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猫と鳥インフルエンザ(H5N1)、飼い主が今知っておきたいことと現実的な予防

対象の目安: 全ライフステージ

ミオ食事・健康担当
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猫と鳥インフルエンザ(H5N1)、飼い主が今知っておきたいことと現実的な予防

「猫にも鳥インフルエンザがうつるの」というニュースを見て、不安になった方もいるかもしれません。結論から言えば、過度に恐れる必要はありませんが、飼い主が知っておくと安心できる基本と、家庭で今日からできる予防はあります。この記事では、海外で報告されている事例と日本国内の状況を公的情報で確認しながら、落ち着いて対策を整理します。

いま海外で何が報告されているのか

まず事実関係を落ち着いて確認しましょう。米国では2025年前後に、飼い猫が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)に感染して死亡した事例が複数報告されました。米国獣医師会(AVMA)によると、室内飼いの猫が生の冷凍ペットフードを食べたあとにH5N1に感染して死亡し、開封済みの製品と感染猫のウイルスが遺伝学的に一致したとされています。これを受けてメーカーが自主回収(リコール)を行った事例もあります。

室内飼いの猫が生の冷凍ペットフードを食べた後にH5N1に感染して死亡し、製品と感染猫のウイルスが遺伝学的に一致したこと、メーカーによる自主回収が行われたこと、別の世帯で生乳(未殺菌ミルク)を摂取した猫が発症・死亡した事例が報告されていることが記載されています。米国獣医師会(AVMA)より。

生乳(殺菌していないミルク)との関連も指摘されています。米国CDCの学術誌に掲載された報告では、生乳を摂取した家庭の猫からH5N1ウイルスが検出され、猫が感染したことが示されました。いずれのケースも共通するのは、「加熱・殺菌されていない動物由来の食品」が感染源になり得るという点です。

米国で、未殺菌の生乳を摂取した家庭の猫からH5N1ウイルスが分離され、生乳を介した猫の感染が示されたことが報告されています。Emerging Infectious Diseases(CDC)より。

日本国内の状況を冷静に見る

海外の事例は重要な注意喚起ですが、そのまま日本の日常に当てはめて不安になりすぎる必要はありません。環境省は、鳥類での世界的な感染拡大に伴い、野生の哺乳類などでも感染が報告されていること、国内でも哺乳類での陽性確認があることを公表しています。ただし、これは主に野生動物などを対象にした監視の結果であり、飼い猫が発症したという確定情報が示されているわけではありません。

2021年以降の世界的な感染拡大に伴い、海棲哺乳類を含む野生の哺乳類や農場のミンクなどでも感染が報告されていること、国内の哺乳類における高病原性鳥インフルエンザの発生状況が公表されていることが記載されています(令和7シーズンの陽性確認件数など)。環境省より。

ヒトへの影響についても、厚生労働省は、H5N1のヒト感染例は多くが家きんなどとの直接・間接の接触によるもので、日本で発症したヒトは確認されていないとしています。つまり、日常生活の中でむやみに恐れる段階ではなく、正しい知識で備えることが大切です。

H5N1のヒト感染は、多くが直接的または間接的に家きん等との接触があったこと、日本では発症したヒトは確認されていないこと、世界的な感染拡大に伴い野生の哺乳類や農場のミンク、米国の乳牛などでも感染が報告されていることが記載されています。厚生労働省より。

ウイルスの基本と「加熱」の話

鳥インフルエンザウイルスは、加熱すれば感染性を失います。農林水産省は、食品全体が70度以上になるように加熱することを目安として示し、我が国では家きんの肉や卵を食べて鳥インフルエンザに感染した例は報告されていないと明記しています。ここが、生食との違いを理解するうえでの重要なポイントです。

鳥インフルエンザウイルスは加熱すれば感染性がなくなること、食品全体が70度以上になるように加熱すること、我が国ではこれまで家きん肉や家きん卵を食べて鳥インフルエンザウイルスに感染した例は報告されていないことが記載されています。農林水産省より。

