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猫の防災グッズの選び方比較|キャリー・トイレ・備蓄・迷子対策を4分類で

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猫の防災グッズの選び方比較|キャリー・トイレ・備蓄・迷子対策を4分類で

9月1日は防災の日です。内閣府の資料によると、現行の「防災の日」と「防災週間」は昭和57年5月11日の閣議了解によるもので、防災の日を毎年9月1日とし、この日を含む1週間を防災週間とすると定められています(同じ閣議了解で、昭和35年6月17日閣議了解「『防災の日』の創設について」は廃止されています)。防災週間の期間は昭和58年以降、毎年8月30日から9月5日までと決められています。この時期は防災用品の売り場が充実し、家の備えを見直すきっかけにもなります。猫と暮らしていると、そこで悩むのが「猫のぶんは、何をどう選べばいいのか」です。この記事では、猫の防災グッズを4つの分類に分け、それぞれ「向く場面」「選ぶときの軸」「注意点」で比較していきます。

内閣府 防災情報のページは、昭和57年5月11日の閣議了解として「『防災の日』は、毎年9月1日とし、この日を含む1週間を『防災週間』とする」と記載し、同閣議了解の中で「『防災の日』の創設について」(昭和35年6月17日閣議了解)は廃止するとしています。あわせて昭和58年5月24日の中央防災会議決定により、防災週間の期間は昭和58年以降は毎年8月30日から9月5日までの期間とすることが示されています。内閣府より。

なお、同行避難の考え方や平時の準備、避難所でのマナーといった「行動」のハウツーは別の記事にまとめています。本記事は「どのグッズを、どういう基準で選ぶか」というモノ選びに徹しますので、行動面とあわせて読むと備えが立体的になります。

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まず全体像: 環境省の優先順位で分類を作る

何から買うかを決める前に、公的な枠組みを一度見ておくと迷いが減ります。環境省の「災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」には、ペット用の備蓄品と、持ち出す際の優先順位の例が載っています。

優先順位1として挙げられているのは、療法食・薬、ペットフード・水(少なくとも5日分[できれば7日分以上])、キャリーバッグやケージ(猫や小動物には避難時に欠かせないアイテム)、予備の首輪・リード(伸びないもの)、ペットシーツ、排泄物の処理用具、トイレ用品(猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部)、食器です。優先順位2は飼い主の連絡先やペットの写真、ワクチン接種状況などの「情報」。優先順位3はタオル・ブラシ・ビニール袋・お気に入りのおもちゃ・洗濯ネット(猫の場合は屋外診療・保護の際に有用)・ガムテープなどの「ペット用品」と整理されています。

環境省「災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」は、ペット用の備蓄品と持ち出す際の優先順位の例として、優先順位1に療法食・薬、ペットフード・水(少なくとも5日分[できれば7日分以上])、キャリーバッグやケージ(猫や小動物には避難時に欠かせないアイテム)、予備の首輪・リード(伸びないもの)、ペットシーツ、排泄物の処理用具、トイレ用品(猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部)、食器を挙げています。優先順位2として飼い主の連絡先や緊急連絡先・預け先の情報、ペットの写真、ワクチン接種状況などの情報を、優先順位3としてタオル・ブラシ、ウェットタオルや清浄綿、ビニール袋、匂いがついた用品、洗濯ネットなど(猫の場合は屋外診療・保護の際に有用)、ガムテープやマジックを挙げています。環境省より。

この優先順位を、猫の飼い主が売り場で判断しやすい形に組み替えたのが次の4分類です。ここから先は、この4つを順番に見ていきます。

分類向く場面選ぶときの軸注意点
1. 避難用キャリー徒歩での同行避難、車での移動、避難先での居場所づくり猫が入ってくれるか、耐久性、両手が空くか、上開きの有無、置いたときの安定買っただけでは機能しない。平時から出しっぱなしにして慣らす時間が要る
2. トイレ・猫砂・ペットシーツ避難先や在宅避難で排泄をがまんさせない使い慣れた砂かどうか、水を使わずに処理できるか、におい、収納性銘柄を急に変えるとトイレを使わなくなることがある。少量でも普段の砂を
3. フードと水の備蓄支援物資が届くまでの期間、在宅避難の長期化食べ慣れた製品か、日数、開封後の保存、給水のしやすさ療法食の子はまず主治医に相談。備蓄は期限管理とセットで
4. 迷子・逸走対策避難の途中や避難先でのパニック、在宅中の逸走身元情報が「読み取れる」形か、登録情報が最新か、外れにくさと安全性の両立装着だけでは足りない。マイクロチップは登録情報の更新が必要

