緊張して、片手で子猫を持って片手で哺乳瓶、という姿勢でやっていました。手が震えて安定しないし、子猫も落ち着かない。三日目に湯たんぽの上にタオルを敷いて、そこに伏せさせた状態で飲ませるようにしたら、こちらも両手が使えて、あの子も落ち着いて吸うようになりました。うつぶせにする、という一行の意味が、やってみて初めてわかった気がします。

授乳後の排泄補助に用意しておくもの

授乳とセットで必要になるのが排泄の補助です。VCAは、子猫はおよそ3週齢までは自力で排泄できないとし、「After feeding, you can stimulate their reflex to eliminate by gently stroking the area between the anus and vulva or penis with a warm, moistened cotton ball or soft cloth.」(授乳後、温かく湿らせたコットンや柔らかい布で肛門と外陰部または陰茎の間の部分をやさしくなでることで、排泄の反射を促すことができる)としています。

日本語の資料も手順はほぼ同じです。森乳サンワールドは「お湯で濡らしたティッシュペーパー等を使用してやさしく局部を刺激し、排尿排便を促してください」、ペットラインは湿らせたティッシュやガーゼで陰部や肛門をやさしくポンポンと刺激し、ミルクを飲ませる前後に促すのがベターとしています。用意するものはガーゼかコットン、あるいはティッシュで、ぬるま湯で湿らせて使うだけです。ペットシーツを下に敷いておくと後片付けが楽になり、便の状態も確認しやすくなります。

ペットラインの「子猫の体重や体調のチェック方法は?」は、生まれたての子猫の「平均体重は100gほど」、生後1ヶ月で「400〜600g程度になります」、生後3ヶ月で約1〜1.5kg、1歳で約3〜5.0kgと記載しています。保温については大人の猫よりも高めの「30℃くらいの温度を保ってあげると良い」とし、母猫の体温は38℃くらいで、これより高い温度に長時間接触すると低温やけどの危険があるとしています。排泄補助については「湿らせたティッシュやガーゼなどを使い、陰部や肛門を優しくポンポンと刺激してあげましょう。ミルクを飲ませる前後に排泄を促してあげるのがベターです。」としています。ペットラインより。

ヒント

排泄物の状態は、体調を知る手がかりになります。便がゆるくなっていないか、色が普段と違わないか、尿がきちんと出ているか。授乳のたびに数秒だけ観察して記録しておくと、動物病院で伝えるときに役立ちます。スマホで写真を残しておくのも実用的です。

体重計: 1日の増加を見るのがいちばん確実なモニタリング

道具の中でいちばん地味なのに、いちばん効くのが体重計です。飲んだ量が足りているかは、飲ませた量の合計より、体重が増えているかどうかで判断するほうが確実だからです。ペットラインは「毎日(可能であれば毎回)体重を計り、体重の増減には注意してあげてください」としています。

1日あたりの増加の目安も、資料によって数字に幅があります。

出典1日あたりの体重増加の目安
VCA Animal Hospitals1日最低7g。生後6か月までは週約100g
ユニ・チャーム ペット1週間平均で1日7〜13g
ペット&ファミリー損保(獣医師監修)1日平均10〜15g前後

体重そのものの推移も目安になります。ペットラインは、生まれたての子猫の平均体重は100gほどで、生後1ヶ月で400〜600g程度になるとしています。ペット&ファミリー損保は出生時90〜110gとしています。

ここで大事なのは、日々の数字が数g前後することより、「増えていく傾向にあるか」です。ユニ・チャーム ペットが1週間平均という見方をしているのも、日単位のばらつきを均すためと考えられます。毎日同じ時間に測る、というのが実務のコツです。

体重の記録でチェックしたいこと

  • 1g単位で測れるスケールを使っている(キッチンスケールでも代用できる)
  • 毎日同じタイミングで測っている(授乳前など、条件をそろえる)
  • 日付・体重・授乳量・排泄の有無をひとまとめに記録している
  • 増えない日が続いていないか、数日単位の傾向で見ている
  • 体重が減っている、または横ばいが続くときは動物病院に相談している