猫のフードに置き換えて考えると、しっかり加熱・加工された総合栄養食のドライフードやウェットフードは、この点で安心材料が多いと言えます。一方で、加熱・殺菌の工程を経ていない生肉・生乳・生タイプのフードは、原料に運悪くウイルスが混入していた場合のリスクを避けにくくなります。

飼い主が今日からできる現実的な対策

やることはシンプルです。過度な消毒や神経質な生活は必要なく、下の基本を押さえれば十分です。

  1. 1

    生肉・生乳・生フードを避け、加熱したものを与える

    未殺菌のミルクや生肉、加熱工程のない生タイプのフードは避け、加熱・加工された総合栄養食を選びます。生の食材を使う場合は十分に加熱します。

  2. 2

    野鳥や死んだ鳥、その排泄物に近づけない

    弱った鳥や死んだ鳥、その羽や排泄物に猫を近づけない・触れさせないようにします。庭やベランダに来る野鳥との接触も避けます。

  3. 3

    完全室内飼いを基本にする

    外に出ない生活は、鳥や他の動物・排泄物との接触機会そのものを減らします。感染症全般や交通事故の予防にもつながります。

  4. 4

    鳥・家きんに触れた後は手洗いを徹底する

    外出先で鳥に接した後や帰宅後は、猫に触れる前にせっけんで手を洗います。衣類や靴の管理にも気を配ります。

注意

弱っていたり死んでいる野鳥・野生動物には、素手で不用意に触らないようにしましょう。見つけた場合は自治体や環境省の案内に沿って対応してください。猫を近づけないことが第一です。

わが家の鳥インフル対策チェック

  • 生肉・生乳・未殺菌ミルクを猫に与えていない
  • 生タイプのフードのリコール情報を時々確認している
  • 猫を完全室内飼いにしている
  • ベランダや庭で野鳥に近づけない工夫をしている
  • 鳥に触れた後は猫に触れる前に手を洗っている

こんな様子に気づいたら、早めに相談を

万一に備えて、体調の変化のサインも知っておきましょう。海外の事例では、発熱や強い元気消失、目や鼻からの多量の分泌物、呼吸が苦しそう、ふらつきなどの神経症状といった変化が報告されています。これらは鳥インフルエンザに限らず、猫のさまざまな不調で見られるサインでもあります。

メモ

これらの症状がすべて鳥インフルエンザというわけではありません。ただ、急な体調不良や呼吸・神経の異変は、原因を問わず早めの受診が安心です。受診の前に、生肉や野鳥との接触があったかを整理しておくと診察がスムーズです。

急な不調や呼吸のつらさがあるときは、動物病院に電話で連絡し、症状と最近の食事・野鳥との接触の有無を伝えたうえで受診してください。事前連絡があると、院内での感染対策や受け入れ準備がしやすくなります。呼吸器の症状全般については、こちらも参考になります。

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生食が体に良いと聞いて生肉を検討していましたが、ニュースを見て加熱タイプに切り替えました。うちは完全室内飼いなので、あとはベランダに来るスズメに興味を示さないよう、網戸をしっかり管理しています。

よくある質問

市販のドライフードやウェットフードは大丈夫ですか。
一般的な総合栄養食は加熱・加工されており、鳥インフルエンザウイルスは加熱で感染性を失うとされています(農林水産省)。心配なのは未殺菌のミルクや生肉、加熱工程のない生タイプのフードです。
日本の飼い猫でも感染例はありますか。
国内では哺乳類での陽性確認はありますが、飼い猫が発症したという確定情報は公的機関から公表されていません(環境省)。過度に不安になる必要はありませんが、生食を避ける・野鳥に近づけないといった基本の予防は有効です。
人にもうつりますか。
H5N1のヒト感染例の多くは家きんなどとの接触によるもので、日本で発症したヒトは確認されていないと厚生労働省は示しています。鳥に触れた後の手洗いなど、基本的な衛生を心がけましょう。

猫と鳥インフルエンザの話は、正しく知れば必要以上に怖がるものではありません。生食を避けて加熱したものを与える、野鳥に近づけない、完全室内飼いと手洗いを守る、この基本の積み重ねが、いちばん現実的で確かな守りになります。気になる症状があるときは、自己判断せず動物病院に相談してください。

出典・参考

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