注意

先に大事なことをひとつ。防災グッズに「これさえあれば安全」という製品はありません。避難するかどうか、どこへどう避難するかは、その時々の自治体の指示やハザードマップに従うのが大前提です。グッズはあくまで、その判断を実行しやすくするための道具として考えてください。

1. 避難用キャリー: 「壊れにくさ」より先に「入ってくれるか」

環境省のガイドラインでは、キャリーバッグやケージは「猫や小動物には避難時に欠かせないアイテム」として優先順位1に置かれています。また災害発生時の準備例として、猫の場合はキャリーバッグやケージに入れること、キャリーバッグなどの扉が開いて猫が逸走しないようにガムテープなどで固定するとよいことが挙げられています。

環境省のガイドライン<一般飼い主編>は、同行避難する際の準備例として、猫の場合は「キャリーバッグやケージに入れる」「キャリーバッグなどの扉が開いて猫が逸走しないようにガムテープなどで固定するとよい」「避難用品を持って指定緊急避難場所へ向かう」を挙げています。また平常時の対策として、猫は「ケージなどの中に入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく」ことを挙げています。環境省より。

ここで押さえたいのが、スペックより先に来る条件があるという点です。同じガイドラインの平常時の対策には、猫について「ケージなどの中に入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく」と書かれています。つまり、どれだけ頑丈なキャリーでも、その子が入らなければ避難の役に立ちません。選定の第一条件は「平時から部屋に置いておけて、慣らす練習ができる形かどうか」です。

3タイプを軸ごとに比較する

ハードキャリー(プラスチック)リュック型ソフトキャリー(布・2WAY)
耐久性・保護力高い。底面が安定し変形しにくい製品差が大きい。ワイヤーや硬いフィルム入りだと凹みにくい低め。押されると形が変わる
両手が空くか空かない(手提げが基本)空く。荷物を持ちながら運べる肩掛けにすれば両手が空く。ただし体の横で揺れるため手を添える場面はある
上開きの有無上開き・両開きの製品が多い上部が大きく開くタイプがある上開き・前開きの両方がある
避難先での置きやすさ置いたまま居場所にしやすい自立しないものは床置きに一工夫要るつぶれやすく長時間の居場所には不向きなことも
平時の慣らしやすさ上半分を外してベッド代わりにできる製品もある部屋に置いて中で寝てもらう形にしやすい軽くて出し入れが楽。畳んで収納もできる
収納性かさばるふくらみが大きいもっとも省スペース

マイベストの猫用キャリーバッグの検証では、ハードタイプは底面の安定感があり変形しにくい点がメリットとされる一方、飛び出し防止リード付きの商品はなかったとされています。逆にソフトタイプは飛び出し防止リードがあるのはソフトタイプだけとされており、脱走防止の作り込みという点では逆転します。開閉方式については、扉が上部に大きく開くキャリーバッグを選ぶことがすすめられ、上部が大きく開けば抱き上げた猫をそのまま上から入れられると説明されています。

マイベストの猫用キャリーバッグの比較記事は、ソフトタイプについて「飛び出し防止リードがあるのはソフトタイプだけ」、ハードタイプについて「底面の安定感があり変形しにくい点がメリット」だが「飛び出し防止リード付きの商品はなかった」としています。また「扉が上部に大きく開くキャリーバッグを選びましょう。上部が大きく開けば、抱き上げた猫をそのまま上から入れられます」と説明し、扉の大きさは縦30cm以上、大型種は縦35cm以上を目安に挙げています。ロック式ファスナー付きであればファスナーが中から動かせなくなるため脱走を防ぎやすいこと、車ではシートベルトが固定できるものだとズレにくいことも述べています。持ち運びについては「猫を連れて歩きで移動することが多い人は、肩掛けできるソフトタイプの商品を選びましょう。肩掛けができると両手があくため、持ち運びが楽になります」としています。マイベストより。