ヒント

記録は紙のノートでもスマホのメモでも構いませんが、動物病院で見せられる形にしておくと診察がスムーズです。日付、時刻、体重、飲んだ量、排尿・排便の有無、気になった様子。この6項目を1行で書ける表を作っておくと、寝不足の頭でも書けます。

受診の目安: グッズで粘らないほうがいい場面

最後に、道具の話から離れます。授乳期の子猫は状態が急に変わるため、「もう少し様子を見よう」が命取りになることがあります。

日本動物医療センターは「こんな時は急いで病院へ!」として、「元気がない、体が冷たい」「嘔吐、下痢」「呼吸が早い」「ミルクを飲まない、体重が増えない」の4つを挙げています。ミルクを飲まないことと体重が増えないことが同じ行に並んでいるのが要点で、飲みっぷりだけでなく体重の推移も受診を決める材料になるということです。au損害保険の解説は、子猫は体力がないうえに体が小さいため下痢が何度も続くと脱水症状の恐れがあること、3〜4時間食べないだけでも低血糖が起こりうることを説明しています。

au損害保険の「子猫がこうなったら動物病院へ行くべき」は、子猫を受診させるべき症状として嘔吐が複数回続く・元気がない・下痢を伴う場合、下痢が繰り返される・血便・食欲不振を伴う場合、くしゃみや鼻水・食欲低下などの猫風邪症状、目やにが多い・充血する場合を挙げています。「子猫は体力がないうえに身体が小さいため、下痢が何度も続くと脱水症状になる恐れもあります」とし、寄生虫やウイルス感染症、低血糖(3〜4時間食べないだけでも起こりうる)、脱水(歯茎の湿り気や皮膚の弾力で確認)に注意が必要としています。au損害保険より。

動物病院に連絡したい場面

  • ミルクを飲まない、吸う力が明らかに弱い
  • 体が冷たい、動きが鈍い、鳴かない
  • 下痢が続く、血が混じる、嘔吐を繰り返す
  • 体重が増えない、あるいは減っている
  • 呼吸が速い、苦しそう、授乳後に鼻からミルクが出た
  • おしっこや便が出ない状態が続いている
  • 週齢が分からず、ミルクと離乳食のどちらを与えるべきか判断できない

注意

これらは道具を買い替えて解決する問題ではありません。乳首の穴を広げる、シリンジで押し込む、ミルクを濃くするといった調整で無理に飲ませようとすると、かえって状態を悪化させることがあります。判断に迷ったら、まず動物病院に電話で相談してください。夜間や休日は、地域の夜間救急に対応している動物病院を事前に調べて連絡先をメモしておくと安心です。

保護した子猫の場合は、健康チェックや先住猫との隔離、その後のワクチンや健康診断のスケジュールも必要になります。それぞれ別記事にまとめてあるので、落ち着いたタイミングで確認してみてください。

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子猫のワクチンと健康診断の基本ガイド、迎えてからの受診の流れ

そろえる順番と予算配分

まとめとして、実際にそろえる順番を整理します。授乳期は数週間で終わるので、費用を過剰にかける必要はありません。

  1. 1

    1日目: 保温を確保する

    段ボール箱とタオルで断熱の土台を作り、湯たんぽかお湯を入れたペットボトルを入れます。この段階では費用はほとんどかかりません。子猫が熱源から離れられる面を残すのを忘れずに。
  2. 2

    1日目: 猫用ミルクと哺乳器を買う

    哺乳期対応で「総合栄養食」表示のある粉ミルクと、哺乳器(スペア乳首付き)を用意します。合わせて目安1,500〜5,000円前後です。深夜でホームセンターやペットショップが閉まっている場合は、まず夜間対応の動物病院に電話で相談し、あわせて24時間営業の店舗に在庫を問い合わせてください。哺乳期の子猫を一晩絶食させるのは避けたい状況です。
  3. 3

