猫のフィラリア症(犬糸状虫症)|蚊が運ぶ見えにくい病気と「予防が最重要」の理由
対象の目安: 全ライフステージ

「フィラリアは犬の病気」というイメージを持つ方は少なくありません。けれども、猫もフィラリア(犬糸状虫)に感染することがあります。しかも猫の場合は、犬と比べて診断がつきにくく、確実な治療も難しいと説明されており、だからこそ蚊のシーズンに合わせた予防が何より大切だと考えられています。夏はマダニやノミと並んで蚊も活発になる季節です。この記事では、蚊が運ぶフィラリアの仕組み、ぜんそくと紛らわしい症状、完全室内飼いでも油断できない理由、そして予防薬は動物病院で相談するのが基本という考え方まで、不安をあおらず中立に整理しました。
猫のフィラリア症とは|蚊が運ぶ寄生虫の病気
フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫(犬糸状虫)による病気です。日本全薬工業の解説では、フィラリアの幼虫を持った蚊が動物を吸血するときに、幼虫が体内へ入り込み、やがて成虫に成長して心臓や肺の血管に寄生していくと説明されています。
日本全薬工業(ハグにゃん)は、フィラリアの幼虫を持った蚊が吸血する際に幼虫が動物の体内へ入り込み、成虫に成長して心臓や肺の血管に寄生すると説明しています。
猫に感染した場合、アニコム損保の解説では、幼虫は2〜3ヶ月で成長し、感染から100日ほどで5cm程度の成虫になるとされています。名前のとおり「犬」糸状虫ですが、蚊を介して猫にもうつる点が、意外と知られていないところです。
アニコム損保(猫との暮らし大百科)は、猫に感染した幼虫が2〜3ヶ月で成長し、感染から100日ほどで5cmほどの成虫になると説明しています。
犬とここが違う|診断がつきにくく、確実な治療が難しい
猫のフィラリアが「犬より厄介」と言われるのは、見つけにくさと治療の難しさにあります。
アニコム損保の解説では、犬とは異なり猫の血液検査ではフィラリアを検出できないことが多く、寄生している虫の数が1〜3匹ほどと少ないため、早期発見が難しいとされています。犬では有効な血液検査が、猫では正確性を欠くことがあるというわけです。
治療についても、同解説では対症療法が中心で、駆虫薬(虫を殺す薬)は免疫反応のリスクから一般的には推奨されていないと説明されています。つまり、犬のように「見つけて確実に治す」という流れをそのまま当てはめにくいのが猫のフィラリアです。
見つけにくく、確実に治すのも難しい。だからこそ、そもそも感染させない「予防」が最も現実的で大切だと考えられているのです。
症状は非特異的|ぜんそくと紛らわしく、突然死もある
猫のフィラリアで気をつけたいのは、症状がはっきりしないことが多い点です。アニコム損保の解説では、明確な症状が出ないことも多い一方で、見られる場合には咳や呼吸が速くなる、呼吸困難といった呼吸器の症状のほか、嘔吐、元気消失、食欲不振、体重減少などが報告されているとされています。
咳や速い呼吸といった症状は、猫のぜんそく(喘息)などほかの呼吸器の不調とも見分けがつきにくく、飼い主が「フィラリアかもしれない」と気づくのは簡単ではありません。
アニコム損保は、猫のフィラリアでは明確な症状がないことも多く、見られる場合は咳・呼吸が速い・呼吸困難などの呼吸器症状に加え、嘔吐・元気消失・食欲不振・体重減少などが報告されると説明しています。
さらに注意したいのが突然死です。アニコム損保の解説では、成虫の死骸が血管を詰まらせることで、突然死につながることがあるとされています。
注意
完全室内飼いでも油断できない理由
「うちは一歩も外に出さないから蚊は関係ない」と思われるかもしれません。けれども、蚊は網戸のわずかな隙間や、人の出入りに合わせて室内に入り込みます。玄関の開け閉めや、洗濯物・買い物袋と一緒に、気づかないうちに家の中へ入ってくることもあります。
蚊が媒介する病気である以上、蚊に刺される機会をゼロにするのは難しく、室内飼いの猫でも感染のリスクはあります。予防薬を基本にしつつ、家庭でできる蚊よけの工夫を補助的に組み合わせて考えるのが安心です。
窓や玄関の網戸を点検して隙間をふさぐ、蚊がわきやすい水たまり(受け皿の水など)を減らすといった蚊よけの工夫は、家庭でできる補助的な対策です。ただし、これらだけで完全に防げるわけではないため、予防薬と組み合わせて考えるのが基本になります。
予防は動物病院で相談を|薬のタイプと投与時期
猫のフィラリア予防薬は、動物病院で処方してもらうのが基本です。市販の情報や自己判断だけで選ばず、その子の体調や暮らし方に合わせて獣医師に相談しましょう。
アニコム損保の解説では、猫の予防には月1回、背中に垂らすタイプ(スポット・滴下タイプ)の猫専用予防薬を使うのが一般的だとされています。日本全薬工業の解説では、ノミやマダニなども同時に対策できる合剤タイプがあることにも触れられています。どの製品が合うかは動物病院で相談するのが安心です。
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投与の前に感染の有無を確認する
アニコム損保の解説では、すでにフィラリアに感染している猫に予防薬を投与すると副作用が起こることがあるため、投与前に感染の有無を確認することが重要だとされています。前シーズンに予防していなかった場合などは、獣医師に相談しましょう。 - 2
蚊の時期に合わせて始める・終える
日本全薬工業の解説では、予防薬は蚊が発生しはじめた約1ヶ月後から、蚊が見られなくなってから約1ヶ月後まで投与するのが基本だとされています。地域差があり、たとえば都内では5月頃から11〜12月頃までが一例として挙げられています。 - 3
蚊を見なくなっても勝手にやめない
予防薬は体内に入った幼虫を駆除する働きがあるため、蚊の活動期が終わったあとの最後の1回まで続けることが大切だと説明されています。「涼しくなったから」と自己判断で早くやめないようにしましょう。
投与のタイミングや期間は地域の気候によって変わります。お住まいの地域に合ったスケジュールは、かかりつけの動物病院で確認するのが確実です。
猫のフィラリア予防で押さえたいポイント
- 蚊が媒介する病気で、完全室内飼いでも感染リスクはある
- 猫は診断がつきにくく確実な治療が難しいため、予防が最も大切
- 咳・速い呼吸・嘔吐など症状は非特異的で、気づいたら早めに受診
- 予防薬は動物病院で処方・相談し、投与前に感染の有無を確認
- 蚊の時期に合わせて始め、最後の1回まで自己判断でやめない
よくある質問
犬用のフィラリア予防薬を猫にも使えますか?
うちは完全室内飼いですが、それでも予防は必要ですか?
ノミ・マダニ対策とまとめてできますか?
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まとめ
猫のフィラリア症は、蚊が運ぶ寄生虫による病気で、犬と違って診断がつきにくく、確実な治療も難しいと説明されています。症状は咳や速い呼吸など非特異的で、ぜんそくとも紛らわしく、突然死につながることもあります。だからこそ、感染させない「予防」が最も現実的で大切だと考えられています。完全室内飼いでも蚊は入り込むため油断はできません。予防薬は動物病院で処方・相談するのが基本で、投与前には感染の有無を確認し、蚊の時期に合わせて最後の1回まで続けることが大切です。気になる症状や予防スケジュールは、その子の暮らしに合わせてかかりつけの動物病院で相談してみてください。
出典・参考
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