リュック型については、獣医師監修のマイベストのキャリーリュック比較記事が参考になります。同記事は、表面にワイヤーや硬いフィルムが入ったものを選ぶことで外部からの衝撃時にリュックが凹みにくく猫のスペースを確保しやすいとしたうえで、外出に慣れていない猫には上からスムーズに出し入れできる設計がすすめられると説明しています。また避難用として活用する場合は、両側に拡張できるタイプが理想的だとしています。拡張の形状については、同記事にコメントを寄せているトリマーが、扇型より長方形のほうが猫が立って動けるスペースが多くなる傾向があるとして、個人的にすすめると述べています。こちらは獣医師の見解として示されたものではなく、一人のコメントとしての推奨である点は踏まえて読んでください。

マイベストの猫用キャリーリュックの比較記事(獣医師監修)は、表面にワイヤーや硬いフィルムが入ったものを選ぶことで「外部からの衝撃時にリュックが凹みにくく、猫のスペースを確保しやすい」としています。また外出に慣れていない猫には上からスムーズに出し入れできる設計がすすめられること、リュック底面が腰に食い込まない設計や幅広の肩紐が負担軽減につながること、避難用として活用する場合は両側に拡張できるタイプが理想的であることを述べています。拡張の形状については、同記事にコメントを寄せているトリマー/ドッグトレーナーの大谷幸代氏が「拡張する形状は扇型より長方形の方が猫が立って動けるスペースが多くなる傾向があるので、個人的にはおすすめですよ」と述べています。マイベストより。

迷ったときの決め方

  • 徒歩での避難距離が長い、集合住宅の高層階に住んでいる: 重さを背中で受けられて両手も空くリュック型を軸に、硬さのある構造のものを。
  • 車での避難が中心、避難先でそのまま居場所にしたい: ハードキャリーが扱いやすい。シートベルトで固定できると走行中にズレにくくなります。
  • 通院にも兼用したい、収納場所が限られる: ソフトキャリーの2WAY。ただし押しつぶれに弱い点は割り切りが要ります。
  • 多頭飼いで頭数分そろえたい: 収納性とコストの兼ね合いで、ハードとソフトを組み合わせる形も現実的です。

ヒント

洗濯ネットは環境省の備蓄リスト(優先順位3)にも「猫の場合は屋外診療・保護の際に有用」として挙げられています。パニックになった猫をネットに入れてからキャリーに入れると、扉を開けた瞬間の飛び出しを抑えやすくなります。1枚数百円で場所も取らないので、キャリーの中に畳んで入れておくと使い忘れがありません。

キャリーそのものの詳しい比較は別記事にまとめています。サイズの測り方や車内固定、慣らし方の手順まで見たい方はこちらもどうぞ。

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猫のキャリーバッグ(キャリーケース)の選び方|ハード・ソフト・リュックを中立比較

ペット用キャリーリュック

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ペット用キャリーリュック

価格の目安: 目安4,000〜12,000円前後(構造・サイズにより変動)

徒歩避難を想定するなら第一候補になるタイプ。選ぶときは、上部が大きく開くか、表面に硬さがあって凹みにくいか、肩紐が幅広で背中に荷重が分散するかを見てください。避難用としては両側に拡張できるタイプだと、避難先で猫が過ごせるスペースを確保しやすくなります。届いたら部屋に出しっぱなしにして、中で寝てくれるようになるまで慣らす時間を取るのが前提です。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

2. トイレ・猫砂・ペットシーツ: 「使い慣れた砂」が最大の防災用品

猫の防災で見落とされやすいのがトイレです。環境省のガイドラインの備蓄リストには、トイレ用品として「猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部」と明記されています。銘柄や素材が急に変わると使わなくなってしまう子がいるため、避難先で排泄をがまんさせないための現実的な備えということです。

選択肢は大きく3つあります。

  • 折りたたみ式・使い捨ての簡易トイレ本体: 軽くてかさばらず、持ち出し袋に入れやすいのが利点。安定感は本トイレに劣ります。
  • ペットシーツ(厚型)+ 浅い容器: 猫砂を使わない構成。においは砂に劣りますが、水を使わず、汚れたら包んで捨てられます。人用の簡易トイレの吸収材としても転用できます。
  • 段ボールなどでの現地調達: 何も持ち出せなかったときの最後の手段。ゴミ袋と新聞紙があれば形になります。