    2日目まで: 体重計と記録の準備

    1g単位で測れるスケールを用意します。家にキッチンスケールがあれば新規購入は不要です。記録用のノートかメモアプリも同時に用意します。
  4. 4

    1週間以内: 授乳期が長引く前提の装備

    授乳期が数週間続くと分かった段階で、ペット用ヒーターマットの導入を検討します。湯たんぽの交換作業がなくなるぶん、睡眠時間を確保しやすくなります。目安1,800〜5,000円前後。
  5. 5

    生後3〜4週前後: 離乳の準備

    乳歯が生えてきたら、浅い食器と子猫用の離乳食を用意します。森乳サンワールドは「子猫に乳歯がはえてきましたら、食器を使用して哺乳するようにしてください」としています。ここから先は、離乳後の食事とグッズの話になります。

離乳が済んだあとの生活用品、つまりトイレや爪とぎ、ケージなどのそろえ方は、迎え入れ準備の記事にまとめてあります。授乳期を乗り越えたら、次はそちらが必要になります。

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ヒント

複数頭を同時に育てる場合、哺乳器は頭数分あると衛生的で効率もよくなります。1本を使い回すと、そのつど洗浄と消毒が必要になり、授乳の間隔が空いてしまいます。乳首だけを追加で買って本体は2本、といった折衷案も現実的です。
手元に猫用ミルクがありません。牛乳を薄めて与えてもいいですか。
避けてください。日本動物医療センターは「与えるミルクは、必ず市販の猫用ミルクを与えてください。牛乳は下痢の原因となるため、与えてはいけません」と明記しています。理由は乳糖の多さに加えて、栄養構成の違いです。VCAは、牛乳はタンパク質・カロリー・脂肪・タウリンが不足し乳糖が過剰であるとしており、薄めても不足は解消しません。まず保温を確保したうえで、猫用ミルクの入手を最優先にしてください。深夜などで入手できない場合は、動物病院に電話で相談するのが確実です。
粉ミルクと液体ミルク、哺乳期にはどちらを選べばいいですか。
哺乳期の代用乳としては粉タイプが主流です。森乳サンワールドの猫用ラインナップでも、粉ミルクは複数の製品がある一方、液体は「ミネラルゼロのペットの純水」のみで哺乳期向けの液体代用乳は掲載されていません。猫用ミルクの棚に並ぶ液体製品の中には、離乳後の猫におやつとして与える設計のものがあります。商品名は「ミルク」とは限らず「牛乳」となっているものもあるため、名前ではなく対象の表示で判断してください。たとえばドギーマンの「ねこちゃんの国産牛乳200ml」は対象が「離乳後〜」で「おやつとして与えてください」とされ、使用上の注意にも「離乳前の幼猫には与えないでください」と明記されています。購入前にパッケージの対象表示と「総合栄養食」の表示を必ず確認してください。
乳首の穴はどのくらい広げればいいですか。
ライフボートは「哺乳瓶を逆さまにした時にポタリと一滴落ちるくらいに乳首の穴の大きさを調整」するとしています。VCAも、乳首の開口部は1滴ずつに流出を制限するもので、流量が速すぎると誤嚥や肺炎につながりうると述べています。広げるときは製品の指示に従い、森乳サンワールドの製品であれば「乳首先端の丸穴に軽くハサミを入れてください」とされています。一度広げた穴は戻せないので、少しずつ試し、そのつど傾けて出方を確認してください。
子猫が哺乳瓶をくわえてくれません。シリンジで流し込んでもいいですか。
一気に流し込むのは避けてください。ペピイの解説はシリンジやスポイトについて、一気に流入して誤嚥するリスクがあるため哺乳瓶が推奨されるとしています。一方でペットラインは、哺乳瓶をくわえない場合にシリンジやスポイトで1滴ずつ口に垂らす方法を挙げています。つまり使うとしても1滴ずつが原則です。そもそも飲まないこと自体が受診のサインでもあります。日本動物医療センターは「こんな時は急いで病院へ!」の項目に「ミルクを飲まない、体重が増えない」を挙げていますので、自己判断で押し込む前に動物病院に相談してください。
ミルクを作り置きして冷蔵しておくのはだめですか。
国内メーカーの案内は作り置きをしない方向で一致しています。森乳サンワールドは「毎回与える度に1回分を調製し、作りおきはしないでください」、日本ペットフードは「ミルクはその都度作るようにし、作り置きはしないようにしましょう」としています。VCAは24時間で使い切れる量以上は作らずに冷蔵し、室温に1時間置いたものは捨てるという運用を示していますが、いずれにしても飲み残しを次に回すことは想定されていません。なお冷えたミルクをそのまま与えるのも避けてください。ペピイは冷えたミルクは下痢などのリスクがあるとしています。
保温グッズは電気式と湯たんぽ、どちらがいいですか。
場面によります。保護した直後や停電時、電源が取れない場所では湯たんぽやお湯を入れたペットボトルがすぐ使えて便利です。ただし冷めるためこまめな交換が必要で、授乳期が数週間続くと負担になります。電気式のヒーターマットは温度が安定しますが、低温やけどへの配慮が必要です。つだ動物病院は、ペットヒーターについて適度に温度が保たれるものを選び4時間以上の連続使用は避けること、別の快適な居場所を用意して逃げ場を作ることをすすめています。この助言は対象の年齢や季節を限定したものではありません。哺乳期は24時間の保温が必要になるため、連続使用の時間をどう扱うかは動物病院に相談してください。自力で熱源から離れられない時期の子猫はとくにリスクが高い側です。どちらを使う場合も、寝床の全面を熱源で覆わず、子猫が自分で離れられる面を残してください。

