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猫がゴロゴロ喉を鳴らす理由|甘え・要求・自己鎮静と注意したい病気のサイン

対象の目安: 全ライフステージ

ミオ食事・健康担当
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猫がゴロゴロ喉を鳴らす理由|甘え・要求・自己鎮静と注意したい病気のサイン

膝の上でゴロゴロと喉を鳴らす愛猫の音は、聞いているだけで心がほどけますね。多くの人が「幸せのサイン」と受け止めていますが、実はゴロゴロにはいくつもの意味があり、ときには不調を和らげようとしているときにも鳴らします。この記事では、ゴロゴロが表す複数の気持ちと、音が鳴る仕組みがまだ完全には解明されていないこと、そして「ゴロゴロだから安心」と流さずに知っておきたい病気のサインを、落ち着いて整理します。気になる様子があるときは、自己判断せず動物病院に相談してください。

ゴロゴロが鳴る仕組みは、まだ完全には解明されていない

意外に思われるかもしれませんが、猫がどうやってゴロゴロという音を出しているのか、その仕組みはいまだにはっきりとは解明されていません。特別な声帯があるという説、血流の音が横隔膜で増幅されているという説、喉の振動によって起こるという説など、複数の見方が提示されている段階です。

近年の研究では、ゴロゴロ音は普通の鳴き声とは周波数が異なり、鳴き声をつくる声帯とは別の部位で鳴っているのではないかと考えられています。また、息を吐くときだけでなく吸うときにも音が続くのがゴロゴロの特徴で、これが「にゃー」という鳴き声との大きな違いです。喉頭まわりの筋肉が呼吸に合わせてリズミカルに動くことで低い連続音が生まれる、という見方が有力とされています。

猫がゴロゴロと音を出す理由はいまだはっきりとは解明されておらず、ゴロゴロ音は鳴き声とは周波数が異なり、鳴き声をつくる声帯とは別の部位で鳴っているのではないか、また空気を吸いながら発生する、と解説されています。出典:ねこのきもちWEB MAGAZINE

つまり「ゴロゴロの正体はこれ」と言い切れる段階ではなく、あくまで有力な仮説として理解しておくのが正確です。仕組みが完全にはわかっていないぶん、意味も一つに決めつけず、そのときの状況や音のトーンと合わせて読み取ることが大切になります。

甘え・リラックスのゴロゴロ

もっともなじみ深いのが、機嫌がよくリラックスしているときのゴロゴロです。なでられているときや、飼い主の膝の上でくつろいでいるときによく聞かれます。このときの音は、少しこもった低音楽器のような中低音であることが多いとされます。

機嫌がよいときのゴロゴロは少しこもった低音楽器のような中低音で、リラックスしているときのサインだと説明されています。出典:ペットライン

体を横に崩したり、半目でうっとりした表情を浮かべたりしながらのゴロゴロは、安心しきっている合図と受け取ってよいでしょう。しっぽや耳、目など全身のしぐさと合わせて読み取ると、より気持ちが見えてきます。ゴロゴロ以外のサインの読み方は、

も参考にしてください。

母子のコミュニケーションと「要求」のゴロゴロ

ゴロゴロは、生まれてすぐの時期から始まるコミュニケーション手段でもあります。目がまだ見えない子猫に対して、母猫はゴロゴロ音で振動を起こし、自分が近くにいることを伝えているのではないかと考えられています。子猫の側も授乳のときなどにゴロゴロと鳴らし、母子はこの低い振動でつながっていると見られています。

この母子のやりとりの名残なのか、成猫になってからも何かを伝えたいときにゴロゴロを使うことがあります。ごはんの前や遊んでほしいときなど、要求があるときのゴロゴロは、リラックス時よりも少し高い音になることがあると指摘されています。

リラックスしているときのゴロゴロよりも少し高い音で喉を鳴らしているときは、飼い主に何かしてほしい気持ちを表していると解説されています。出典:ペットライン

「同じゴロゴロなのに、なんだかいつもより甲高い」と感じたら、それは満足ではなく「ねえ、聞いて」というおねだりのサインかもしれません。

不安や痛みを和らげる「自己鎮静」のゴロゴロ

ここが、ゴロゴロを「いつも幸せの音」と決めつけない方がよい理由です。猫は気分がすぐれないときやストレスを感じているとき、不安や苦痛があるときにも、中低音よりさらに低い音でゴロゴロと鳴らすことがあります。これは人が深呼吸で気持ちを整えるのに似た、自分を落ち着かせるためのセルフケアの一種と考えられています。

気分がすぐれないときやストレスを感じているとき、不安や苦痛があるときには、中低音よりも低めの音でゴロゴロと喉を鳴らすことがあると説明されています。出典:ペットライン

ある動物病院の解説では、痛みや不安があるときのゴロゴロは自分を落ち着かせたり、自然治癒を促したりするための行動と位置づけられています。ゴロゴロ音の低い振動が体によい働きをする可能性を指摘する見方もありますが、これらは研究途上の話で、確立した治療法ではありません。少なくとも「ゴロゴロしているから元気」とは限らず、つらさをこらえながら鳴らしていることもある、と覚えておきたいところです。