アニコム損保のどうぶつ防災図鑑では、段ボール箱を使った手作りトイレが紹介されています。段ボール箱の側面をカッターで猫が乗り越えられる高さに切り、ゴミ袋で箱全体を覆い、新聞紙を箱の床面に合わせて折り込んだうえで、幅1cmから2cmほどに裂いた新聞紙をたっぷり入れるという手順です。使ったあとは段ボールからゴミ袋を外してそのまま捨てられると説明されています。

  1. 1

    箱を用意して高さを調整する

    猫の体長のおよそ1.5倍を目安にした段ボール箱を用意し、側面を猫が乗り越えられる高さに切ります。
  2. 2

    ゴミ袋で覆う

    箱全体をゴミ袋で覆います。処理のときに袋ごと外せる形にしておくのがポイントです。
  3. 3

    新聞紙を敷き詰める

    床面に合わせて新聞紙を折り込み、その上に幅1cmから2cmほどに裂いた新聞紙をたっぷり入れます。
  4. 4

    においの記憶を足す

    普段の猫砂を少し混ぜておくと、慣れた場所として認識してもらいやすくなります。使用済みの砂を少量入れる方法も同じ考え方です。

アニコム損保「どうぶつ防災図鑑」は、災害時に役立つ猫のトイレとして段ボール箱を使った手作りトイレを紹介しています。用意するものは段ボール箱(猫の体長の1.5倍が目安)、新聞紙3枚程度、ゴミ袋、カッター、あればテープとペン。段ボール箱の側面を猫が乗り越えられる高さに切り、ゴミ袋で箱全体を覆い、新聞紙を箱の床面に合わせて折り込み、幅1cmから2cmに裂いた新聞紙をたっぷり入れる手順で、使用後は段ボールからゴミ袋を外してそのまま捨てられるとしています。普段の猫砂を少し入れておくのもよいこと、普段使えないもの・できないことは災害時にできるはずがないことも述べています。アニコム損保より。

選ぶときの軸

見るポイント
使い慣れているか銘柄を変えないのが基本。備蓄用に別の砂を買うなら、平時に一度使って様子を見てから
水を使わずに処理できるか断水を前提に。固まる砂かどうか、袋ごと捨てられる構成かどうか
におい対策密閉できる防臭袋があると避難先で周囲への配慮になる。無香料が基本
収納性・重さ猫砂は重い。持ち出し袋には小分けの少量、残りは在宅避難用として自宅に置く二段構えが現実的
転用のしやすさペットシーツは排泄以外にも使える。空飛ぶ捜索医療団ARROWSの記事でも、ペットシーツは人用の簡易トイレとしても機能する役立ちアイテムとして紹介されています

空飛ぶ捜索医療団ARROWSは、ペットシーツを「排泄以外にも使える役立ちアイテム」として紹介し、人用の簡易トイレとしても機能するとしています。また備蓄について、フード(治療食含む)と薬は可能であれば1か月程度用意しておくと安心で、その他のペット用品は1週間程度が目安であること、ローリングストックは食料品や薬を多めに手元に置き日常生活で消費しながら減った分を買い足す方法であることを説明しています。ARROWSより。

注意

猫砂を持ち出し袋に大量に入れると、袋が重くなって結局持ち出せません。持ち出す分は数回ぶんの少量にとどめ、まとまった量は在宅避難用として自宅の安全な場所に保管する、という分け方が現実的です。避難所ではにおいへの配慮が必要になるため、防臭袋やビニール袋も忘れずに。

ペットシーツ(厚型)

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ペットシーツ(厚型)

価格の目安: 目安1,300〜5,000円前後(枚数・サイズにより変動)

断水を前提にした排泄処理の要になる一品。厚型は吸収量に余裕があり、交換の回数を減らせます。簡易トイレの底に敷く、キャリーの底に敷く、人用の簡易トイレの吸収材として使うなど、転用先が多いのも防災向きの理由です。使う予定がなくても日常のトイレ掃除やキャリー移動で消費できるので、ローリングストックに組み込みやすい部類に入ります。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

3. フードと水の備蓄: 日数は出典の記載どおりに押さえる

備蓄の日数は情報源によって表現が違います。混乱しないよう、それぞれの記載をそのまま並べます。

  • 環境省のガイドライン: ペットフード、水は「少なくとも5日分[できれば7日分以上]」。
  • 神奈川県のペットの災害対策: 普段から食べ慣れているペットフードや水を7日以上準備しておくことが望ましい。療法食を与えている場合はさらに多くの準備が必要。
  • 空飛ぶ捜索医療団ARROWS: フード(治療食含む)と薬は可能であれば1か月程度用意しておくと安心。その他のペット用品は1週間程度。

