猫の歯みがき・口腔ケアの始め方|歯周病を防ぐ頻度・やり方・慣らし方
対象の目安: 全ライフステージ

猫の歯みがきは、必要だとわかっていても後回しにしがちなお手入れです。口をさわらせてくれない、道具をそろえるのが難しそう、と感じている方も多いでしょう。けれど歯みがきは、歯周病をはじめとする口のトラブルから猫を守るための、いちばん基本になるケアです。この記事では、なぜ必要なのかという理由から、頻度の目安、口周りを触ることから歯ブラシへ進める慣らし方、そして受診を考えたいサインまでを、獣医師監修の記事やメーカーの資料をもとに整理しました。あくまで一般的な考え方として読んでいただき、気になる症状があるときは動物病院に相談してください。
なぜ猫に歯みがきが必要なのか
歯みがきが大切な理由は、口の中で起きる変化のスピードにあります。食べかすなどから歯の表面にたまる歯垢(プラーク)は細菌のかたまりで、これが放置されると硬い歯石に変わります。アニコム損保の記事では、歯垢は1週間以内に歯石になると言われ、一度歯石になってしまうと歯みがきでは取り除くことができなくなると説明されています。
アニコム損保は、歯垢は1週間以内に歯石になると言われ、一度歯石になると歯みがきでは取り除くことができなくなると説明しています。
ねこのきもちWEB MAGAZINEの記事でも、歯垢は約1週間で歯石になり、歯石になると簡単には落とせなくなるとされています。つまり歯みがきの役割は、歯石になる前のやわらかい歯垢のうちに取り除くことにあります。歯石になってしまったものは、動物病院での処置が必要になります。
ねこのきもちWEB MAGAZINEは、歯垢は約1週間で歯石になり、歯石になると簡単には落とせなくなるため、歯垢のうちに取り除くことをすすめています。
歯周病は、猫にとって決して珍しい病気ではありません。ユニ・チャームの記事では、とくに3才を過ぎると猫の80%が口の中に疾患を抱えているといわれると紹介されています。若い猫でも油断できないテーマであり、だからこそ日ごろのケアが役立ちます。
ユニ・チャームは、とくに3才を過ぎると猫の80%が口の中に疾患を抱えているといわれると紹介しています。
歯みがきの頻度はどのくらいがよいか
理想は毎日みがくことですが、最初から完璧を目指す必要はありません。アニコム損保の記事では、できれば毎日歯みがきができるとベストで、それが無理でも2〜3日に1回はケアすることがすすめられています。ビルバックジャパンの記事でも、猫の歯みがきは毎日おこなうのが理想的で、難しい場合でも週に2〜3回はみがくとよいとされています。
アニコム損保は、できれば毎日歯みがきができるとベストで、それが無理でも2〜3日に1回はケアすることをすすめています。
ビルバックジャパンは、猫の歯みがきは毎日おこなうのが理想的で、難しい場合でも週に2〜3回はみがくとよいと説明しています。
歯垢が歯石に変わるまでの日数を考えると、この「2〜3日に1回」という間隔には意味があります。ねこのきもちWEB MAGAZINEの記事でも、1週間に1回以上は歯みがきをして、歯垢のうちに取り除くことがすすめられています。毎日できない日が続いても自分を責めず、続けられるペースを見つけることのほうが大切です。
ヒント
歯みがきの始め方と慣らし方
いきなり歯ブラシを口に入れようとすると、多くの猫は嫌がります。成功のコツは、段階を踏んで少しずつ慣らすことです。アニコム損保の記事では、はじめは口の周りを触り、徐々に歯や歯茎に触れるようにしていき、次に指にガーゼやシートを巻いて、最後に歯ブラシを使うという流れが紹介されています。ビルバックジャパンの記事でも、口(マズル)を触られることに慣らす、指で歯や歯肉に触れられることに慣らす、デンタルブラシを使う、という3つの段階が示されています。
アニコム損保は、はじめは口の周りを触り、徐々に歯や歯茎に触れ、次に指にガーゼやシートを巻いて、最後に歯ブラシを使うという流れを紹介しています。
ビルバックジャパンは、口(マズル)を触られることに慣らす、指で歯や歯肉に触れられることに慣らす、デンタルブラシを使う、という3つの段階を示しています。
- 1
口の周りを触ることに慣れてもらう
なでたりブラッシングしたりするついでに、口の周りをそっと触ります。嫌がらなければ、少しずつ歯や歯茎にも触れていきます。 - 2
歯みがき剤の味を覚えてもらう
猫用の歯みがきペーストやジェルを指先につけてなめさせ、よい味だと覚えてもらうと、口周りを触られることを受け入れやすくなります。 - 3
指やガーゼで歯にふれる
指にガーゼやシートを巻き、水やウエットフードの汁を含ませて、前歯から歯と歯茎の表面を軽くなでます。慣れたら奥歯へ進みます。 - 4
歯ブラシに切り替える
ヘッドの小さい猫用の歯ブラシを使い、1本ずつ短時間でみがきます。嫌がる前に切り上げ、できたらほめてよい印象で終わります。
ビルバックジャパンの記事では、動物用歯みがきペーストなど、おいしい味のついたものを指につけると、嫌がらずに受け入れやすくなると紹介されています。焦らず、その子のペースに合わせて進めることが、長続きの秘訣です。
ビルバックジャパンは、動物用歯みがきペーストなど、おいしい味のついたものを指につけると、猫が嫌がらずに受け入れやすくなると紹介しています。
なお、口や足先など体に触れられることに慣れてもらう練習は、爪切りやブラッシングとも共通します。日ごろのスキンシップの延長として取り組むとスムーズなので、 あわせて読みたい 猫の爪切りのコツと頻度|嫌がる猫への進め方と深爪・出血時の対処