痛みや不安があるときにも猫はゴロゴロと鳴らすことがあり、これは自分を落ち着かせたり自然治癒を促したりするセルフケアの一種とされ、ゴロゴロ音の周波数が体に働きかける可能性にも触れられています。出典:かやま動物病院

メモ

体の一部をしきりになめながら低くゴロゴロ鳴らしているときは、その部分に痛みや違和感があることも。ふだんのゴロゴロと音や状況が違うと感じたら、体調のサインとして気にかけてあげましょう。

遺伝子との関連を示す近年の研究

ゴロゴロの「量」には、生まれ持った個性も関わっているかもしれません。京都大学などの研究チームは、家庭で飼育されているネコの行動特性とアンドロゲン受容体という遺伝子の関係を調べ、この遺伝子のタイプによってゴロゴロ音の多さや鳴き声、見知らぬ人への攻撃性といった行動に違いが見られたと報告しています。研究成果は2025年5月に国際学術誌に発表されました。

家庭で飼育されているネコの行動特性とアンドロゲン受容体遺伝子の関係を調べたところ、遺伝子のタイプによってゴロゴロ音や鳴き声、見知らぬ人への攻撃性といった行動特性に違いが見られ、ネコだけに見られる遺伝子型があり家畜化の過程で変化が起こった可能性があると考えられた、と発表されています(2025年5月)。出典:京都大学

ただしこれは行動の傾向と遺伝子の関連を調べた研究であり、ゴロゴロの発声メカニズムそのものが解明されたわけではありません。「よくゴロゴロ鳴く子」と「あまり鳴らさない子」がいるのは、性格だけでなく体質的な背景もあるのかもしれない、という一歩手前の知見として受け止めるのが正確です。

ゴロゴロでも見逃さない、受診を考えたいサイン

ゴロゴロは安心の音であることが多い一方で、自己鎮静のために鳴らしている場合もあるため、音だけで健康を判断するのは避けたいところです。大切なのは、ゴロゴロ以外の様子とセットで見ることです。次のような変化を伴うときは、様子見を続けず動物病院に相談してください。

注意

ゴロゴロと鳴らしていても、元気や食欲がない、ぐったりしている、呼吸が速い・浅い・苦しそう、隠れて出てこない、体の一部を痛がる・触られるのを嫌がる、いつもと違う低いゴロゴロが続くといった様子があるときは、体調不良が隠れていることがあります。子猫やシニア猫は変化が急に進むこともあるため、早めの受診が安心です。

低い喉の音とともに苦しそうに見えたり食欲がなかったりといった異変があれば、動物病院に相談することがすすめられています。出典:ペットライン

食欲が落ちているときの見極めについては

、雷や来客などのストレスで不安そうなときのケアは

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もあわせて参考になります。判断に迷うとき、いつもと違うと感じたときは、遠慮なくかかりつけに問い合わせて大丈夫です。

膝の上でゴロゴロいっているから元気だと思っていた日に、よく見たら朝からごはんをほとんど食べていないことに気づきました。いつもより音が低くて、体を丸めていて。念のため病院に連れて行ったら早めに対応できて、それからは「ゴロゴロ=安心」と決めつけず、食欲や姿勢も一緒に見るようになりました。
ゴロゴロ鳴いていれば、体調は大丈夫と考えていいですか?
必ずしもそうとは言えません。猫は不安や痛みがあるときにも、自分を落ち着かせるために低いゴロゴロを鳴らすことがあります。元気や食欲、呼吸、姿勢などゴロゴロ以外の様子とあわせて見て、いつもと違う点があれば動物病院に相談してください。
要求のゴロゴロと甘えのゴロゴロは聞き分けられますか?
厳密に聞き分けるのは難しいものの、要求があるときはリラックス時より少し高い音になることがあると言われます。ごはん前や遊んでほしいときなど、状況やタイミングと合わせて観察すると気づきやすくなります。
ゴロゴロの仕組みははっきり分かっているのですか?
いいえ。喉まわりの筋肉の振動という見方が有力ですが、猫がどのようにゴロゴロ音を出しているのか、その仕組みはいまだ完全には解明されていません。複数の仮説がある段階だと理解しておくのが正確です。
うちの子はあまりゴロゴロ鳴きません。問題でしょうか?
ゴロゴロの多さには個体差があり、鳴らす量に遺伝的な背景が関わる可能性を示す研究もあります。あまり鳴らないこと自体は心配いりませんが、急にゴロゴロを含む行動や様子が変わったときは体調の変化がないか気にかけてあげましょう。

まとめ

猫のゴロゴロは、甘えやリラックス、母子のコミュニケーション、何かの要求、そして不安や痛みを和らげる自己鎮静まで、いくつもの意味を持つ音です。音が鳴る仕組みはいまだ完全には解明されておらず、近年は遺伝子との関連を示す研究も出てきましたが、発声の仕組みそのものが分かったわけではありません。だからこそ「ゴロゴロ=いつも幸せ」と決めつけず、音のトーンや、元気・食欲・呼吸・姿勢といった全身の様子と合わせて読み取ることが大切です。いつもと違う低いゴロゴロや、食欲や元気の低下を伴うときは、自己判断せずかかりつけの動物病院に相談してください。日々のゴロゴロを覚えておくことが、不調の早い気づきにつながります。

出典・参考

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