神奈川県のペットの災害対策のページは、「普段から食べ慣れているペットフードや水を7日以上準備しておくことが望ましい」とし、療法食を与えている場合はさらに多くの準備が必要としています。あわせて、避難所に着いてもペットはケージ等の中で生活することが多くなるため日頃からケージに慣れさせておくこと、首輪や迷子札の装着とマイクロチップの装着・登録、避難所のルールはそれぞれ異なるため事前に地域の避難所の情報を確認しておくこと、ペットと一緒に写っている写真(飼い主の特定に役立つ)を準備することを挙げています。神奈川県より。

最低ラインは環境省の5日分、目標は7日分以上、余裕があればフードと薬はさらに厚く。この三段構えで考えると、どの記載とも矛盾せずに整理できます。

水はどのくらい用意すればいいか

猫の飲み水の量は体格で変わります。アニコム損保の解説では、健康な猫が1日に必要とする水分量の目安は一般的に体重1kgあたり40mLから60mLとされ、4kgの健康な成猫では1日に必要な水分量は160mLから240mLが目安と説明されています。ただしこれは食事に含まれる水分量によって変動し、ウェットフード中心の猫は食事からかなりの水分を摂れるため飲水量が少なくても問題ないとされています。

アニコム損保「猫との暮らし大百科」は、健康な猫が1日に必要とする水分量の目安は一般的に体重1kgあたり40mLから60mLとされ、4kgの健康な成猫の場合は1日に必要な水分量が160mLから240mLが目安としています。また、この必要量は食事に含まれる水分量によって変動し、ドライフード中心の猫は十分な飲水が必要である一方、ウェットフード中心の猫は食事から水分を摂れるため飲水量が少なくても問題ないと説明しています。アニコム損保より。

この目安をもとにすると、4kgの猫がドライフード中心の場合、飲み水だけで7日分をまかなうにはおおむね1.1Lから1.7L程度が計算上の目安になります。実際には食器を洗う水や、こぼす分もあるため、余裕をみて2L前後を猫用として確保しておくと安心です。人用の備蓄水と分けておくと、いざというときに「猫のぶんがない」という事態を避けられます。

ヒント

ウェットフードは水分補給を兼ねられるため、防災備蓄としては相性のよい形です。パウチや小型缶なら1食ずつ使い切れて、開封後の保存に悩まずに済みます。ふだんからドライとウェットの両方に慣らしておくと、非常時に食べられるものの幅が広がります。

ローリングストックと開封後の保存

備蓄で一番多い失敗は、買ったまま期限を切らすことです。ARROWSの説明にあるとおり、ローリングストックは食料品や薬を多めに手元に置き、日常生活で消費しながら減った分を買い足す方法です。ふだん食べているフードを1袋多めに買い、古いほうから開けていくだけで成立します。

開封後の保存にも注意が必要です。アース・ペットの解説では、チャック付きの袋に入れて密封しなるべく空気に触れないようにするのが有効とされ、高温多湿は避けて直射日光の当たらない冷暗所での保管がすすめられています。冷蔵庫は結露によりカビが発生する可能性があるため非推奨とされ、ウェットフードは食べきれなかった場合はすぐに食品用ラップなどできっちりと包み、冷蔵庫で保管して2日以内には食べきるのが理想と説明されています。

アース・ペットは、ペットフードの保存について「チャック付きの袋に入れて密封し、なるべく空気に触れないようにするのも有効です」とし、高温多湿を避けた冷暗所での保管をすすめています。冷蔵庫は結露によりカビが発生する可能性があるため推奨せず、梅雨時から夏期にかけては虫の発生リスクが高まるとしています。ウェットフードについては「食べきれなかった場合はすぐに食品用ラップなどできっちりと包みましょう。冷蔵庫で保管をして2日以内には食べきるのが理想です」と述べています。アース・ペットより。

注意

療法食を食べている猫の備蓄量や代替品については、自己判断で決めずにかかりつけの動物病院に相談してください。神奈川県の解説でも、療法食を与えている場合はさらに多くの準備が必要とされています。持病の薬も同様で、どのくらい前もって処方してもらえるかは病院や薬によって異なります。防災の日をきっかけに、次の受診時に一度聞いてみるとよいでしょう。