歯ブラシの当て方と奥歯のケア
歯ブラシに慣れてきたら、当て方にも少し気を配ってみましょう。アニコム損保の記事では、歯ブラシは歯に対して45度の角度で当て、毛先が歯周ポケットに入るようにすると説明されています。ねこのきもちWEB MAGAZINEの記事でも、歯ブラシを45度くらい傾けて歯に当て、左右に小刻みに動かして1本ずつ軽くみがくとよいとされています。
アニコム損保は、歯ブラシは歯に対して45度の角度で当て、毛先が歯周ポケットに入るようにすると説明しています。
ねこのきもちWEB MAGAZINEは、歯ブラシを45度くらい傾けて歯に当て、左右に小刻みに動かして1本ずつ軽くみがくことをすすめています。
とくに意識したいのが奥歯です。ねこのきもちWEB MAGAZINEの記事では、ほかの歯よりも大きな臼歯は歯垢がつきやすいので念入りにみがくとよいとされています。奥歯は口の奥にあって見えにくく、猫も嫌がりやすい場所ですが、歯垢がたまりやすい部分でもあります。前歯でウォーミングアップしてから、少しずつ奥へ進めていくと取り組みやすくなります。
ねこのきもちWEB MAGAZINEは、ほかの歯よりも大きな臼歯は歯垢がつきやすいので念入りにみがくとよいと説明しています。
歯みがき剤は猫用を使い、人の歯みがき粉は使わない
歯みがき剤を選ぶときの大切な注意があります。人用の歯みがき粉は、猫には使わないでください。アニコム損保の記事では、人用の歯みがき粉を猫に使うのは控えるようにと述べられ、キシリトールが含まれる製品の危険性にも触れられています。猫は口をゆすいで吐き出すことができないため、飲み込んでも安全なように作られた猫用の歯みがき剤を選ぶのが基本です。
アニコム損保は、人用の歯みがき粉を猫に使うのは控えるようにと述べ、キシリトールを含む製品の危険性にも触れています。
猫用の歯みがきペーストやジェルには、猫が好みやすい味がついた製品が多くあります。前述のとおり、この味を先に覚えてもらうことが、歯みがきそのものへの抵抗を減らす助けになります。歯ブラシに慣れるまでの導入としても役立つので、慣らし期から取り入れてみるとよいでしょう。
歯みがき以外の口腔ケアは補助と考える
デンタルジェルやシート、デンタルおやつ、口腔ケア用のフード、飲み水に混ぜる液体歯みがきなど、口腔ケアの製品はいろいろあります。これらは便利ですが、道具によって歯垢を落とす効果には差があることを知っておきましょう。ねこのきもちWEB MAGAZINEの記事では、ガーゼは歯みがきシートに比べ効果や便利さは劣るとしつつ、嫌がる猫には無理強いせず、最初はガーゼでみがくなど嫌がらない方法から始めるとよいとされています。
ねこのきもちWEB MAGAZINEは、ガーゼは歯みがきシートに比べ効果や便利さは劣るとしつつ、嫌がる猫には無理強いせず、最初はガーゼでみがくなど嫌がらない方法から始めるとよいとしています。
こうした補助的なケアは、歯ブラシによる歯みがきの代わりになるというより、続けやすくするための入口や、歯ブラシと組み合わせる補助として位置づけると考えやすくなります。どうしても歯ブラシを受け入れてくれない場合でも、何もしないよりはガーゼやシートで歯垢をこまめに取ることに意味があります。その子が受け入れてくれる方法から、無理なく始めてみてください。
注意
こんなサインが見えたら動物病院へ
歯みがきは予防のためのケアであり、すでにあるトラブルを治すものではありません。次のようなサインが見られるときは、口の中で問題が起きている可能性があります。アニコム損保の記事では、口臭がきつい場合はすでに何らかの口腔トラブルを抱えているかもしれないとされています。
アニコム損保は、口臭がきつい場合はすでに何らかの口腔トラブルを抱えているかもしれないと説明しています。
- 口のにおいがいつもよりきつくなった
- よだれが増えた、口元が濡れている
- ごはんを食べにくそうにする、片側だけで噛む、食欲が落ちた
- 口を気にする、前足で口元をこする
- 歯茎が赤い、腫れている、出血している
注意
口の中の変化は、健康診断のときにあわせて診てもらうこともできます。定期的に受診する習慣があると、小さな変化にも早く気づきやすくなります。受診の流れについては、 あわせて読みたい 子猫のワクチンと健康診断の基本ガイド、迎えてからの受診の流れ
よくある質問
歯みがきはどのくらいの頻度ですればよいですか
人間用の歯みがき粉を使ってもよいですか
どうしても歯ブラシを嫌がります。どうすればよいですか
歯みがきを始めるのに遅すぎるということはありますか
まとめ
猫の歯みがきは、歯垢が歯石になる前に取り除き、歯周病から猫を守るための基本のケアです。歯垢は数日から1週間ほどで歯石に変わり、歯石になると歯みがきでは取り除けません。頻度は毎日が理想で、難しくても2〜3日に1回を目安に続けましょう。始め方は、口の周りを触ることから指やガーゼ、そして歯ブラシへと段階を踏むのがコツです。歯みがき剤は必ず猫用を選び、人用の歯みがき粉は使いません。ジェルやシート、おやつやフードは補助と考え、その子が受け入れてくれる方法から無理なく取り入れてください。そして、口臭やよだれ、食べにくそうな様子などのサインがあるときは、自己判断で続けず、早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。
出典・参考
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