まとめ

授乳期の子猫のためにそろえる道具は、保温グッズ、猫用ミルク、哺乳器具の3つが柱です。買う順番は保温が先で、これは低体温の子猫が消化に必要な酵素を働かせられず、温める前にミルクを与えても消化できないためです。ミルクは人用の牛乳を使わず、必ず猫用のものを選びます。日本動物医療センターは牛乳を下痢の原因として与えてはいけないとし、VCAは栄養面でも牛乳では足りないと説明しています。

ミルクは粉と液体で向く場面が違いますが、哺乳期の代用乳としては粉タイプが主流です。猫用ミルクの棚に並ぶ液体製品には、商品名が「ミルク」でも「牛乳」でも、使用上の注意に「離乳前の幼猫には与えないでください」と明記されたおやつ用のものがあります。商品名ではなく、パッケージの対象表示と「総合栄養食」の表示を確認してから買ってください。調乳は製品の指定濃度に従い、沸騰したてのお湯を直接使わず、人肌程度まで冷ましてから与えます。作り置きはせず、飲み残しは処分し、器具は使うたびに洗って消毒します。

哺乳器具は哺乳瓶が第一選択で、乳首の穴は逆さにして1滴ずつ落ちる程度が基準です。広げすぎると流量が速くなり、誤嚥や誤嚥性肺炎につながる危険があります。シリンジやスポイトは補助的な道具で、使うとしても1滴ずつ。姿勢は必ずうつぶせで、仰向けにはしません。授乳の前後には湿らせたガーゼやコットンで排泄を促します。

そして最後に、いちばん地味な道具である体重計です。飲ませた量の合計より、体重が増えているかどうかのほうが確実な指標になります。毎日同じ時間に測り、数日単位の傾向で見てください。飲まない、体が冷たい、下痢が続く、体重が増えない。こうした場面は道具を工夫して粘るところではなく、動物病院に連絡するタイミングです。小さな命を預かる数週間は大変ですが、そろえるべきものと、任せるべき場面を分けて考えられれば、判断に迷う時間はぐっと減らせます。

出典・参考

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