フードと水の備蓄チェック

  • ふだん食べているフードを、少なくとも5日分、できれば7日分以上ストックしている
  • 古いほうから消費して買い足すローリングストックの流れができている
  • ウェットフードも数食ぶん入れて、水分補給の手段を二重にしている
  • 飲み水を猫用として別枠で確保している(4kgの猫なら2L前後が一つの目安)
  • 開封後のドライフードは密閉して冷暗所へ。冷蔵庫は結露に注意
  • 療法食・持病の薬について、備蓄量をかかりつけの動物病院に相談した
  • 食器(フード用・水用)を持ち出し袋に入れた。折りたためるタイプだと収納しやすい
  • 半年に一度、期限と量を見直す日を決めている

4. 迷子・逸走対策: 装着だけでは完成しない

災害時は、大きな揺れや物音でパニックになった猫が逃げ出すことがあります。ここで効くのが、身元を示すグッズです。環境省のガイドラインでは、猫が行方不明にならないための対策として、首輪と迷子札、そしてマイクロチップが挙げられています。首輪については「猫の首輪はひっかかりを防止するために、力が加わると外れるタイプがよいと言われるが、これを利用する場合はマイクロチップの装着を強く推奨する」と記されています。

環境省のガイドライン<一般飼い主編>は、ペットが行方不明にならないための対策として鑑札、迷子札、マイクロチップなどによる所有者明示を挙げ、猫の場合は「首輪と迷子札(猫の首輪はひっかかりを防止するために、力が加わると外れるタイプがよいと言われるが、これを利用する場合はマイクロチップの装着を強く推奨する)」「マイクロチップ」を示しています。また平常時の対策として、猫は「できる限り室内で飼養する(放し飼いだと災害時に行方不明になることが多い)」ことも挙げています。環境省より。

セーフティタイプの首輪は、引っかかったときに外れて猫を守る一方で、外れてしまえば迷子札も一緒に失われます。だからこそマイクロチップとの併用が推奨されているわけです。

マイクロチップは「入れたら終わり」ではない

もっとも抜けやすいのが登録情報の更新です。環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録について」では、登録事項の変更届について手数料はかからないと案内されています。申請や届出は「犬と猫のマイクロチップ情報登録」のウェブサイトやコールセンターで行えます。引っ越しや電話番号の変更をしたのに届出をしていないと、保護されてチップを読み取ってもらっても連絡がつきません。防災の日は、この確認にちょうどよいタイミングです。

環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録について」は、令和4年6月1日からブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫についてマイクロチップの装着が義務化されていること、登録事項の変更届には手数料がかからないことを案内しています。申請・届出は「犬と猫のマイクロチップ情報登録」ウェブサイトまたはコールセンターで行うとされています。環境省より。

4層で重ねる

手段役割選ぶときの軸弱点
マイクロチップ確実な身元確認。外れる心配がない装着は動物病院で。装着後の登録と、その後の変更届が必須専用リーダーがないと読めない。登録情報が古いと機能しない
首輪+迷子札発見者がその場で連絡できる力が加わると外れるセーフティ構造。文字が読みやすく消えにくい素材外れると失われる。重すぎると猫の負担に
ハーネス+リード避難の移動中やキャリーから出すときの保険抜けにくいフィット感。伸びないリード(環境省の備蓄リストにも「伸びないもの」と記載)慣らしていないと着けること自体が難しい
情報カード(キャリーに貼る)飼い主・預け先・健康情報を第三者に伝える濡れても消えない筆記具。ラミネートや養生テープで固定個人情報の書きすぎに注意。連絡先は必要最小限に

キャリーに貼る情報カードは、市販品というより手作りで十分です。猫の名前、飼い主名、携帯番号、緊急連絡先(遠方の家族など)、持病や投薬の有無、かかりつけ動物病院を書いておくと、はぐれた場合や預けることになった場合に役立ちます。環境省の備蓄リストでも、優先順位2として飼い主の連絡先とペットに関した飼い主以外の緊急連絡先・預け先などの情報、ペットの写真、ワクチン接種状況や既往症などの情報が挙げられています。写真は印刷物とともに携帯電話などに画像を保存することも有効とされています。

ヒント

写真は「猫と飼い主が一緒に写っているもの」を用意しておくと、飼い主の特定に役立つとされています。神奈川県の解説でもこの点が挙げられています。全身が写り、柄の特徴が分かるカットを1枚追加しておくと、探すためのチラシを作るときにも使えます。スマホの中だけでなく印刷したものも持ち出し袋に入れておきましょう。

見つけるための道具まで含めた比較は、別記事で詳しくまとめています。

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猫用GPSトラッカー・迷子札の選び方比較|脱走・迷子に備える「見つける道具」を中立解説

買う前に確かめておきたいこと

グッズをそろえる作業は、つい「買ったら安心」で終わりがちです。最後に、購入と同じくらい大事な確認事項を挙げておきます。

まず、避難所がペットを受け入れてくれるかどうかは自治体によって異なります。神奈川県の解説でも、避難所のルールはそれぞれ異なるため、事前に住んでいる地域の避難所の情報を確認しておくことが必要とされ、ペットの受け入れができない場合は預け先の確保が必要と説明されています。環境省のガイドラインでも、平常時の対策として、指定避難所などでの飼養以外にも親戚や友人など複数の一時預け先を探しておくことが望ましいとされています。

そして、事情によりペットと一緒に避難できない事態も想定されています。環境省のガイドラインは、避難訓練でのチェックポイントとして「事情により避難所(建物内外とも)へのペットの同行が不可能になった場合の避難先や預け先の想定」を挙げ、家族や地域住民との連携の項目には「留守中の対処方法と協力体制(ペットだけが自宅にいた場合にどうするか)」が含まれています。避難中の飼養環境についても、避難所での飼養、自宅で飼養する、車の中で飼養する、知人や施設などに預けるという複数の形が並記されています。どれが正解ということではなく、状況と自治体の指示によって選ぶものだと理解しておくと、いざというときに動きやすくなります。

環境省のガイドライン<一般飼い主編>は、平常時の対策として「指定避難所などでの飼養以外にも、親戚や友人など、複数の一時預け先を探しておくことが望ましい」とし、家族や地域での話し合いの項目に「留守中の対処方法と協力体制(ペットだけが自宅にいた場合にどうするか)」を挙げています。避難訓練でのチェックポイントには「事情により避難所(建物内外とも)へのペットの同行が不可能になった場合の避難先や預け先の想定」が含まれます。災害発生時の避難中の飼養環境として、避難所での飼養、自宅で飼養する、車の中で飼養する、知人や施設などに預ける、の各項目が示され、車中では「ペットだけを車中に残すときは、車内の温度に常に注意し、十分な飲み水を用意しておく」「長時間、車を離れる場合には、ペットを安全な飼養場所に移動させる」とされています。環境省より。

注意

車内でペットだけを待たせる方法は、環境省のガイドラインでも車内の温度に常に注意し十分な飲み水を用意すること、長時間車を離れる場合は安全な飼養場所に移動させることが求められています。とくに夏場の車内は短時間で高温になり、猫にとって命に関わります。防災グッズの有無にかかわらず、この点は必ず守ってください。
一昨年の防災の日に一式そろえたつもりだったのですが、去年の防災週間に点検したら猫砂の袋が持ち出し袋の半分を占めていて、実際には背負えないことに気づきました。今は持ち出し袋には数回ぶんの砂と防臭袋だけにして、まとまった量は玄関の収納に。フードもふだんの銘柄を1袋多く買って、古いほうから開ける形に変えました。買い足したのではなく置き方を変えただけですが、こちらのほうがずっと現実的です。

持ち出し袋にまとめて、年に1回は見直す

そろえたグッズは、ばらばらに置いておくと結局持ち出せません。最後に、まとめ方と見直しの手順を整理します。

  1. 1

    キャリーと持ち出し袋をセットで玄関近くに置く

    キャリーは平時から出しっぱなしにして、猫の昼寝場所にしておきます。その横に持ち出し袋を置けば、動線が一本になります。
  2. 2

    優先順位1のものを袋の取り出しやすい位置に入れる

    薬・療法食、フードと水、トイレ用品、予備の首輪と伸びないリード、食器。使う頻度が高いものほど上に。
  3. 3

    情報を紙とデータの両方で持つ

    飼い主の連絡先、緊急連絡先や預け先、ワクチン接種状況や既往症、かかりつけの動物病院。猫と一緒に写った写真も印刷とスマホの両方に。
  4. 4

    実際に背負って歩いてみる

    重さを体感すると、削るべきものが分かります。猫を入れたキャリーを持って玄関を出るところまでやってみると、平時の慣らしにもなります。
  5. 5

    年に1回、防災の日に点検する

    フードと水の期限、猫砂の量、写真の更新、マイクロチップの登録情報。ここを毎年同じ日に固定すると続きます。

ペット用防災セット(持ち出し袋)

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ペット用防災セット(持ち出し袋)

価格の目安: 目安3,000〜15,000円前後(セット内容により変動)

防災用品をひとまとめにした市販セット。必要な品目の目安が分かる一方、中身が自分の猫に合っているとは限りません。買ったらまず中身を全部出し、使い慣れたフードと猫砂、療法食や薬、情報カードや写真に入れ替える前提で考えてください。選ぶ軸は、バッグを背負ったときの負担が少ないか、雨に強い素材か、仕切りが多くて優先順位1のものを取り出しやすいかの3点です。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

防災グッズは何から買えばいいですか。
環境省のガイドラインの優先順位に沿うなら、まず療法食や薬、次にフードと水(少なくとも5日分、できれば7日分以上)、そしてキャリーバッグやケージ、トイレ用品です。ただしキャリーは買ってすぐ使えるものではなく、猫が入るまで慣らす時間が要ります。買う順番としては後でも、慣らし始めるのは今日からがおすすめです。
備蓄は5日分と7日分、どちらが正しいのですか。
出典によって記載が異なります。環境省のガイドラインは『少なくとも5日分[できれば7日分以上]』、神奈川県は『7日以上準備しておくことが望ましい』、空飛ぶ捜索医療団ARROWSはフードと薬について『可能であれば1か月程度』としています。最低ラインを5日、目標を7日以上、フードと薬はさらに厚めに、と三段構えで考えると整理しやすくなります。
猫砂は普段と違うものを備蓄用に買っておいてもいいですか。
環境省の備蓄リストには、トイレ用品として『猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部』と書かれています。慣れない砂だと使ってくれないことがあるため、備蓄も普段と同じものが基本です。どうしても軽い砂に替えたい場合は、平時に少しずつ混ぜて試し、問題なく使えることを確かめてから備蓄に回してください。
マイクロチップを入れているので、首輪と迷子札は要りませんか。
環境省のガイドラインでは、猫の所有者明示として首輪と迷子札、マイクロチップの両方が挙げられています。マイクロチップは外れる心配がない一方、読み取りには専用リーダーが必要です。迷子札は発見者がその場で連絡できる手段になるため、併用が基本と考えるとよいでしょう。あわせて、マイクロチップの登録情報が最新かどうかも確認しておいてください。登録事項の変更届に手数料はかからないと案内されています。
防災セットを買えば一通りそろいますか。
セット品は品目の目安を知るには便利ですが、猫の防災でいちばん大事な『使い慣れたフード』『使い慣れた猫砂』『その子の療法食や薬』は、セットの中身では代替できません。買った場合も中身を入れ替える前提で考えてください。また、避難の可否や方法は自治体の指示によります。グッズをそろえることと、避難先や預け先を確認しておくことは別の作業です。

まとめ

猫の防災グッズは、避難用キャリー、トイレ・猫砂、フードと水の備蓄、迷子・逸走対策の4分類に分けると、必要なものと足りないものが見えやすくなります。キャリーは頑丈さより先に「その子が入ってくれるか」を条件にし、平時から部屋に置いて慣らす時間を確保すること。トイレは使い慣れた猫砂を少量でも持ち出し、水を使わない処理とにおい対策を組み合わせること。フードと水は環境省の記載どおり少なくとも5日分、できれば7日分以上を目安に、ローリングストックで期限を切らさないこと。迷子対策はマイクロチップの登録情報を更新したうえで、首輪と迷子札、写真、情報カードを重ねること。そして、どれだけそろえても「これさえあれば安全」にはなりません。避難所の受け入れ状況と預け先を平時に調べておくこと、避難の判断は自治体の指示に従うこと。この二つが、道具と同じくらい大切な備えです。防災の日を、買い足す日ではなく点検する日にしてみてください。

出典・参考

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